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科学するTAMAGAWA 英語力と異文化理解力、課題解決力を育む観光学部「海外留学プログラム」

2015.10.23

玉川大学観光学部では、2年次秋学期から3年次春学期にかけての1年間、
オーストラリア・メルボルンにある大学への海外留学を行い、
英語の高度な運用能力と異文化理解力や国際感覚を養います。
この留学プログラムの特徴と具体的な内容について、
観光学部の玉木栄一教授に聞きました。

留学を前提としたカリキュラム構成

「観光学部の学びは、大きく3つの期間に分かれます」と玉木教授は説明します。「まず入学からの1年半は、一般教養科目や専門基礎科目を学びながら、留学に必要な英語力を身につけます。留学に行くためには1年次終了時点でTOEIC®500点以上が必須で、そのために学生は、『英語シャワープログラム』といわれる英語の授業に毎日取り組みます。そして、2年次8月から3年次7月まで留学を経験。帰国後から卒業までの期間で、より発展的な語学の学修のみならず、英語を使って専門科目を学修することで、さらに英語力に磨きをかけながら専門知識を高めていきます」。

同時に2年次の春学期には、半年かけて留学に向けた準備にも取り組むといいます。
「一般的な留学プログラムは出国から帰国まですべて大学側が準備しますが、本学部では教員の指導のもと、入学願書の提出や入学申請手続き、ビザの取得、ホームステイの手続き、航空券の取得など、すべての手続きを学生自らが行います。こうした準備を自ら行うことで、課題解決力や自主性を養っています」。

留学先はメルボルンにあるディーキン大学、スウィンバーン工科大学、ビクトリア大学の3校から選びます。1年間の留学期間のうち、前半20週間は附属の語学学校で英語教育を受け、後半の15週で各大学の学部準備課程(Diploma)または、学部課程(Bachelor)で専門科目を学ぶそうです。
「この留学プログラムはオーストラリア連邦政府ならびにビクトリア州政府の協力により、スタートしました。そもそも留学先としてメルボルンを選んだのは、治安が良く、留学生の受入体制も整っているからです。その中でもこの3大学は大学附属の英語学校を設置しており、高度な英語力を身につけたい学生にとっては最適の環境となっています。また、各大学にはそれぞれ個性があり、学べる内容も多彩です。ディーキン大学は100以上の学部・大学院プログラムがある総合大学で、全体的に非常にハイレベルです。スウィンバーン工科大学は100年以上の歴史を持つ伝統校で、とくに工学分野では世界的な評価を得ています。ビクトリア大学は、11のキャンパスと約47,000人が学ぶ総合大学で、経営学部に観光とホスピタリティ専攻があるのが特徴で、観光の基礎を英語で学べるようになっています」。

アクティブな学修機会も提供

留学期間中には、玉川大学が提供する2科目「海外インターンシップ(インターンシップA・B)」と「国際研究(国際研究B・C)」にも毎学期取り組みます。
「海外インターンシップは各大学で内容が異なります。ディーキン大学では、前期にエコツーリズムの視点から有機農業についての講義・実習を受け、後期には実際に接客などを行う実地研修に取り組みます。スウィンバーン工科大学では、前期に旅行企画についての講義・演習と体験旅行を経た後、後期にはホテルでの業務研修に取り組みます。研修プログラムの中で、バリスタ講習を受け資格を取得することもできます。ビクトリア大学では、前期に食品衛生・バリスタトレーニング・B&B(ベッド&ブレックファスト)体験などのホスピタリティ業に関連する研修を受け、後期には日本人会と日本商工会議所が主催する夏祭りの企画運営にあたります。実際に現地でイベントマネジメントに関わる仕事に触れることで、異文化理解を深めるとともに、海外で働く実感を得られる機会となっています」。

インターンシップ時に

一方の国際研究は、現地視察やインタビュー、アンケート調査などを通して、自分なりのテーマを見つけてレポートを作成するもの。
「例えば、『オーストラリア人の日本に対する印象をアンケート調査し、マーケティングに活用する』『英語学校の留学生にインタビューを行い、国による考え方の違いを比較する』といったレポートがありました。こうした研究を通して、課題発見・解決能力を高めていくのです」。

大きな苦労が大きな自信を授ける

ビクトリア州政府主催 留学生歓迎会

では、現地で学ぶ学生の様子はどのようなものなのでしょうか。玉木教授は次のように話します。
「玉川大学で1年半英語を学んだ学生は、ある程度の自信を持って留学に向かいます。しかし、メルボルンに着いた当初は、教室で学ぶ英語と現地で実際に話されている英語が、ぜんぜん別ものと感じるようです。ホームステイ先のホストファミリーとの簡単なやりとりさえできず、自信を喪失する学生も散見されました。また、英語学校から課される課題も多く『人生で一番勉強した』という学生もいるほど。最初の1ヵ月くらいは、多くの学生から悲鳴に近い感想が聞かれます」。

それでも悪戦苦闘するうちに次第に慣れ、英語学校での20週が終わる頃には多くの学生が、英語でのレポート作成やディスカッションにも自信が持てるようになるそうです。

留学時のノート

「ただしその後も大変です。英語学校と違い学部準備課程や学部課程では、現地の学生と専門科目について議論を交わさなくてはなりません。最初は議論についていくのも難しいでしょう。しかし必死で食らいついていくことで、次第にクラスにも慣れ、友人もでき、やがては楽しみながら学べるようになっていきます。このような経験を通して英語力が向上するのはもちろんですが、誰も助けてくれない環境で自分なりに何とかしようと努力することは、学生に課題解決能力や積極性、そして大きな自信を授けてくれるようです」。

その証拠に帰国後は、学生の積極的な発言や行動が増えたといいます。
「自分から学会に参加したいという学生、玉川大学の大学祭であるコスモス祭で、自分の留学経験について発表したいという学生も多くいました。また、将来のことを考えて、外資系企業や大手ホテルのVIPルームで英語を活かしたアルバイトを始めたり、米国大使館でのインターンシップに応募をした学生もいます。留学を通して、学びや将来に対するモチベーションが大きく高まったのだといえるでしょう」。

日本で、世界で、活躍できる人材に

留学を経験し、高い英語力と異文化理解力、国際感覚を身につけた学生の活躍の場は、今後ますます増えていくと玉木教授は話します。

「これからの日本では、東京オリンピックをはじめ国際会議や国際イベントなどが増え、訪れる外国人はさらに増加するでしょう。観光学部で培った経験は、こうした外国人観光客に対応する仕事に、まさに最適なものだといえます。また、近年はメーカーなどもどんどん海外へ進出しています。観光学部で磨いた高い英語力や課題解決力は、そうした観光以外の分野でも十分活かせるものになるはずです。オーストラリアは移民の国ですから、多種多様な異文化に触れることができます。そうした人たちとともに暮らし、さまざまな国からやってきた留学生たちと交流して得た異文化理解力は、海外で働く上で大きな武器になるでしょう。日本だけでなく、英語圏をはじめアジアやアフリカなど世界各国で、本学部の卒業生に活躍してほしいと願っています」。

学生のコメント

熊谷百花さん 観光学部 観光学科3年 ビクトリア大学へ留学

留学前に「1ヵ月で耳が慣れ、3ヵ月で話せるようになる」と聞いていたのですが、私は3ヵ月経っても話せず、一時はすごく落ち込みました。そこで、「もっと話すことを楽しんでみよう」と考え、土日などを利用して積極的に外に出かけるようにしました。すると急に英語力が伸びて、会話ができるようになったのです。
ただ、学部課程の授業はレベルが高く、授業もグループワークなどが主で、常に自分の意見を求められるのも苦労しました。それでも最後の方は、現地の学生とディスカッションもできるまで成長。英語力以上に、積極性や自分の意見を主張する勇気が必要だと実感しました。
いちばん思い出に残っているのは、海外インターンシップで夏祭り運営のチームリーダーを務めたことです。日本文化を伝えるために、日本からうちわを輸入し、来場者の名前を当て字の漢字で書いて販売しました。現地の人と初めてしっかりとコミュニケーションできたことが、すごく嬉しかったです。

田島佳奈さん 観光学部 観光学科3年 スウィンバーン工科大学へ留学

観光には興味があったのですが英語は苦手で、留学先の英語学校ではテストや提出したレポートも散々な結果。早くに挫折を味わいました。でも、それがきっかけで「もっと勉強しよう!」と決意を新たに。すると、次第にコミュニケーションが取れるようになってきました。
学部課程では数学や会計の専門科目を学修しました。もともと数学は好きだったので、学部課程の授業はそれほど苦労なく学べました。ただ、現地の学生が使う英語は文法どおりではなく、なかなか理解できませんでした。そこで大きかったのが、チアリーディング部に入ったこと。現地の学生と密に交流することで、ネイティブの言葉遣いや話すスピード、考え方の違いなどにも次第に慣れることができました。州の大会に出場し2位になれたのも良い思い出です。
将来は、英語を使って日本に外国人観光客を受け入れる仕事、あるいは、外国で日本人観光客を誘致する仕事を手がけてみたいと考えています。

飯島央玖斗さん 観光学部 観光学科3年 ディーキン大学へ留学

私が目標にしていたのは、留学中に多くの友達をつくることでした。しかし、異なる言葉を使う人に話しかけるのを恐れて、なかなか一歩を踏み出せませんでした。そんなあるとき、現地のバスツアーに参加したのですが、一人旅をしている女子学生同士が、初対面にもかかわらず仲良くコミュニケーションを取っている場面に出会ったのです。それを見て「自分も積極的に行動しなくては」と実感。大学の部活を5つ掛け持ちして、さまざまな国籍の人たちと交流するようにしました。
すると、次第に日本語と同じ感覚で英語を話せるようになり、友達も多く持つことができました。その友達とは今でも連絡を取り合っています。さまざまな国の人が話す英語に触れられたこと、そして、海外に一生の友達ができたことが、この留学のいちばんの収穫だったと思います。
この経験を活かして、将来は航空業界か旅行業界で働きたいと思っています。

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