企業の方を招いてのオリエンからプレゼンまで。芸術学部の学生が新校舎建設場所の仮囲いのデザインワークに取り組みました。

2017.12.22

企業や行政との産官学連携から、さまざまな実践的な学びに取り組んでいる玉川大学。今回、芸術学部メディア・デザイン学科の橋本順一教授のゼミにおいて、STREAM Hall 2019建設に伴う工事用仮囲いのデザインワークに取り組むことになりました。これらの施設は、農学部、工学部、芸術学部の融合から学際的な学びを創出する場として建てられます。2017年1月にSTREAM Hall 2019の建設が予定されており、2020年4月の運用開始をめざしています。

この授業は今年度の春セメスターからスタートし、夏休み前には仮囲い設置に関わる企業の方を招いてプレゼンテーションを実施。ここではそのプレゼンテーションに至るまでの過程をお伝えしていきます。

STREAM Hall 2019

まず、4月26日(水)にはサインやディスプレイも手がける丸善雄松堂、アプリ制作などを行うシーコム・ハクホー、大日本印刷の皆さんにお越しいただき、コンセプトワークなどについてのオリエンテーションを受けました。大日本印刷の方から空間ディスプレイに関するさまざまな事例の説明を受けた上で、「仮囲いはどんな季節に設置されるのか? 誰が通るのか? そして最終的にどのような場所になるのか?を考えてコンセプトを立案することが大切」ということを学んだ学生たち。またシーコム・ハクホーの方からはアプリやARの活用事例も聞くことができました。学生たちは、この日のオリエンテーションを参考にして、コンセプトやデザイン案を考えていくことになります。

4月26日 オリエンテーションの様子

また5月17日(水)には、カッティングシートを製造している中川ケミカルの方をお招きし、仮囲いのデザインにも生かせるカッティングシートの活用法についてのレクチャーを受けました。加工が容易なことで知られるカッティングシートは、屋外でも退色しないことから看板やラッピングバスなど、さまざまな分野で使用されています。この日は用意されたカッティングシートを使って、非常口や飲食禁止といった建物内のサインデザインの作成に挑戦。実際に体験してみることで、加工が容易なデザインや難しいデザインを学びました。

5月17日 カッティングシートワークショップの様子

このような過程を経て、7月26日(水)には仮囲いデザイン案の発表会が行われました。この日は新たな施設に入る農学部、工学部、芸術学部それぞれの学部長に加えて、これまでレクチャーを行ってくださった企業の皆さんにも参加していただきました。
学生たちはこの発表会に向けて授業以外でも打ち合わせを重ねてきました。その中で、「意外と自分たちは他学部のことを知らない」ことに気付き、農学部や工学部を見学。さらに玉川学園の歴史を理解するために小原記念館へも足を運びました。こうして導き出された仮囲いのコンセプトが「The three eggs associate a New ~ここは未来を温める卵だ !!~」です。そしてこのコンセプトをベースに、学生たちは「NOW」と「FUTURE」の二つのチームに分かれ、それぞれの案の骨子をまとめていきました。

最初にプレゼンテーションを行ったのはNOWチームです。仮囲いのコンセプトから導き出されたデザインコンセプトを「見て! 触って! 楽しい! 仮囲い!」とし、ARを活用して今回の建物が建つ場所の歴史を視覚的に認識させたり、SNS映えを意識して写真を撮りたくなるデザインにしたり、触感のあるカッティングシートを使用することを提案。この案に沿って、四季や三学部をイラストで表現したり、写真を撮る際の背景に最適なデザインにするといった案が提示されました。

デザインの一例

次のFUTUREチームは、「STORY」をデザインコンセプトに定めてプレゼンテーションを行いました。容易に貼り付けたり剥がしたりしやすいカッティングシートの特性を生かし、どのような建物が建ってほしいかのアンケートに活用したり、黒板素材のカッティングシートで学生にも自由に描いてもらうといった案、さらに3学部の学びの内容を表現した写真を卵形に切り抜いて貼るといった案が提示されました。

デザインの一例

それぞれのプレゼンテーション後には、参加者から「(NOWチームに対して)3学部が融合している点をもう少し表現できないか?」「(FUTUREチームに対して)卵形に切り抜くのではなく、STREAMという文字の形に切り抜くのも面白いのでは?」といった質問や意見が投げかけられ、それら一つひとつに対して学生たちはしっかりと答えていました。

各学部の学部長からも「仮囲いを卵の殻と捉える案は面白いと思いました。この殻の向こうで何ができるのだろうとワクワクさせるのではないでしょうか(農学部長・小野正人教授)」、「NOWチームのSNS映えは話題になると思うし、FUTURE チームの案もメッセージ性が強く、両方とも魅力的(工学部長・相原威教授)」、「ぜひ、高校生がワクワクするような仮囲いにしてほしい(芸術学部長・小山正教授)」といった感想が聞かれました。

一方でプレゼンテーションを行った学生は「実際に企業の方を前にすると緊張してしまい、思うように伝えることができなかった」、「コンセプトとデザイン案だけでなく、それらを繋ぐ過程についても説明をしないと、説得力に欠けると思った」、「もっと説明をシンプルにしたほうがよかった」といった反省や、「今回のプレゼンテーションでの経験から、クリエイティブな発想を実現可能な範囲に上手く落とし込んでいくことを身につけたい」といった今後の課題も話していました。日頃からプレゼンテーションを行っている企業の方々に向けて発表を行ったことは、学生にとっても大きな経験になったのではないでしょうか。
今回、芸術学部の学生が提案した仮囲いのデザインは、幾つかの案に絞られた上で小原学長に提案し、最終決定します。そして仮囲いに学生たちが考えたデザインが設置されるのは2018年1月頃。学生たちの意欲的な作品を、ぜひご覧ください。