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アクティブ・ラーニングに触れる最初の一歩「MMRCを探検しよう」

2017.03.15

学園MMRC(マルチメディアリソースセンター)は幼稚部から12年生の園児、児童、生徒のためのマルチメディア図書館です。従来の図書館機能に加えて、音や映像などのメディアを活用できる設備を整え、児童・生徒の学習をサポートしています。このMMRCでは毎年、2年生の児童を対象に、子供たちがこれからの学習活動などに積極的に使えるように楽しく使い方を体験する「MMRCを探検しよう」を行っています。

2年生がワクワクしながら学ぶ図書館の使い方

「どんなところかな」。「どんな本があるのかな」。担任の先生と一緒にMMRCに向かう2年生は初めての体験にワクワクしています。
MMRCに着くとまず、ガラスで仕切られた大きなモニターのある「マルチメディアシアター」に入り、5~6人のグループに分かれます。そして、一人ひとりに「MMRCたんけん」と書かれた二つ折りのカードが配られました。
この日、2年生が探検するのは「アトリエ」「カウンター」「ブックエリア」「夢への扉」「えほんエリア」の5つのコーナーです。カードには5つのコーナーが描かれた地図があり、それぞれのコーナーでクイズに答えると、秘密のシールがもらえます。
説明を聞いたら、いよいよ探検がスタートです。グループごとに「アトリエ」「カウンター」「ブックエリア」「夢への扉」「えほんエリア」に出発します。

(左)「MMRCたんけん」のカード
(右)5つのコーナーでもらった秘密のシールは「ゲンボウ」の福笑いでした

「アトリエ」では「よみおわった本はどうする」「本をよごしてしまったときは」など、図書館の使い方やマナーについて。「カウンター」では、図書の借り方についてクイズに答えます。「えほんエリア」では、好きな本を選んでタイトルを葉っぱの形のカードに書きました。
探検を終えた2年生は「マルチメディアシアター」に集まり、コーナーごとに集めた5枚の秘密のシールをカードに貼ってみます。秘密のシールを1枚ずつ貼り合わせると、玉川学園のマスコット「ゲンボウ」になっていきます。
最後に子供たちが書いた葉っぱを集めた「えほんの木」を持って記念撮影。「えほんの木」を見れば、クラスメイトのおすすめの本や読みたい本がわかります。児童たちは、本への思いを膨らませて低学年校舎に帰ります。

担任の菅教諭に誘導されてマルチメディアシアターに入るさくら組の児童
探検の方法を真剣なまなざしで聞く児童たち
アトリエでは本の扱い方やマナーに関するクイズに答えました
夢への扉のコーナーには学習のヒントになるような本がたくさん
「MMRCの中では走ってもいいの?」クイズに答える2年生
クイズに答えると、宝の箱の中から、秘密のシールがもらえます
ブックコーナーには本がたくさん。読みたい本をどうやって見つけるの?
カウンターでは本を借りる時に必要なもの、借りられる本の数、期間を学びました
えほんコーナーでは葉っぱに好きな本の名前を書きました
探検が終わって、集まった秘密のシールを貼ってみるとゲンボウに。えほんの木もできました

学年に応じたガイダンスで「学びの技」につなげる

高学年校舎の2階にあるMMRC

「MMRCは低学年校舎から離れているため、保護者や先生と一緒でなければ利用できません。そのため2年生はMMRCに来る機会が少ないのですが、少しでも早い時期から図書に興味を持ち、MMRCに親しんでほしいと、毎年MMRCの利用ガイダンスとして、この活動を行っています」と、MMRCの伊藤史織司書教諭は「たんけん」の趣旨を説明します。

「どうすれば児童・生徒が図書やMMRCに親しみ、学習や自由研究に活用できるようになるか」、MMRCでは学年に応じて指導を行っています。
「今回の2年生はマナーや利用の仕方の話が中心でしたけれど、3年生になると図書の探し方がメインになって、日本十進分類法(NDC)など、本の並び方を具体的に説明し、実際に館内を回ってみます。これは4年生になると、週1回放課後に図書を借りに来る機会があるので、そのためのプレガイダンスの意味もあります。5年生になるとパソコンの借り方や、パソコンをどう使うかというテーマが盛り込まれます。iPadも借りることができます。」
一度で理解できるものではないので、何度も繰り返し「そういえば、こんな探し方だったな」というのを思い出しながら、少しずつ使えるようにしていきます。

プレゼンテーションや映像を見ることができる防音設備の整ったマルチメディアシアターをはじめ、さまざまな図書館の機能が集約されたMMRC。曲線を生かした空間設計で、居心地のいい空間です
日本十進分類法に基づいて図書が整理されたブックエリア。さまざまな年代に向けた図書が配架されているのが特徴です

そして、9年生で行われる「学びの技」の授業は、1年間を通じて70時間程度、このMMRCで行われます。この科目は学習スキルを身に付けることを目的としており、MMRCの図書や機器をフルに生かして、調べ方、まとめ方、論文の書き方をしっかり学び、全員がプレゼンテーションを行ったり、論文を書くという経験をします。自由研究で論文を書く時のための基礎講座の役割も持っています。「9年生はMMRCのあるこの高学年校舎で授業を行う最初の学年です。ヘビーユーザーとなる第1学年となるので、かなりしっかりと使い方を教えます」
幼稚部から12年生までを対象としているので、館内の表記はひらがなと漢字を併記していたり、子供向けのものから先生が教材として使うようなものまで、分類ごとに図書が並んでいることもMMRCの特徴です。「9-12年の生徒も自分の求めているレベルで選べたり、1-4年の児童ももっと詳しいものを見つけることができるなど、K-12の図書館のよさがあると思います。9-12年の美術の授業でも『一人の芸術家についてリサーチする際などは、自分のレベルに応じた本が選べるので理解を深めやすいようだ』など、先生方から使いやすいとの声をいただいています」。

子供たちの多様な学習を叶える場所に

MMRCでは、1-4年の児童にわかりやすくMMRCの利用法を効果的に伝えるため、今回の「MMRCを探検しよう」のようにゲーム形式を考え、このスタイルで3年前から行っています。

「MMRCの学習活動は人が支えている部分も大きいと思います。多くの学校図書館は普通、司書教諭1人の配置ですが、ここにはMMRCの学習を支えるチームがあるので、いろいろなアイデアが生まれ、こうした劇場型のガイダンスもできます」。

さくら組の教室に貼り出される「MMRCを探検しよう」で作ったえほんの木

子供たちとMMRCが関わる頻度を増やしたい。「本と関わる機会を増やしたり、ガイダンスや利用指導など、学年に応じた取り組みを通してMMRCや図書館を上手に使える人を育てていきたいと考えています。多様な学習活動を叶えられる図書館でありたいので、いろいろな仕掛けを用意したいと思っています」

2年生の児童が作った「えほんの木」は低学年校舎に持ち帰って、教室に貼り出されます。そして、子供たちはこれを見る度に、楽しかった「MMRCを探検しよう」を思い出すでしょう。
本との出会い、情報との出会いから広がる知への関心。玉川学園のアクティブ・ラーニングの原点の一つがMMRCにあります。

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