低学年の一日に見る 玉川の教育のあり方

2011.05.25

決められた学習だけを決められたとおりに行う。
それは、玉川学園がめざす教育のあり方ではありません。
子どもたちに何を教えるのか?
どんな人間になって欲しいのか?
考えられた結果が、様々な工夫に現れています。

玉川学園らしい教育のあり方

幼稚園から高校3年生までを、6-3-3の学校制度に縛られることなく、それぞれの発達段階を考慮しながら、共通 した指導の下で行う一貫教育、それが玉川学園の「K-12一貫教育」です。学校生活は、各校舎の特徴を生かし、幼稚部、1-4年生、5-8年生、9-12 年生のまとまりで活動しています。

でも、「玉川らしさ」はそのシステムにだけあるのではありません。他にも、智、徳、体を健全に育むための様々な工夫を行っているのです。今回は、低学年(小学校1~4年)の一日を紹介しながら、玉川学園の教育のあり方をお伝えします。

いち早く登校!遊びに仕事に一生懸命

低学年の登校時間は8時25分。でも、その前からたくさんの子どもたちが登校し、校庭で元気に走り回っているのがいつもの光景です。サッカー、ドッジボール、縄跳び、フラフープなどなど。みんな思い思いの遊びを楽しみます。

7時50分。事務室当番や校旗当番の子どもたちがやってきました。事務室当番は、玉川学園が大切にしている「労作」の一つの手段として、教職員と共に、朝の始業前の仕事を実際に体験します。校旗当番は校舎の前にある校旗を掲げるのが役目。「自分たちの学校のことは自分たちでやる」それが、玉川学園ではあたりまえになっています。

8時25分。低学年では、毎朝この時間に「朝会」を行います。朝会を進行するのは4年生の「週番」。全校児童の前に立って、校歌の指揮をしたり、体操のお手本を示します。これは4年生が全員経験する役目で、先生は細かい指示は出しません。音楽をきっかけに朝会が進行します。やはり、自分たちのことは自分たちで行うのです。

また、朝会が終わった後、退場する際の音楽に合わせた行進は、子どもたちのその日の調子を計るバロメーターになります。元気がない子、悩みごとがある子などはすぐにわかります。その様子を見て、先生は子どもたちへの接し方を考えたり、話を聞いたりするのです。

授業は毎日フレキシブルに

8時55分から授業の開始。チャイムは一切鳴りません。時間になったら自分で席に着く。自分の意思で行動することを徹底して尊重しています。また、通常小学校の授業時間は1コマ45分と決められていますが、玉川学園では教員の判断によって2コマ連続で授業をしたり、1コマを2コマに分けたりします。

これは、子どもたちの集中力や、授業の効率を考えてのこと。子どもの集中力はいつも45分続くとは限りません。ときには早めに切り上げて、別の授業をした方が効率的に学べることもあるのです。また、体験学習を重要視している玉川学園では、2コマ連続で校舎外での学習などに出かけたりもします。

さらに、科目の枠もフレキシブルに設定しています。例えば、ドングリ拾いに行ったとき、ドングリの数を数えて算数の勉強を体験的に教えようとしたら、子どもがドングリの種類に興味を持ってしまうということも。そこで無理に算数を教えるのではなく、科目を理科に切り替えて、興味に合わせた勉強ができるようにしています。テストのためだけに机に向かうのではなく、体験して、興味を持ったことを学びにつなげる、これが玉川ならではの工夫です。

英語力にとどまらない国際性が育つ空間

玉川学園が力を入れている学びの一つが国際教育です。現在、低学年には2人のネイティブスピーカーの講師がいて、英語の授業を担当しています。でも、英語に触れるのは授業だけではありません。

玉川学園のK-12には9か国・15の学校から留学生がやってきます。中学年や高学年に来園した海外からの生徒は、必ず低学年の校舎にやってきて、一緒に遊んだり学んだりする時間をつくってくれます。これは、12年間の一貫教育を同一キャンパスで行っているからこそできることです。

日常の中に外国人がいる体験は、日本の小学校ではなかなか体験できません。英語を学ぶだけでなく、外国人に気軽に「ハロー」と挨拶できるようになること。日本人に足りない積極的なコミュニケーション力が、玉川学園では当たり前に身につきます。

保護者同士の交流

12時。保護者の方が集まっています。実は今日は、保護者を対象とした「丘めぐり」がありました。低学年の保護者の方が、10人以上参加してくれました。教員と一緒に、みんなで自然豊かな玉川学園のキャンパスをめぐり、摘んだ野草を天ぷらにしていただきました。

子どもたちが自然とふれ合い、自然から学ぶことはたくさんあります。そのためには、まずは一番近くにいる保護者が、自然にふれ、自然を知っておくことも大切です。また、保護者同士が仲良くコミュニケーションしたり、子どもが生活する場所を保護者も体験したりすることで、クラスメイト同士の関係や、親子の間のコミュニケーションがもっと豊かになります。子どもの成長にとっては保護者の方の参加が大切だと考え、玉川学園ではこうした会やイベントなどをしばしば設けています。

学校外の指導も


この日は地域別下校のための顔合わせも。1~4年生までが地域別に集まって、電車やバスが止まったりしたときに、友達とはぐれないようお互いの顔を覚えます。通学圏が広いので、もしものときに備えているのです。また、登下校時の安全確認のために、「安心グーパス」というシステムを導入しています。これは、子どもたちが登校した後と下校する前に、教室に設置された端末に定期券をかざしたり、小田急線での利用駅の改札口を通過したりすると、保護者の携帯電話にメールが通知されるというもの。自宅が学校から少し遠くても、安心して通学できるための工夫です。

さて、低学年の一日もそろそろ終わろうとしています。下校時、1・2年生は担任の先生が駅まで引率します。子どもたちの安全に配慮していることはもちろんですが、先生と一緒に帰ることで、交通ルールやマナーを覚えるいい機会にも。教育の機会は学校の中だけでなく、こんなところにも隠れています。

このように、教育システムの工夫から、学外の指導や保護者同士の交流まで、様々な面で工夫をしているのが玉川学園の特色です。すべては子どもたちによりよい教育を与えるため。「きれいな心、よい頭、つよい体」を育てる全人教育を実現するためです。