玉川学園吹奏楽部(5-9年生)がアメリカで行われる国際的な音楽の祭典ミッドウエスト・クリニックに出演します

2016.10.19

玉川学園で伝統あるクラブ活動の一つ吹奏楽部。玉川学園吹奏楽部(5-9年生)は全日本吹奏楽コンクールでは1974年の東京支部大会銀賞受賞を皮切りに、全国大会でも2度金賞を受賞しています。こうした活動が評価され、この12月、アメリカで行われる世界的な音楽カンファレンス、ミッドウエスト・クリニック(Midwest Clinic)に招待され、参加することになりました。

中学校部門では日本で初めての招聘

玉川学園吹奏楽部(5-9年生)は、世界最大といわれる音楽の祭典ミッドウエスト・クリニックから招聘され、12月14日から行われる第70回大会に参加するため、5年生から9年生まで部員66人が12月11日、アメリカ・シカゴに出発します。

このミッドウエスト・クリニックは1946年にアメリカの意欲的な中学高校の吹奏楽の指導者が始めた講習会ですが、それが70年の歴史とともに発展し、アマチュアだけでなくプロにも、また、ジャズやオーケストラまで対象を広げ、全米のみならず世界中から15000人もの人々が集まる世界でも有数の音楽の祭典へと発展しました。

催しの中心は選ばれたバンドのさまざまなコンサートやクリニックでの研究発表が中心ですが、会場には世界中の楽器メーカーや楽譜出版社がブースを設け、新しい楽器や新曲の楽譜が並びます。また、作曲家もこの機会に新曲を発表するなど、実力のあるバンドや指導者が一堂に介し、お互いに高め合う研鑽の場です。

70回記念大会の今回は12月14日から17日まで、アメリカ・シカゴのマコーミックプレイスで開催されます。日本からの参加は玉川学園吹奏楽部(5-9年生)と東京藝大ウィンドオーケストラです。中学校部門で参加者を探していたミッドウエスト・クリニック実行委員会の要請に玉川学園吹奏楽部(5-9年生)が推薦され、演奏の様子を録画した映像が審査された結果、クリニックへの招聘が決まりました。

中学校部門での日本からの参加は玉川学園が初めてです。また、玉川学園吹奏楽部(5-9年生)が海外で演奏するのはオーストラリアで行われた環太平洋私学国際会議に次いで2回目です。

吹奏楽部の基礎となる玉川の音楽教育をプレゼンテーション

今回のミッドウエスト・クリニックでは40のコンサートと90のクリニックがあります。玉川学園のコンサートは12月15日18時15分から。11曲を演奏する当日のレパートリーの中で「インヴィクタ序曲」では、ゲストコンダクターにこの曲の作曲者スウェアリンジェンさんをお迎えします。作曲者自身の指揮による演奏は部員たちにとっても、忘れられない記憶になるでしょう。また、ミッドウエスト・クリニックの最高責任者であるクレーン会長の指揮による演奏もあります。

翌16日の朝8時30分から行われるクリニックでは “The Joy of Band!”と題して、「歌に始まり、歌に終わる」玉川学園の音楽教育を背景にした吹奏楽部の活動を音楽科の教員で吹奏楽部顧問の土屋和彦教諭がプレゼンテーションをします。

「音楽が日常にあふれている玉川学園では、普段何げないところでも児童や生徒が歌を口ずさみ、響き合っています。その経験が、楽器演奏の楽しさ、音楽の楽しさにつながっています。気軽に響き合うことで日常的に聞く力が鍛えられ、感性も養われます。音楽にはそれが大切な要素です。芸術によって、バランスのいい人間が育まれます。玉川学園は音楽を幼小中高から大学も含めて大切にしていますが、その一場面が吹奏楽部の活動です。そして、この環境が日常的にあるからこそ、いい演奏が生まれます。これを伝えないと、玉川学園の吹奏楽部は語れません」

また、玉川学園では吹奏楽部のクラブ活動とは別に週2時間の自由研究のテーマの一つにも「吹奏楽」があり、ここでは演奏以外、作曲や作曲家について、楽器についてなどを生徒たち自ら研究しています。この自由研究で学び「フルート三重奏」を作曲した吹奏楽部員もいます。

日常の音楽、自由研究、クラブ活動がそれぞれに関係性をもって、生徒の音楽性を高めていく玉川学園の教育環境をプレゼンテーションします。

讃美歌を題材に、歌うことからハーモニー、アンサンブルへ

プレゼンテーションでは生活の中にある音楽として讃美歌を取り上げ、生徒が歌い、それをパートに分けて響き合い、また、さまざまな楽器の組み合わせによるアンサンブルに発展させて、どんな場面でも身近に音楽が楽しめることを紹介します。

「演奏も歌うことと同じように、楽しみながら体の中から行うことが大切です。玉川学園ではこれを日頃から行っています。そこから生み出される感性をベースにした玉川学園の吹奏楽部の取り組みを紹介していこうと考えています」  その展開例に使う楽譜づくりを、土屋教諭と作曲が専門の田村教諭が進めています。

「ちょうどクリスマスシーズンなので、『聖しこの夜』や『クリスマスキャロル』『もろびとこぞりて』などを選曲しました」これらの楽譜はクリニックに参加した指導者から全米や世界に広がっていくでしょう。

ホームステイやシカゴ交響楽団のコンサート鑑賞も

吹奏楽部の一行は成田を出発後、シカゴ近郊のスコーキーに2日間滞在。ここでは現地の吹奏楽の盛んなOliver McCracken Middle Schoolの吹奏楽部員の家庭にホームステイをします。2日目の夜には近郊のNiles West High Schoolにおいて、日米交流コンサートと称してホームステイ先のみなさんを招き演奏します。

そして、クリニックの会場マコーミックプレイスのあるシカゴに移動。クリニックの会場では世界中の楽器メーカーのブースで憧れの楽器を試奏したり、無料で配られている軍楽隊の演奏のCDを手にするなど、ミッドウエスト・クリニックならではのイベントも見逃せません。クリニックの後にはシカゴ交響楽団のクリスマスコンサートやシカゴ美術館の見学も行程に含まれ、部員たちには忘れることのできない思い出になるでしょう。

出発を1か月後に控えた11月3日には、University Concert Hall 2016で壮行演奏会(開場:17時、開演17時30分)が行われます。この演奏会ではクリニックのコンサートで演奏される曲も披露される予定です。

玉川学園吹奏楽部(5-9年生)「オータム・コンサート」

日時:2016年11月3日(木・祝)17:30~
会場:University Concert Hall 2016

プログラム等詳しくはこちらから

渡米前には吹奏楽コンクール全国大会への出場も

ミッドウエスト・クリニックへの準備が進む一方で、例年、参加を続けている吹奏楽コンクールでも東京都大会で金賞を受賞、10月22日に名古屋で行われる全国大会の出場が決まりました。

昨年秋にミッドウエスト・クリニックへの参加が決まり、着々と準備を進めてきました。「ミッドウエスト・クリニック参加のためにも、1回戦では負けられない」「吹奏楽コンクールでいい成績を残したい」そんな思いを胸にのびのびした演奏で東京都大会を突破しました。

「この吹奏楽部はコンクールの演奏でも演奏会のような演奏していると評価されます。賞を獲りにいくのではなく、部員には自分たちが今できる最高の演奏をしようという気持ちが強く、その中でのびのび演奏しているところが部の特色でもあります」と顧問の土屋教諭は語ります。「去年全国大会に行けなかったので、生徒たちはとても楽しみにしています」と続け、部員たちは自分たちが今できる最高の演奏を行うために、日々練習を重ねています。

学園にあふれる音楽と一貫教育の可能性

幼稚園から12年生まで、さらに大学へと一貫教育の行われている玉川学園、吹奏楽部(5-9年生)の部員は66人が在籍。部には5年生から入部が可能で、現在、5年生が3人、6年生が11人在籍していて、吹奏楽コンクールの全国大会で演奏するメンバーの中にも5年生が1人、6年生が2人含まれています。楽器演奏については初心者の入部がほとんどですが、5年生から9年生までと在籍期間も長く、また、年齢の幅も広いので、上級生の面倒見のよさも手伝って、部内のコミュニケーションを高め、演奏技術の習得にもつながっています。

また、クラブ活動とは別に、現在展開している延長教育プログラムで1~2年生のマリンバ教室、3~4年生のトランペット教室など、音楽への関心を持つきっかけづくりのための環境も充実しています。さらに3・4年生対象にクラブ活動に入る前の段階として、吹奏楽教室も月2回開催しています。

「楽しくやっていると、児童・生徒の心が開きます。そうすると、彼らは『もっとやってみたい』と練習する意欲が自然とわいてきます。そういった気持ちをどう育てていくかというと、友達と楽しく歌う、楽しく響き合えるような環境があること、つまり生活に音楽が密着している、音楽が身近にあるということが本当に大切です。」と、土屋教諭。

「歌に始まり、歌に終わる」玉川学園だからこそできる音楽教育は、まさに「音」を楽しむことで豊かな人間性や感性を育んでいくことです。今回のミッドウエスト・クリニックでの演奏やプレゼンテーションは、そんな玉川音楽を世界に知っていただく大きな機会と言えます。

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