11年生IBクラス CAS ―The Tama River Project― 始動

2012.07.25

2007年から玉川学園が実施しているIBプログラムの中で、11年生と12年生のDP(ディプロマプログラム)では、とりわけ重要かつ特徴のあるプログラムとして、Extended Essay(課題論文)、TOK; Theory of knowledge(知識の理論)とCAS; Creativity, Action, Service(創造性・活動・奉仕)の3つがあります。IBDPの生徒には、通常の教科学習に加えて、これらの活動に積極的に取り組むことが強く求められています。今回は玉川学園のIBDPプログラムならではのCASを紹介しましょう。

CASは、創造性(Creativity創造的思考を養う芸術等の活動)、活動(Action健康的な生活を送るための活動)、奉仕(Service道徳性・自主性・品格を重視した無償の奉仕活動)の3つの領域を織り込んだプログラムであり、生徒自身の成長と人間関係の構築を支援することを目的としています。プログラムは7-10年生のMYP(ミドル・イヤーズ・プログラム)でのコミュニテイサービスであるService @Tamagawaの活動経験や他の教科で学んだことを活用しながら進められます。

通常の授業期間が終わった7月23日(月)、1~6時限を使いCASの時間が設定されました。対象は11年生のIBクラス。ただ一部のメンバーは、カナダでの研修に参加しているため、この回は7名が参加しました。CASプログラムのガイダンスは4月から行われてきましたが、本格的な活動はこの日から始まりました。

授業の冒頭で、IBクラスのCASリーダーである棒手(ボーテ)・ブラッド先生は、CASの概念と考え方を詳しく説明した後、生徒たちにラーニング・アウトカム(学習成果目標)を示しました。それは、1.Awareness(自分の得意分野や長所、発展できる分野についての理解を深める)、2.Challenge(新しい挑戦に向けた取り組みを行う)、3.Planning(自主的に活動計画を立てる)、4.Collaboration(他人と協力して活動を行う)、5.Engagement(地球規模の課題に対する取り組み)6.Ethics(倫理的影響について考える)、7.Commitment(前向きな姿勢と根気強さを活動の中で示す)、8.Development(新しいスキルの習得)の8つです。自分自身がまずこの活動で身につけたい目標を描きます。

生徒が各自の目標を捉えてから、リーダーより今回の活動は「The Tama River Project(多摩川プロジェクト)」とすることが提起されました。教室内のPCを使い、ウェブサイト上で多摩川のことがらを調べ、次の課題や問題が浮かび上がってきました。ゴミ処理と清掃の必要性、放射線量、市民の関心、水質の監視、外来種生物、氾濫の危険性、堤防の高さについて、生徒間で活発に意見が出されました。こうした中「多摩川における水質問題」をテーマとすることで議論がまとまりました。再度PCを活用し、現段階で分かり得る現状を調べ、テーマをさらに深めました。

しかし、これだけで現状把握を終えないのがCASの特色です。生徒たちは具体的な活動に移す前に、調べた現状認識が適切かどうか、実際に地域住民に簡単なアンケートを取ることにしました。午後からは、1人あたり15枚の質問紙を持ち、多摩川に出向き、約2時間をかけて実際に市民から聞き取り調査を行い、この日の活動を終えました。

今後、事前調査と市民の認識を踏まえた議論を生徒とリーダーの間で積み重ね、市民の働きかけを含めた具体的な活動計画を立て、そして行動に移し課題を実践します。プログラムは来年の11月まで続きます。生徒たちは、自ら設定した学習目標を意識しながら、CASの一連のプロセスの中で「創造性・活動・奉仕」を育んでいきます。