古式泳法に取り組む工学部学生の活動が、地元の新聞に取り上げられました

2014.12.08

8月14日の熊本日日新聞において、古式泳法を披露する工学部ソフトウェアサイエンス学科3年の坂﨑健斗(サカザキ ケント)さんの活動が取り上げられました。坂﨑さんが取り組んでいるのは、肥後藩で行われていた小堀流踏水術。先師祭と呼ばれる小堀流踏水会の発表の場で、坂﨑さんは甲冑をまとって泳ぐ「甲冑御前游(かっちゅうごぜんおよぎ)」を披露したのです。この古式泳法と普段の学生生活について、坂﨑さんに話を聞きました。

一般的に古式泳法と呼ばれている日本泳法は、海や川での水中戦闘のために考案されたもので、現在は主に13の流派がその伝統を継承しています。その一流派である小堀流踏水術は、江戸時代に細川家が武芸として奨励し発展してきた歴史があり、熊本県と熊本市の重要無形文化財にも指定されています。「踏水」という名の通り、水中で水を踏むように足を動かす技術は、シンクロナイズドスイミングの基礎技術にもなっているとのこと。この技術を使えば、書道など地上で腕を使って行うことのほとんどができるといわれています。


熊本市出身の坂﨑さんはご両親の勧めもあり、小学生の頃からこの小堀流踏水術を始めたそうです。「習い事の一つとして始めたこともあり、級が上がるごとに達成感を感じていました」。大学に進学し上京した後も、都内で練習を続けていた坂﨑さん。高等科一級となった今年の夏、指導者を目指して甲冑御前游に挑戦することになったのです。
甲冑御前游は甲冑を身につけて立ち泳ぎを行う、小堀流踏水術の伝統的な泳法です。甲冑の重さは約12キロ。動きが制限されるだけでなく、水を吸った甲冑はさらに重さを増していきます。「甲冑御前游の中に腕を高く上げる箇所があるのですが、徐々に身体が重くなり、とても難しかった。泳ぎ切るのは本当に大変でした」と坂﨑さん。それでも無事に泳ぎ切ったときには、今までにない大きな達成感があったそうです。

これまで小堀流踏水術を続けてきたことで、体力だけでなく忍耐力など多くのことが身についたそうです。「特に師範の古閑忠夫先生からは、礼儀を厳しく教わりました。ビジネスマナーに通じるような『ほう・れん・そう(報告・連絡・相談)』の徹底や、メールの書き方まで身につけることができました」。そう語る坂﨑さんは、取材にも玉川大学の第一装である紺のスーツ姿で来てくれました。そんなところにも、小堀流踏水術で身につけた礼儀が表れています。
現在は小堀流踏水術の練習以外にも、大学のクラブ活動ではE.S.S.(English Speaking Sosiety)に所属して、英語でのディスカッションスキルを磨いていており、充実した毎日を過ごしています。学業では、プログラムを学ぶ講義はとても楽しいとのこと。1年次のホームページ・コンテストで小堀流踏水術のサイトを作成して銀賞に輝くなど、積極的に取り組んでいます。3年生になり、情報の暗号化やandroidアプリの開発などの研究も興味が湧いてきているそうで、卒業研究に何のテーマを取り組むか検討中とのこと。工学部で思い出に残っていることはと尋ねると、「やはり1年生の時にいった研修旅行です。大企業のサーバーを見学し、箱根に1泊の行程でしたが、本物の稼働しているサーバーを運用しているところを見ることができ、高度なIT技術について知識を得ることができました。」と楽しそうに話してくれました。将来はとの質問に「オーディオが好きなので、音に関わる仕事に就きたいと思っています」とのことですが、同時に小堀流踏水術にも携わっていきたいとのこと。「まずは、日本泳法大会でいい成績を残したいですね。小堀流踏水術は日本古来の泳法というだけでなく、もし溺れてしまったときにも役立つ泳法です。地元の熊本では練習する場所などの関係で取り組む人が少なくなってきているのですが、私自身はこれからも続けていきたいし、この泳法を多くの人に広めていきたいと思っています」と、これからの抱負を語ってくれました。

古式泳法に取り組み、玉川大学での学生生活も充実している坂﨑さん。「一画多い夢」の実現へ着実に進んでいるようです。