玉川大学・玉川学園Webサイト
IEサポート終了のお知らせ

玉川大学・玉川学園webサイトTOPページリニューアルに伴い、Microsoft 社の Internet Explorer(以下、IE)のサポートを終了いたしました。本学園が運営するサイトをIEで閲覧した場合正しく表示されない恐れがございます。
皆様にはご不便をおかけしますが、別のブラウザを利用しての閲覧をお願いいたします。

FC町田ゼルビアのGMが12年生の授業で講演。サッカーチームが社会に果たす役割について、皆で考えました。

2018.01.17

11月15日(水)、FC町田ゼルビアとの教育連携による授業が行われました。この授業は12年生の「政治・経済セミナー」内の「現代社会の諸問題」という単元として実施。唐井直ゼネラルマネージャー(GM)をお招きし、持続可能な地域社会とはどのようなものであるべきか、地域社会の形成に参画するためにどのような行動が求められるか、という視点から「『Jリーグ百年構想』でJリーグが目指すものとは?」というテーマで授業を行っていただきました。唐井さんは、これまで清水エスパルスやジェフユナイテッド市原・千葉、東京ヴェルディ1969などのクラブチームで、強化部長やゼネラルマネージャーを歴任。クラブチームをフロントの立場から支えてこられ、サッカーと社会の関係を語っていただくには、まさに適任の方です。

Jリーグの百年構想では、「スポーツでもっと幸せな国へ」をスローガンに、地域にスポーツが楽しめる環境を整えていくことを目指しています。ゼルビアのホームタウンである町田市でも「町田市スポーツ推進計画」を策定。「スポーツで街と人がひとつになる」をスローガンに、さまざまな活動を行っています。
「皆さんの生活の中でのスポーツとの関わりにはどのようなものがありますか?」と、生徒たちに問いかけた唐井さん。生徒たちからは、学校の体育、部活動、応援、地域の活性化、交友といった意見が挙がりました。
「他にもボランティアも含まれますね。まとめると、『する』『観る』『支える』といった言葉に集約されると思います。これらを通して地域を活性化させることを、Jリーグの百年構想では目指しています」。

唐井さんのお話は日本のスポーツ文化の向上におよびました。「日本で『スポーツ』と聞くと、まず体育を思い浮かべる人が多いと思います。けれども世界に目を向けると、スポーツは日々の生活に密着したものとして存在しています。たとえばドイツの学校には「体育」という授業がありません。それぞれの地域にスポーツ施設が充実していて、サッカー、ハンドボールなど年齢を問わず、スポーツを楽しんでいます。それがドイツの“ゴールデンプラン”という地域総合型スポーツのあり方です。そして有名なサッカーチームは、地域のスポーツクラブの一部門ということが多いのです。日本でも鹿島アントラーズなどさまざまな形で地域の活性化への試みを行っているチームがあります。FC町田ゼルビアもいつかはそうした環境を整えたいと思っています」。
地域スポーツが盛んになれば余暇の楽しみや住民同士の交流も増え、地元に対する愛着も高まります。またスポーツを習慣とすることで健康増進にもつながるなど、さまざまな面でプラスの効果があります。
「Jリーグは発足してから約25年と歴史も浅く、海外のクラブチームとは実力だけでなく収益の面でも大きな差があります」と唐井さん。たとえばマンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリードなどのビッグクラブの年間収益は7〜800億円と、J1チームの10倍以上にも上ります。「年間800億円という数字は素晴らしいのですが、ビジネスの世界に目を転じれば年商800億円は突出して大きいわけではありません。しかしサッカーのビッグチームには売上げ以上にその影響力の大きさがあります」。またクラブチームだけでなく、各国の代表チームにも大きな発信力があります。現在、国際サッカー連盟(FIFA)に加盟している国や地域の数は、国際連合(UN)加盟国よりも数が多いそうです。そうした発信力を生かしての社会貢献などが、サッカーの世界には求められています。
「Jリーグはまだまだ発展途上の段階にありますが、そうした中でも世界に誇れるものを築き上げてきました。女性や子どもでも安心して観戦することのできる安全なスタジアム、透明性の高い健全なクラブ経営、そして八百長などが行われたことのないクリーンなリーグであるということです。それらは外国では、決して当たり前なことではないのです」と唐井さん。そして「町田市は昔から少年サッカーが盛んで、清水市(現・静岡市)の次にJリーガーを多く輩出している地域です。だからこそサッカー文化が根付く素地があると思っています。私たちFC町田ゼルビアは競技レベルで強くなると同時に、Jリーグが築いてきた特長を生かしつつ社会貢献を行い、町田市に欠かせない存在になっていきたいと思っています」。

唐井さんの授業を通して、Jリーグ、さらにはクラブチームが社会に果たす役割を学んだ生徒たち。サッカーというスポーツは若い世代にとって身近であると同時に、人種差別などの国際問題や経済、地域活性化などを考える上での格好の『教材』でもあります。これから生徒たちはテレビやスタジアムでサッカーを観戦する際に、さまざまな視点から思いを巡らせるのではないでしょうか。玉川学園はFC町田ゼルビアとの教育連携を通じて、授業でのサッカー指導やインターンシップなど、さまざまなプログラムに取り組んでいます。今回のようなサッカーを題材にした学習も、この教育連携だからこそ生まれた機会です。玉川学園はこれからもFC町田ゼルビアを応援していきます。

関連リンク

シェアする