2009年・秋 外面(そとづら)と内面(うちづら)

私たちは円滑な人間関係を築いていくために、自然に湧き出てくる感情を、そのまま表わすことを抑えることがあります。何か言われて傷ついたとしても、相手に何も言えないこともあります。相手が目上だと、こちらに非が無くても、とにかくお詫びをしなくてはならないこともあるでしょう。そのような時には、抑えられた感情(自分は悪くないのだから、悔しい!)は、心の奥底にストレスとなって溜まっていきます。

理不尽な対応をされた時には、正当な手段で訴えることができる人もいるでしょうし、相手への配慮を欠いて行動し、トラブルを起こす人もいるでしょう。他人の気持ちを想像することが苦手で、接触を避けようとするタイプの人もいます。でも多くの人は、「嫌な体験だった」と、その思いを何らかの形で発散して切り替えようとするでしょう。自分の中に沸き起こる不快な感情にしっかり向き合うことは、少ないように思われます。

心の中は自由です。どのようなことを考えても、何を想像しても、心の中にある限りは大丈夫です。嫌なことを言われた相手に対して、「あんな奴……」と思うこともあるでしょう。そのように思えてしまうことには、罪悪感を抱く必要はありません。誰でも辛かったこと、嫌な体験をした後には、不平不満の思いが募ります。そのような時、家族や信頼している人に、「愚痴」を聞いてもらうことも大切です。沸き起こる不快な感情を、言葉に出して受け留めてもらうことで、気持ちを切り替えることができます。「外面は良いけど内面は悪い」という言葉がありますが、家ではありのままをさらけ出すが外では体裁を整えて行動できるという意味では、好ましいことではないかと思います。逆に、家族とのストレスを外で発散することの方が、問題の根は深いと言えるでしょう。外で嫌なことがあった時には、家で八つ当たりをする前に、その気持ちを家族に伝えられると良いのです。家庭がその家族にとっては、いつでもホッとできる場所であって欲しいと願っています。

(健康院カウンセラー・神谷)