病院内でコンサートを開催することでの社会貢献。芸術学部の学生がプロジェクト型授業として取り組みました。

2017.08.01

七夕の7月7日(金)、川崎市麻生区の新百合ヶ丘総合病院において、「光のヒーリング・コンサート」が開催されました。これは芸術学部メディア・デザイン学科の「プロジェクト型授業」として行われたもので、芸術の社会貢献を目的に産学連携の形式で制作プロセスを学ぶ、玉川大学芸術学部の特徴的な授業の一つです。
指導を担当する田中敬一教授は、これまでにも「羽田空港第2旅客ターミナル 徹夜取材」「日本航空 整備工場取材」「豪華客船飛鳥Ⅱ 乗船モデル取材」「銀座三越 屋上イルミネーション制作」などのプロジェクト型授業を産学連携で実施しています。昨年は、新百合ヶ丘総合病院で電飾のオブジェを使ってイルミネーションの展示を行いました。こうした活動を通して、学生たちは教室での授業だけでは得られない実践的な学びをしています。実際に、「この授業があるから玉川大学芸術学部を志望した」と語る学生もいます。

この日のプログラムはレーザー・アーティストとしても国内外で活躍している田中先生と、作曲家・音楽理論家としても知られる芸術学部の高岡明教授の共作による、マルチメディア作品の発表です。これは発表会当日の2週間ほど前に、ニューヨークで開催された国際マルチメディア芸術祭で見事入選を果たした作品です。プロジェクト型授業を履修している学生たちは、日頃は作品制作・発表に取り組んでいますが、この日のコンサートではサポート役として運営に携わりました。

コンサートは新百合ヶ丘総合病院内のSTRホールで午後0時30分から行われました。日頃から患者さんを対象としたコンサートなどのイベントを数多く開催していることもあり、250席用意された客席はほぼ満員に。このコンサートは東京オリンピック・パラリンピック組織委員会から、東京2020参画プログラムとしての承認も受けており、麻生区長をはじめとした来賓の方もいらっしゃいました。
初めに田中先生が今回作品発表を行うきっかけとなった、自身の入院時に「入院という単調な生活に心地よい刺激を提供したい」と感じた経験を話しました。そしていよいよ作品の発表が行われました。この作品では、高岡先生が制作した自動作曲プログラムによる環境音楽のような静かな曲が演奏され、それに合わせて田中先生による浮遊するような動きを見せる光が映し出されました。田中先生が作り出す光はグリーン、ブルーとホワイトを中心に構成されていて、観客の気持ちを癒すような演出で、終了後には大きな拍手が送られました。

今回のコンサートでは、学生たちは裏方に徹し、企画段階から担当者との打ち合わせ、案内用のリーフレットの制作や会場作り、受付などのプロセスを担当しました。参加した学生に、話を聞いてみました。

2年・白木沙理可さん

「今回は先生の作品発表のサポートを担当しましたが、スタッフ一人ひとりが自分の役割を全うしないと作品は成立しないのだと感じました。私自身はアートディレクターのような仕事に就きたいと思っているのですが、多くのスタッフと一緒に活動する際の仕事の進め方や段取りの重要性に、今回の授業で気付きました」

2年・吉田珠理さん

「運営スタッフとして受付を担当しました。お客さまと接してみると、トイレの場所なども聞かれるなど、現場だからこそ学ぶことも多いですね。私は空間演出の分野に興味があってプロジェクト型授業に参加したのですが、今回の経験を通してリーフレット制作など広報制作の仕事にも面白みを感じるようになりました」

2年・山口和音さん

「CM制作などに興味があるので、プロジェクト型授業がどのように進むのかを映像として残すという記録係を担当しています。記録としての撮影は取り直しが利かないドキュメンタリーなので、先の展開を予測しながら撮影するようになりました。私が撮影した映像はオープンキャンパスでも上映される予定です」

4年・菊地桃佳さん

「2年次からすべてのプロジェクト型授業に参加しています。作品制作に限らず、キャスティングや細かな部分の手配など、多くのことを学ぶことができたと思います。アートの分野だけでなく、一般企業に進んでも大いに役立つ経験を身につけることができました」

4年・松本萌花さん

「これまでもプロジェクト型授業に参加してきましたが、今回のような『ライブ』は初めての経験です。一度に多くのお客様と接する際の対応など、今回も現場だからこそ学べることが多かったです」

学生たちは、クリエイターではなく運営スタッフとして参加することで、創作活動に何が求められるのかを客観的に知ることができたようです。今回のプロジェクト型授業でも学生たちは経験値を高めたことでしょう。