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科学するTAMAGAWA 2016年4月からスタート、半年が経過したバイリンガルプログラム「BLES」の教育活動

2016.12.06

日本語と英語によるバイリンガル教育「BLES(Bilingual Elementary School)」。
文部科学省の教育課程特例校として2016年4月のスタートから7カ月が経ちました。
プログラムを開始しての手応えを後藤健教育部長(K-4年生)にお聞きするとともに、
活発に授業を受ける子供たちの様子をお伝えします。

BLESの授業風景

BLESはどのような授業を行っているのでしょうか。まずは、「BLESクラス」1年すみれ組とゆり組の授業の様子からお伝えします。



DICTIONARY

すみれ組の英語の授業は、外国人教員のクリスティ・トストン先生の歌を合図に始まりました。壁に貼ってあるのは、アメリカの1年生が習う英単語。みんなで順番に大きな声で読んでいきます。ホワイトボードにはea、ee、eigh、ai、ch、ow、oo、oa、shなど、英単語に使われている母音と子音が書いてあり、こちらの発音チェックも行います。
単語の読み書きが終わると教科書の勉強です。アメリカの1年生が母語として英語を習うのに使用されるテキストを、BLESでは使っています。今回出てきた新しい単語は“lap”。首をかしげる子供たちに、先生は一人の児童を前に呼び出しました。「教室をぐるっと回って走ってごらん」、そして1周すると“One lap”、2周すると“Two laps”。子供たちは「なるほど!」と理解したようです。教科書の音読のペアワークでは互いに教え合う光景も見られました。
最後はグループワーク。READING(本を読む)、WRITING(テキストを写す)、DICTIONARY(新しい単語をファイルにまとめイラストをつける)、ENGLISH GAME(英語でゲームをする)、TOSTON(トストン先生と一緒に課題をする)の5つのグループに分かれ、それぞれ一生懸命にタスクに取り組んでいました。

クリスティ・トストン先生から一言

グループワークはレベル別に分けています。TOSTONの時間は、そのグループのレベルに合わせてテキストの復習をしたり、本を読んだり、内容を変えるようにしています。文法やスペルのテストはもちろん、ランチタイムには英語でのスピーチも行っています。
今教室の壁に大きな木の絵が貼ってありますが、木の葉の一枚一枚に子供たちが英語でポエムを書いています。テーマは「私は秋」。自分が“秋”になったらどんな風景が目に入るのかを想像して書いているのですが、個性が出て面白いですよ。

トストン先生とグループワーク

一方、ゆり組の算数の授業は、最初にプレゼンテーションで始まりました。テーマは“My favorite food”。教室の前に出て電子黒板に資料を提示しながら、自分の好きな食べ物をみんなに英語で説明します。ある児童は“My favorite food is sushi. I go to eat sushi with my family. I like tuna very much.(僕の好きな食べ物は寿司です。家族と一緒に寿司を食べに行きます。特にマグロが大好きです)”と発表しました。それに対し、「お父さんとお母さんは何が好きですか?」という質問が日本語で出たので、先生がそれを英訳し、英語でもう一度質問するよう促しました。発表者も「お父さんはマグロ、お母さんはホタテが好きです」と日本語で答えたので、それも先生が英訳し、再度英語で返答。このように日本語の日常会話を英語におきかえる練習をしながら授業が進んでいきました。

こんな教育プログラムを待っていた、との声

「日本語は母語だからきちんと学びたいが、英語力も身につけたい――BLESは“日本語も英語もしっかり学ぶ”バイリンガルプログラムであり、それがインター校との決定的な違いです。保護者からは『こんな教育プログラムを待っていました』と言われます」と後藤教育部長は話します。
玉川学園では2007年に世界中の大学で入学資格として認められている教育プログラム「国際バカロレア(IB)クラス」※1を設置。BLESはIBへつなげるための、英語力を担保する教育プログラムとして開始されました。国語と社会は日本語で、それ以外の授業は主に英語で行われます。英語での授業は外国人教員※2とバイリンガルの日本人教員の2人体制で、基本は外国人教員が授業を進めます。玉川学園では1年生のクラスを月齢別で分けており、BLESクラスもレギュラークラスと同様、4~9月生まれのすみれ組、10~3月生まれのゆり組に分かれています。
「長年培ってきた玉川学園の教育のノウハウや玉川らしさは、BLESクラスにおいても存分に生かされています。BLES導入にあたり、外国人の教員を採用しましたが、先生方には“玉川学園が大切にしているものを大事にしてください”とお伝えしています。玉川学園には職員室がありませんから、先生は教室に常駐し、子供たちと一緒に遊び、昼食をとり、掃除もする。普段の生活はレギュラークラスと同じです」と言います。さまざまな国から教員が来ているので、教員同士のコミュニケーションを以前にも増して密に取るよう心掛けているそうです。

  • 1現在、IBクラスのMYP(Middle Yesrs Programme)を7年生から実施。2021年度(現在の1年生が6年生になる年)から6年生で開始する予定。
  • 2英語圏の小学校免許所持者またはTESOLの資格(英語を母国語としない者に、英語で英語を教える専門課程を修了した人に与える資格)を取得している教員

宿題も習い事も学校で済ませ、家庭ではゆっくりと

1年生から1日7時間の授業があります。「文科省の定めた1年生のカリキュラムは週に25時間で、そこに英語を5時間とStudy hall(学習サポート、通称SH)を5時間、計10時間増やしています。そのかわり宿題などはSHの時間に終わらせてしまいますので、家庭ではゆっくりできます」と後藤教育部長(K-4年生)。
子供たちの集中力が最後まで保てるのか聞いたところ、「授業参観で見ていただいた通り、1つの授業に色々な活動を盛り込んで飽きさせない工夫をしています。また、15時にブレイクタイムを設けており、各自で用意したおやつを食べるのですが、やはりおやつの力は絶大、子供たちはすぐ元気になります。午後は体育や音楽、図工などなるべく座学を減らすようにもしています。幼稚園の頃から習い事を数多くこなしている子供も多いですし、みんなたくましいですよ」とのこと。
放課後には学内施設を利用し、英語やサッカー、バレエ、レゴ®教育などの講座を専門講師が指導する延長教育プログラム(有料)も4月からスタートしており、BLESクラスの子供たちも7~8割が受講中です。

FC町田ゼルビアフットボールスクール
レゴ®スクールサテライト玉川学園

しっかりとした基礎学力&生活習慣+英語力=BLES

BLES開始から7カ月が経ち、手応えをどのように感じているのでしょうか。「高学年になってしまうと、英語を間違えることに抵抗を感じるようになるんですね。しかし、小さいうちは間違えたり分からなかったりしても全然恥ずかしくないので、先生にも積極的に話しかけますし、とにかく吸収力がすごい。先生方の話す英語はかなり早いスピードですが、今の時点で児童全員が聞きとれていて、彼らが3年生なるころには発話もスムーズになっていると期待しています。英語で学ぶことにストレスを感じない子供を育てるという点において、確かな手応えを感じています」
BLESクラスとレギュラークラスがどう違うのかと尋ねたところ、「最初にもお話しした通り、先生と児童の教室での過ごし方はどちらも同じですし、両者とも運動会や遠足などの行事はすべて一緒に行います。つまり基礎学力と生活習慣という“教育の土台”をしっかりと身につけさせるのは今まで同様で、そこに英語力の向上もめざすのがBLESクラスです。試験を課しますがレギュラークラスからBLESクラスへのコース変更も受け入れています。どの世界に羽ばたいても活躍していかれるような力を養い、その上で英語力も育てるのがBLESなのです」との答えが返ってきました。
では、クラス選びで注意する点はあるのでしょうか。「やはり本人のやる気は大切。英語が分からなくても、何とか理解しようとしてコミュニケーションを積極的に取る姿勢が重要です。お子さんが英語で学ぶことを心から楽しめるかどうか、保護者の方にはお子さんのことをよくよく見てあげて決めてほしいと思います」

関連記事:2016年4月にスタートしたバイリンガルプログラム「BLES」。1~4年生の教員を対象に公開授業が行われました。

 

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