科学するTAMAGAWA 気持ちも新たに新年度を迎えるために

2014.03.25

カレンダーは毎年1月1日に新年を迎えますが、
もうひとつ、1年の区切りとして使われているものに「年度」があります。
「Tamagawa Vision 2020」を掲げ、
世界最高水準の教育活動の実現をめざす玉川学園にも、
85回目の4月がやってきます。

学生の安全・安心を支える

玉川大学では「4月1日に始まり、翌年3月31日に終る」と定められたスケジュールに則り学事が運営されています。4月は進級・新入学のシーズンですが、大学に入学するという人は、呼称が「生徒」から「学生」になり、学び方も従来までと大きく異なります。そんな新たな生活に不安を感じる人もいるでしょう。玉川大学では、不安なく学生生活を送ってもらうためのサポート機関として「玉川大学 学生センター」を設置しています。その学生センターの役割や業務などについて、学生センター長である杉本 和永(すぎもと かずなが)教授(農学部)にお話を聞きました。

学生生活を全方位的にサポート

「玉川大学には、8,000名近い学部生、大学院生が在学しています。学生センターは、すべての学生の学生生活全般における支援を行っています。大学に入学すると、まず変わるのが学修スタイルです。決められた時間割に沿って学ぶスタイルから、自ら学ぼうと思うことを見つけ自分の方法で学ぶ自学自習へとなります。通学距離や時間も長くなり、活動範囲もよりワイドになります。入学と同時に一人暮らしを始める人もいることでしょう。そうした学生生活で、悩みや困りごとが出てくるかもしれません。また、より充実した学生生活を送りたいと考えている人もいるでしょう。そんな学生の声に応えるのが学生センターなのです」。

多様化する学生生活に対し、学生センターは具体的どんな取り組みをしているのでしょうか。
「学業面において思ったような成果・成績が上げられなかったり、友人関係での悩みがあったり、健康上の不安があったり、ときにキャンパス外のトラブルに不幸にも巻き込まれてしまうケースもあります。そうした困りごとを一緒に解決していく窓口として学生相談室を設けています。職員は講習を受け相談員の資格を有し、公正中立な立場で悩み事の解決にあたっています。また、大学公認団体の課外活動のバックアップや、学生の活性化を図るためのコミュニティ団体『SUPLI(サプリ)』の活動支援、コスモス祭(大学祭)の実行委員の活動支援も学生センターが窓口となっています。さらに、学生表彰制度も実施しています。クラブ活動での実績や成績優秀者の表彰制度はこれまでもありましたが、それ以外でも、例えば、母校での指導実績や海外ボランティア、子どもの頃から続けている活動での活躍などをしっかりと評価し、表彰するものです。経済的な支援としては、奨学金制度があります。全学生を対象とした奨学金7種と大学院生対象の1種を用意し、経済状況に応じたバックアップを実施しています。また、安心して過ごせるよう学生傷害保険に加入し、授業や研究、課外活動、通学での万が一の事態に備えています。さらに、2013年度より通学に自転車を使う学生には、別途保険に加入してもらっています」。
これらと併せて、充実した学生生活を送ってもらうための啓蒙活動や、学部と連携しての初年次教育にも力を入れているといいます。

新生活を送るにあたり気をつけるべきは

では、学生はどのようなことに注意すれば良いのでしょうか。
「活動範囲や交友関係の広がりは、これまで以上に社会との接点が増えます。アルバイトもその1つに入るでしょう。すでに半分社会の中に入った状態ともいえ、事の善悪や行為に対して自己判断を求められるケースも多くなります。また、在学中に成人を迎える人がほとんどで、そうした場合、求められる責任もより大きくなります。行動・行為に対する責任があることを自覚する必要があります。ここ数年、反社会的行為を撮影し、その画像を投稿してインターネット上でトラブルになっているケースが頻発しています。そのほとんどは、行為の善悪の判断の甘さと、それをすることによって発生する事態の想像力の欠如が原因となっています。ほんの軽い気持ちであったにせよ、未成年者の飲酒・喫煙などの法令に反する行為はもちろん、反社会的な行為によって、その後のキャリアや就職にも大きく関わってくるところにまで事態が大きくなってしまうケースもあるのです。アルバイトは、労働と引き替えに賃金を得ることで働く意義やお金の大切さを知る貴重な経験になりますが、アルバイトに一生懸命になるあまり学業がおろそかになってしまっては本末転倒です」。

杉本センター長は、近年の学生間のコミュニケーションについても危機感を抱いていると言います。
「メールなどでのコミュニケーションは活発なのですが、対面したり電話でのやりとりが苦手な学生が増えているように思います。それでは社会に出たときに支障をきたす恐れがあります。会社に勤めた場合に、電話を取り次げないということも考えられます。それと、文章を書くことに不慣れな学生が多いと感じています。本を読むことで語彙を増やし、表現方法を覚えるという経験が少ないからでしょう。“自己表現”は社会に出る前から求められる能力で、それができないと就職活動で困ることがあるのです。そこで、初年次教育として、レポートや文章の書き方などを正課の授業として学部と連携して実施しています。玉川を志すのであれば、師弟同行(教師と学生がともに働き、ともに食し、ともに歌い、ともに学ぶ)の環境の中、教員や大学のシステム・設備をすべて利用して社会に出たときに役に立つ力を備えてほしいと思います」。

家庭と大学の連携がポイント

最後に、学生を送り出す保護者は何をすべきでしょうか。
「玉川大学の方針は学生、家庭、大学の三位一体です。大学と保護者が連携して見守ることが大切になります。そのためには、大学の活動に合わせて子供たちが活動しているかを確認する必要があるでしょう。大学での様子を聞くなど、家庭でしかできないこともあります。とくに一人暮らしをしている学生の保護者には、安否確認を含め定期的な連絡をしていただければと思います。社会の変化に応じて大学の役割は変わりますが、本人任せ、大学任せにしないことが大切です。確認していただきたいのは生活面だけではなく、成績についても同様です。ただし、保護者の方々が学んでいた当時と現在では教育のシステムが変化しています。出席していれば単位が取得でき進級・卒業できるというものから、評価が低い場合、進級が認められないというケースが出てくることもあるでしょう。また、1セメスター(半期)の履修単位は16単位を上限としていますが、予習・復習を含め、週48時間の学修を前提に単位の実質化を図っています。そうした状況も踏まえたうえで、子供への関心を持っていただきたいと思います」。
学生センターの活動には、“安心できる環境で充実した学生生活を送ってもらいたい”という願いと、“社会で役立つ人を育てたい”という最高学府としての大学のミッションがあるのです。