2012年・夏 ほめることの効用

「ほめることは大切」とよく言われます。どういうわけで大切なのでしょうか。みなさんは子どもの頃、どんなことが得意でしたか?その得意分野で、みなさんがほめられていたかどうかを思い出してみてください。けなす人もいたかもしれません。でも多くの場合はほめられた印象のほうが強いのではないでしょうか。では、よくできたからほめられたのでしょうか、それとも、ほめられたからできたのでしょうか。答えはどちらも正しいのです。心理的な出来事の多くは、一方が原因で一方が結果というものではなく、互いに強めあったり、弱めあったりする相互作用の関係にあります。大切なことは、ほめられたからこそ、難しいことでもコツコツと勉強して、つまらない練習もこなして、つらくても逃げずに努力して・・・そうやって一生懸命やってきたからこそ、ますます得意分野になってきたということです。

反対に苦手分野はどうでしょう。けなされたから、ほめられなかったから次第に自信を失い、つらいことから弱気になって、逃げだしても失うものはない気がしてきて・・・そうやって一生懸命できなくなるからこそ、ますます苦手分野になっている面もあるのではないでしょうか。

つまり、たとえ現状が困難な事態にあったとしても、ほめることによってその困難を克服していける可能性があるということです。ほめてくれる人がいなかったら、「よくやってきたね、こんな困難な状況なのに、よく踏みとどまって、自分なりに頑張ってきたよね」とまずは自分をほめてやりましょう。困難に立ち向かい、克服して、そして徐々に得意分野にしていきましょう。苦手なものも、人との関係も、人生そのものも・・・。
ほめられて育つと、子どもは社会適応能力が2倍になる。高齢者を長期調査した結果、ほめ合っている人は、認知症になる確率が低いという調査結果もあります。

(健康院カウンセラー)