「企業においても重要なのは人材育成」富士ゼロックス常勤監査役の日比谷武氏による教育学部生を対象にした講演が行われました

2015.07.06

6月10日(水)、教育学部の大谷千恵准教授の授業を履修している学生を対象に講演が行われました。今回ご登場いただいたのは、グローバル企業としてもトップクラスにある富士ゼロックス株式会社の常勤監査役(現在:顧問)の日比谷武氏です。日比谷氏は富士ゼロックスで人事部長を経て、常勤監査役となられています。また、経済同友会幹事(現在:学校と経営者の交流活動推進委員会 委員長)としてご活躍されるなど、学生の就職活動に関することに長年携わってこられました。今回の講演に先立ち、4月にも、企業活動や世界経済、求められる人材像などに関して、吉田松陰の松下村塾などに触れられながらお話をいただいています。今回の講演会はその続きともいえるものです。富士ゼロックスは、ICT技術を活かした教材や授業なども研究している企業なので、教育を学校教育とは異なる視点から見る良い機会として企画したものです。

会場となった「大学教育棟 2014」の教室には、大谷先生のゼミ生の他、大谷先生が担当している「異文化理解と教育」、「総合学習の指導法」などを履修している学生が集まっていました。日比谷氏のお話は、営業からスタートしたご自身の会社人としての経歴から始まり、リーダーシップやコミュニケーションの大切さなど、経験をもとにしたさまざまなテーマで語られていきました。そうした中で、富士ゼロックスの社是である「育む経営」についても触れられました。「長期的なビジョンに立てば、ビジネスにおいて重要になるのは人材育成です」と日比谷氏。教育学部の学生たちは、そのベースとなる人材育成のことを学んでいるともいえます。話の途中でユーモアを交え、歴史上の出来事を話題に盛り込むなど日比谷氏の講演は非常に楽しい内容で、気付くと予定時間が過ぎているほどでもありました。

短い時間の中で、学生たちからの質問や感想にも答えていただきました。「富士ゼロックスはグローバルにビジネスを展開されていますが、今後力を入れていきたい国はどこですか?」といった質問には「世界の潮流はアフリカですが、まだまだリスクも多いと思っています。そこで我々は、ベトナムやミャンマーでのビジネスに力を入れています」との答えが。また「自分は大きな企業ばかりに着目して、まだ成長していない企業を選ぶ勇気がありません。日比谷さんは就職する際に、富士ゼロックスを選んだポイントは何だったのでしょうか。」といった質問には「私が採用に携わっていた頃は『この人と一緒に仕事がしたいか』も採用基準の一つでした。同様に、志望する企業の人を見るというのもいいのではないでしょうか」といったアドバイスをいただきました。

講演終了後、学生に感想を聞いてみました。大谷ゼミのゼミ長の3年生の男子学生からは「日比谷さんのお話の中でも、求める人材で人間性が大事というお話がありました。私は教員を志望しているので、教育を通してそうした部分も伸ばしていかなければと感じました。また、個性が重要というお話もありましたが、いろんな考え方を受け入れられるような心を育てていくことも欠かせないと思いました」という意見がありました。また他の男子学生(3年生)は「私は青年海外協力隊に興味があります。ただ、途上国での学校作りに携わったJICAの方から、人材を育てても働く場が整っていない途上国の現状を聞きました。今回の講演で、教育とビジネスをトータルに考えることが重要だと感じました」といった意見もありました。

ビジネスの最前線で活躍されてきた日比谷氏。日比谷氏のお話から、教養とは多くの点在する知識や情報が1つの切り口で線と繋がり、更にその線と線が織りなす面が、その人の世界観を立体的なものにしていくことを学生達は実感していました。また、個性の大切さや人材育成の重要性など、将来教員をめざす学生たちの心に響くお話は、これからの学生生活の過ごし方や就職活動、そして将来について考える機会となったと思います。