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科学するTAMAGAWA 実験で未知に出会い、それを知る喜びを体験

2011.08.25

理数系と英語教育を重視したプロアクティブラーニング(PL)コースは、
知的好奇心を学びのスタートラインに、経験・体験から知識を得て、
その知識を活用するフレキシビリティを身につける特別コース。
自分で課題を設定し実験を組み立てて研究できる機会にあふれています。

実験から論文発表まで研究の流れを体験から学ぶ

玉川学園では、2010年度より10-12年生を対象に理数系と英語教育を重視したカリキュラムによる特別コース「プロアクティブラーニング(PL)コース」を設置しています。その狙いは、医学部・理学部・工学部・農学部への進学を希望する生徒を重点的に支援するとともに、獲得した知識を柔軟に活用できる能力を付加するというもの。今回は、その取り組みの一環として、生物分野においてLEDによる植物栽培実験を行っている研究を紹介します。

「この研究は、エンドウマメをプランターに植え、同じ生育環境下で白色蛍光灯と赤色LED、青色LEDのそれぞれの光を当て生育の違いを観察していくものです。エンドウ豆も、野生種と変異種の2種類を使っています」と語るのは理科担当の森研堂(もり けんどう)教諭。

「4月にスタートして、実験・観察から考察し、レポートにまとめ、それを発表するといったサイクルのすべてを経験してもらうところまでがこのプログラムです。大学や大学院へ進学すると、研究に力を注ぐことになりますが、このクラスで丁寧な指導が受けられる今、こうした経験を積むことが重要なのです。実験・研究の手順や技法を身につけるだけでなく自信にもつながり、その後の研究もスムーズに進められるようになります」と語る森先生。実験に必要な器具も生徒たちで創意工夫しながら制作しているといいます。

興味・関心の芽を伸ばすのは好き・楽しいという気持ち

「実験に必要なのは、“好き”という気持ちです。努力すれば結果は必ずついてくるのですが、興味や自信を持ち続けることが、次の努力につながります。その努力のモチベーションになるのが“好き”です。幸いなことに、玉川学園には最新の機材・機器がそろい、さまざまな分野の第一人者として研究を進めている大学・大学院・研究所の先生方から話を聞く機会にも恵まれています」事実、キャンパス内のFuture Sci Tech Labの植物工場研究施設では農学部の渡邉教授の指導の下、水冷式LED基盤を採用して栽培実験を行っています。

実験を考察する課題では、実際に実験したのか、していないのかの差が出やすいといいます。
「エンドウマメを用いたのは、比較的育成が容易で、播種から発芽、生育の過程において、約2週間でその違いを観察できるからです。植物は、人間には見えない光の色を認識して、必要な光を取り込んでいると言われています。しかし、実際にそれがどうなのかを証明するには、実験してみなければわかりません。小さな興味や関心を発端にして、何らかの形で観察し実証できるのが理科で、私たちが生活している身の回りのものから学び取れるのです。また、理論的に証明する過程にはさまざまな科目が関わっています。じつは理科という科目は、総合的に将来役に立つことが学べる学問なんです」。

実験を通して得られるものは結果だけでなく、そのプロセスにも多くの学びがある

今回の実験も、最終目標に置かれているのは学会での研究発表。「発表する楽しさを知る機会であると同時に、日本語や英語での論文作成の技法も身につけられるでしょう。さらに、人の目を引き耳を傾けさせる表現方法を学ぶ必要性についても感じてくれると期待しています。また、他校の人たちの発表に触れることで刺激を受けるでしょうし、実際にどんなことをしているのか、どう自分たちの研究をアピールするのかを知る機会にもなるはずです」と森教諭は“自学の場”となることにも期待をかけています。

「自らが立てた仮説や理論が正しいのかそうでないのかを、物言わぬ植物が証明してくれる。だからこそ実験が重要になってきます。器具の扱いや作業が雑であれば、結果もそれ相応にしか出てきません。それも経験して初めてわかることでしょう。PLコースでなければこうした経験に巡り会うチャンスもないでしょう」と語る森教諭。今していることが人の役に立つことや自分がどう生きていくかといったことにつながっていくことも、実験を通して伝えていきたいそうです。

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