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大切なのは各自の心がけ。訓練を通して高める生徒の防災意識

2014.09.25

毎年、9月には全国各地で防災訓練が行われます。玉川学園では9月2日に低学年(小学1-4年生)、中学年(小学5-中学2年生)、高学年(中学3-高校3年生)がそれぞれ防災訓練を実施しました。特に今年の高学年での避難訓練は、ここ数年の間に行われた中では最も大規模なものとなりました。今回はその訓練の様子を紹介します。

避難訓練はホームルーム中に震度7の地震が発生し、校内で火災が起きたという想定で行いました。消防署の方々にも協力していただき、高学年校舎の横には朝から消防車が待機し、緊張が高まりました。
訓練を行う教育的意義は2つあります。まず1つ目は、生徒たちが周囲の状況から避難するときにどう行動すべきかを自らが判断できるようになることです。2つ目は、教員が災害発生時の対応から生徒全員の避難が完了するまでの手順を再確認し、より迅速かつ安全な避難誘導を行うためです。
午前10時、訓練が始まりました。地震発生を受けてサイレンが鳴り、全校放送で「訓練地震発生! 各自、身の安全を図ってください」のアナウンスが校舎に響きました。揺れが収まった後、防災リーダーが事務室前に集合し、被害状況や今後の対応、避難経路などについて話し合いました。防災リーダーとは教職員で構成される、防災に関する各部門のリーダーを示します。
今回は1階の給湯室と地下1階の倉庫で火災が発生したことを想定しました。生徒たちは各教室から2つの階段に分かれて避難口のある階まで降りましたが、途中、普段は使われていない防火扉が閉まっている場面もあり、驚いている生徒もみられました。そして地下1階から屋外へ出る通路には「煙体験スペース」が設定され、生徒たちは実際に煙が充満し、視界が良くない中を姿勢を低くして避難する訓練をしました。屋外へ出ると、消防隊員が校舎に向けて放水訓練をしている横を通り、本番さながらの状況の中でグラウンドへ避難しました。

地震発生のアナウンスから約15分で全員の避難が完了し、点呼終了後、高学年の藤樫教育部長から講評がありました。「災害時には指示をしっかりと聞くことが重要です。指示を聞かなかったことが原因となり、命を落とすことにもつながりかねません。このようなときこそ私語を慎むことを心がけてください」といった指導がありました。
さらに消防署の方からは「避難開始から完了までを、15分でテキパキと行えたことは非常に良いですね」と、講評がありました。「今回は訓練なのでどの場所で火災が発生し、どの経路を選ぶのかが決まっていましたが、実際の災害では想定しなかったようなことも起こるもの。天井板が落ちてくることもあるので、机の下に入ったり、バッグなどで頭を保護したりすることも重要です。」また、ハンカチで口を塞ぐ、できれば水で濡らすとさらに効果的に煙にも対応できることや、壁が熱くなっている場合に備えて、通路の中央を移動すると良いという説明もありました。

今回はホームルーム中に地震が発生するという想定でしたが、休み時間に地震が発生することも考えられます。その場合はまず教室に戻って指示を待ち、不明者がいた場合には不確定な場合でもまずは情報を収集することで所在確認に役立てることなど、今までの訓練では知り得なかった部分へのアドバイスもありました。この他にも「煙であれば目に見えるので対処できますが、無色・無臭な有害ガスが発生することもあります。そうしたガスは熱を持つことが多いので、温度にも気を配るとよい」など、消防署の方ならではの専門的な話もありました。

防災訓練は無事に終了しましたが、災害時に大切なのはきちんと行動できることです。実際の災害は予期せぬときに発生します。また、想定外の被害も考えられます。そうした際に臨機応変に、落ち着いて適切な対応が取れるために、生徒一人ひとりの防災に対する意識をより高め、日頃から訓練を積み重ねることが大切であることを、訓練を通じて学ぶことができました。

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