缶詰作りを通して農業と工業について学ぶ。 5年生がミニトマトの缶詰作りに挑戦しました。

2016.03.10

2月24日(水)、5年生が農学部のフードサイエンスホールで缶詰作りに挑戦しました。このプログラムは社会科の体験学習で、希望者が参加するというもの。5年生から8年生の社会科を指導してる土本英夫先生の発案により、企画されました。
中学校の入学希望者を対象としたオープンキャンパスを担当している土本先生は、体験学習として入学希望者にフードサイエンスホールでのアイスクリーム作り体験を行ってきたのですが、「これを在校生にも体験させ、社会科教育に生かしたい」と考え、農学部生産加工室の植田敏允先生と馬場直子先生に相談したそうです。生産加工室で学ぶ農学部の学生にとっても指導をする良い機会になるということで、プログラム内容を学生たちが考え、体験学習が実現しました。

この日挑戦したのは、ミニトマトの缶詰作りです。自分で買ってきたミニトマトを持参してフードサイエンスホールに集まった5年生の児童たち。エプロンを身につけ、手を念入りに洗い、準備も万端。まずは土本先生による授業からスタートします。缶詰の歴史や生産量、さらに物流や農業技術といった先生の説明を、真剣に聞く児童たち。缶詰に関する理解を深めたあと、今回のプログラムを担当した福田幸菜さん(農学部生命化学科2年)による工程の説明がありました。この日の手順や材料の分量などは、すべて福田さんを中心とした学生たちが考えました。ミニトマトの缶詰作りは、まずトマトを洗ってへたを取り、湯むきをして、トマトジュースと一緒に缶に詰め、熱湯で蒸して殺菌と同時に缶の空気を十分に抜きます。衛生面だけでなく、お湯を使ったり缶に蓋をする専用の機械を扱うため、細かな注意が必要です。

いよいよ缶詰作りがスタート。グループ毎に担当の大学生の注意点をよく聞きながら、使った道具も片付けつつ作業は進みます。トマトの皮を湯むきし、決められた分量通りに詰めて、自分たちがよく目にする缶詰ができあがっていく様子に驚きの声をあげる児童たち。トマトを詰めた缶に蓋をして蒸し上げれば完成です。
蒸した缶詰が冷えるのを待つ間、土本先生の授業の続きが行われました。「同じトマトの缶詰でも、88円のものもあれば600円の缶詰もあります。その理由を考えてみましょう。価格は材料費、労務費、経費に利益を加えて決められますが、みんながきょう作った缶詰はいくらで売りたいですか?」という土本先生の問いに、300円、600円といった意見があがります。「でも、かかった金額だけでなく『いくらなら売れるか?』を考えるのも大事。そうやって値段を考えることが、経済なのです」と土本先生。5年生の児童も缶詰作りだけでなく、多くのことを学ぶ機会となったようです。終了後には「もともと工場見学などが好きだったけれど、同じような体験を玉川学園でできてとても楽しかった」といった感想が聞かれました。オリジナルのラベルが貼られた缶詰は、それぞれが持ち帰り、料理に使います。

「今回は私が担当する社会の体験学習ということもあり、農業と工業についての知識を深められるミニトマトの缶詰作りを行いました」と土本先生は話します。5年生から8年生では理科ではプラネタリウム体験、国語科では朗読劇鑑賞を、教科毎に教科発展型の活動を行っており、社会科でも何かできないかと考えていたそうです。「缶詰作りであれば農業と工業の2つの視点からみることができると考えました。農学部の先生方も学生の皆さんも非常に協力的で、とてもいい経験になりました。来年度は、5年生の社会科の稲作の学習を座学だけでなく、田起こしから稲刈りまで体験したいと思っています」。

指導役の福田幸菜さんも「対象が5年生ということだったので、たとえばトマトの湯むきの際にも包丁ではなくフォークを使うなど安全性を考慮したり、手順の説明の際にも分かりやすい言葉を使うよう心がけました。指導法を考える過程で、普段学んでいることを理解し直す良い機会になりました」と、語りました。体験学習は5年生の児童はもちろん、大学生にも有意義な体験となりました。