包括連携協定を結ぶ和歌山県古座川町より、玉川学園K-12美術科にデッサン教材として鹿の頭骨を贈呈されました。

2018.08.08

和歌山県の南東部に位置する古座川町と玉川学園は、2015年に包括連携協定を締結し、本学の持つ教育・研究資産を、地域社会の発展や人材育成に向けて発信し、幅広い分野で連携を図っています。これまで、玉川学園ハンドベルクワイア7~12年生の生徒による公演旅行(2016年)や、「玉川アドベンチャープログラム(TAP)」をベースにした「古座川町アドベンチャープログラム(KAP)の実施」(2017年)など、様々な形で連携・交流が行われています。

6月29日(月)、古座川町役場より地域振興課に努める細井 孝哲 様と忠 志織莉 様のお二人が玉川学園を訪れました。お二人は、古座川の産業の一つにもなっているジビエの加工処理の行程で生じた鹿の頭骨を、K-12美術科のデッサン用の教材として贈呈するために訪問してくださいました。

古座川町は、人口約2,800人。町面積の96%が森林という緑豊かな場所で、シカやサル、イノシシなどの野生動物が多く、農作物に被害を及ぼす有害鳥獣を「ジビエ(山の恵み)」として有効活用し、地域産業の活性化につなげています。地元産シカ肉は、年間1,200頭にもおよび、加工されたジビエは「古座川清流鹿 金もみじ」のブランドで、東京や大阪などへ流通・販売されています。このような背景から、2018年3月、農林水産省が選定する良質なジビエを安定供給する「ジビエ利用モデル地区」として、全国17地区の1つにも選ばれています。

今回、来訪されたお二人は、官民で組織する古座川ジビエコンソーシアム「古座川ジビエ 山の光工房」で、ジビエの消費拡大と流通・販売に向けた企画・営業に携わっています。そして、女性職員の忠さんは本学 経営学部観光経営学科(2015年卒)の卒業生です。在学中、古座川町でインターンシップを体験。町の魅力に魅了され、結果、町役場の職員として現在活躍しています。

中学年校舎に隣接するアートセンターでは、お二人を出迎えた6年生の児童、K-12美術科の先生に、持参した鹿の頭骨を手渡されました。そこで手にした頭骨を指示し、「このように左右の枝角が揃った頭骨は、現地でもあまり手に入りません」と説明されました。

贈呈式に立ち会った6年生の荻野 颯さん、野武 悠さんは、自由研究で平面造形の研究に取り組んでいます。以前、古座川町から提供された鹿の角のモチーフを、一生懸命に描いたことから、荻野さん、野武さんにぜひ立ち会ってほしいと実現したものです。地域振興課の細井さんは、頭骨を珍しく眺める二人に、古座川でつくられた鹿革の財布を見せ、「私たちは、動物たちの命に感謝し、すべてを利用するという気持ちで頭骨を持参しました。みなさんの教材としてぜひ役立ててください。」と伝えました。

9~12年を担当する美術科の梶原先生によると、動物の骨は、光の加減でモチーフの印象も大きく変わってきます。さらに素材の中に、自然の持つ無駄のない美しさも持ち合わせています。デッサンや油絵において、生物デザインのモチーフとしては、とても優れていることを解説しました。

玉川学園と古座川町との包括連携によって実現した交流。今後、K-12の美術科では、生き物に感謝するという気持ちを育むとともに、教材としてますます活用されます。

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