科学するTAMAGAWA 安全・安心なキャンパスを実現するキャンパス セキュリティ センターの取り組み

2015.04.24

61万平方メートルの広大な敷地に、
1万人もの人々が活動する玉川学園のキャンパス。
その安全・安心を担い、子どもたちの未来を守っているのが、
キャンパス セキュリティ センターです。

自分たちの学校は自分たちで守る

「自分たちの学校は自分たちで守る」という理念のもと、玉川学園では1983年に全国の学校に先駆けて保安管理課を設置。その後、2003年にはキャンパス セキュリティ センターを発足し、より一層の安全・安心なキャンパスづくりに取り組んできました。
総務部総務課セキュリティ担当の板垣啓太課長は「キャンパス セキュリティ センターは24時間・365日、緊急時にはいつでも対応できる体制で、キャンパス内の防犯・防災に取り組んでいます。また、安全や防犯・防災意識を向上させるために、学内の安全教育も支援しています」と話します。
安全・安心に過ごせることは、教育活動の土台となるとても大切な要素です。今回は、そんな学園を守るキャンパス セキュリティ センターの取り組みについて紹介します。

人と機械の力を駆使した防犯体制

61万平方メートルもの敷地を誇る玉川学園のキャンパス。その安全を守るためには、人の力、機械の力を駆使した警備が必要だと板垣課長。
「基本は“人の目が届かないところがないように”という方針で、すべての場所を常駐スタッフが巡回警備を行います。当日の施設の使用状況なども細かくチェックし、重点的に巡回すべきと判断した場所は、頻繁に見回るようにしています。このように制服を着た警備員が巡回することは、盗難などの抑止になっていると考えられます。その効果をさらに発揮するために、たとえば荷物を置いて席を立とうとしている学生を見かけた際には、『目を離さないように』と声をかけるなど、積極的にコミュニケーションを取って犯罪の防止に努めています」。

また、各所に監視カメラやセンサーなどを配備し、キャンパス セキュリティ センターで一元的に監視できる体制を整えています。
「不審者を発見したらマイクで呼びかけられるシステムや、センサーの前を通った人を監視カメラが追尾するシステムも配置しています。この度新たに誕生した『大学教育棟 2014』は、教務施設、学生支援施設、図書館などが併設された複合施設ですが、学生の導線を考慮して非常に利便性の高い構造になっている一方、出入り口が多く常に人の往来があるなど、管理が非常に難しいという側面があります。こうした施設の安全を確保するためには、人の力と機械の力をバランスよく運用する必要があるのです」。

さらに、キャンパスに出入りする関係者にIDカードの装着を義務づけ、不審者などの早期発見にも努めています。
「IDカードの色とストラップでどのような関係者かが一目でわかるようにしていますが、それだけでは不十分なので、各入校口の警備員が一人ひとりをしっかり観察し、必ず挨拶をするようにしています。このように挨拶を励行することは、不審者の侵入を抑止する力にもなりますし、もしそれが大学生や外部からのお客様だったとしても、挨拶をされて悪く思う人はいないはずです。もし急に『どちらにご用ですか?』などとたずねたら、不快に思う方もいらっしゃるでしょうからね。そのような気配りも大切だと考えています」。

実際に警備に当たっているスタッフの一人は、「非常に規模が大きいので、見落としなどが無いよう細心の注意を払いながら、日々の警備に当たっています。また、幼稚園から大学まで幅広い年代の子どもたちや教職員、さらには学外からのお客様など、キャンパスにはさまざまな人が訪れます。その一人ひとりにふさわしい対応ができるよう、言葉遣いなどにも細やかな気遣いが欠かせません」と話していました。

ハード・ソフトの両面から取り組む防災体制

一方の防災管理体制については、以前より建物ごとの自衛消防組織を編成し、初期消火や避難誘導を迅速に行えるよう役割分担を決めているほか、大規模災害時には災害対策本部を設置し、速やかに児童・生徒・学生・教職員の安全管理ができる体制も整えています。また、全校舎の火災報知設備をキャンパス セキュリティ センターで集中管理できるしくみになっていて、火災の知らせがあった際にはすぐに現場へ急行できるようになっています。さらに、有事に備えた防災訓練は、部署ごと、エリアごとに分けるなど効果的な訓練になるよう心掛けていますと板垣課長は続けます。

「1992年から町田市の自衛消防技術発表会に出場しています。ここに参加するのは、各部署の現場で働く職員です。こうして防災意識の高い職員が各部署に配置されることにより、学園全体の防災力を高めることができると考えています」。

この自衛消防技術発表会には、大学の学生防災ボランティア隊も、過去3回出場しています。
「学生防災ボランティア隊は、2000年に学生有志によって結成した組織で、現在は公認のクラブ活動になっています。メンバーは日々防災についての勉強会などを行っているほか、東京消防庁の上級救命講習を全員が受講していて、中学年の防災委員会を対象としたAED講習会を開催したり、近隣町内会の防災訓練に参加もしています。玉川学園の最上級生として『自分たちの学校は自分たちで守る』という理念を実践するとともに、学外の防災意識向上にも貢献しています」。

こうした組織づくりのほか、ハード面での防災対策も進めています。
「1995年の阪神・淡路大震災を期に、災害対策備蓄倉庫の設置を開始し、1万人が3日間生活できる食糧や飲料水、日用品などを用意しました。さらに2011年の東日本大震災を受けて毛布などを買い足し、現在コンテナ数は24棟まで増設しています。実際、東日本大震災のときにはキャンパス内に約800人の帰宅困難者が出たため、学内数か所の校舎に分かれて公共交通機関が復旧するまで、学校内に待機しました。もちろん、備蓄していた食糧や毛布などを提供し、安全に保護することができました。その際、アレルギーにより小麦粉でできたカンパンが食べられないというケースも発生したことを受け、現在ではアレルギー対応の食糧品の備蓄も進めています」と板垣課長。
さらに、飲料水の確保も抜かりはありません。「すぐに対応できるように、ペットボトルの水は用意しています。さらにプールの水を浄化し、5時間で1万人が1日に必要な飲料水を供給できる非常用給水設備も用意しています。屋内プールには約1000トンの水があり、この設備を使えば1万人が約1ヶ月間生活できる飲料水を確保できる計算になります」。

ほかにも、キャンパス内に30台のAEDを設置したり、キャンパスを13の避難エリアに分けて、エリアごとに無線機やレスキューキット、安否確認カードやマニュアルを配置するなど、さまざまな対策を講じています。

一人ひとりの意識を高めるために

こうした防犯・防災対策にくわえて欠かせないのが、教職員はもちろんのこと子どもたちへの安全教育だと板垣課長は語ります。
「学年や学部、エリアなどさまざまな単位で、避難訓練、消防設備の使用訓練、防犯訓練を行っています。例えば低学年では、帰宅困難になったことを想定した宿泊訓練を実施。同時に町田消防署に協力していただき、火災時の煙を模擬的に体験できる煙体験ハウスを使った訓練や、消火器の使い方、応急救護のしかたなども学びました。ほかにも、中学年では町田警察署に協力いただき不審者への対応のしかたを学習したり、高学年では青葉消防署の協力で、実際に校舎の一部に煙を充満させての緊迫感ある避難訓練を行いました」。

こうした訓練は、毎年決まった内容を実施するのではなく、各部署の必要や要望に合わせて柔軟に行っているのだそうです。
「災害時には、その状況に応じてさまざまな対応をする必要があります。そのため、決まり切った訓練をするのではなく、いろいろな状況に慣れておくことがとても大切なのです。キャンパス セキュリティ センターでは、万が一の事態に備えて万全の体制を整えてはいますが、この広大なキャンパスのすべての場所で、すべての人々に張り付いているわけにはいきません。ですから、このような訓練を数多く行い、また、その質を向上させることで、一人ひとりの意識を高めていくことが非常に重要なのです。理想的には、キャンパス セキュリティ センターがなくても大丈夫なくらい、一人ひとりに高い防犯・防災意識をもってほしいと願っています。その理想をめざして、今後もキャンパスの安全・安心づくりに取り組んでいきたいです」。と語ってくれました。