第3回たまがわ会議(TAMAGAWA CONFERENCE)が開催されました

2015.08.18

同世代と交流し、国際舞台で活躍するための視野を広げ、能力を磨く

7月16日から18日までの3日間、「第3回たまがわ会議(TAMAGAWA CONFERENCE)が開催されました。これは、9年生から12年生が所属する「玉川学園ラウンドスクエア実行委員会」が主催する国際会議形式の生徒会議です。 「ラウンドスクエア」は、世界各国の私立学校で構成される連盟で、現在40か国の150校が参加しており、玉川学園は2005年から日本で唯一のメンバー校として活動しています。ラウンドスクエアでは、「IDEALS(Internationalism:国際理解、Democracy:民主主義の精神、Environment:環境問題に対する意識、Adventure:冒険心、Leadership:リーダーシップ、Service:奉仕の精神)」という6つの教育の柱に基づいて活動し、年1回の国際会議には300名を超える各校の代表が集結します。IDEALSに関する講義を聴講し、討論を行ったり、奉仕活動やアドベンチャープログラムなどに参加しながら、国際舞台で活躍するための視野を広げ、能力を磨きます。
「たまがわ会議」は、ラウンドスクエアの国際会議の日本版プログラムです。国際会議に参加するのはわずか5、6名でしかないため、多くの生徒と共有しようと生徒自ら発案して2013年から玉川学園校内を利用して始まりました。夏休みを利用した3日間の会期中には、ラウンドスクエアの「IDEALS」の理念に基づいて、世界の諸問題を同世代と討論するグループディスカッションや研究発表、奉仕活動を実施し、視野を広げ、英語力を中心としたコミュニケーション力、問題発見・解決力などを磨きます。9年生から12年生までの希望者や他校の生徒が参加するこの会議で、さまざまな学年の生徒や初めて顔を合わせる仲間たちと交流し、ともに世界を見つめていきます。
今回は他校生徒の参加を呼びかけ、SGH指定校の法政大学女子高等学校が応じてくださり、6名の生徒の参加が叶いました。

“Act today, change tomorrow”――避けていた壁を正面から向き合って解決しよう

「第3回たまがわ会議」のテーマは、“Act today, change tomorrow”。実行委員会ではテーマについて、「『明日やる』『今度やる』と私たちは常日頃使っている口癖のように、今やるべきことから目を背けがちです。『今日何かを変えるよう努力すれば、明日は変わる』ということを理解し、自分が今まで避けていた壁を正面から向き合って解決していこうという考えを目標に設定」しています。また3日間の各日の目標を設定し、何を変えようとするかを具体的に考え、達成の手助けとなるようにしています。

1日目: お互いを知る(行動)        
 午前-開会式
    -リッカ(tap)※1
 午後-模擬国連(MUN)
    -1日目の振り返り

 

模擬国連

2日目: 行動を起こす(行動+奉仕)
 午前-ゲストスピーカーによる講話
    -バラザ※2
 午後-ゲストスピーカーによる講話
    -バラザ※2
    -2日目の振り返り

講義1 ミレニアム・プロミス・ジャパン 鈴木氏
講義2 ユニクロ ミーナ町田店店長 吉田氏

3日目: 世界を知る(行動 in English)
 午前-GAKKO meets TAMAGAWA※3
 午後-GAKKOによるワークショップ
    -3日目の振り返りと総括

 

GAKKO meets TAMAGAWA

  • 1参加者を複数のグループに分けアクティビティーを行って互いに協力し合いながら目標の地点にたどり着こうとするゲーム。初対面の相手とアクティビティーを通して早期に親睦を深めることができる。
  • 2少人数のグループで講演に関して感じたこと、解決策などについて話し合うもの。
  • 3GAKKOとは、日本の高校を卒業後アメリカのイェール大学で学んでいる古賀健太さんが「世界で活躍したい日本の高校生のために、世界一楽しいサマーキャンプを開きたい」と企画したプロジェクト。イェール大学やハーバード大学をはじめとする世界中のクリエイティブな学生によるさまざまなワークショップを通して、学ぶ楽しさを体験するもの。

アフリカの貧困問題を直視し、今やるべきことを考え、実践しよう

2日目の午前に行われたゲストスピーカーによる講話とその後のバラザの様子をご紹介します。ゲストスピーカーはNPO法人「ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)」理事長の鈴木りえ子氏。国連日本政府代表部の次席代表に任命された夫の北岡伸一氏とともに設立した団体は、アフリカを中心とした教育支援、人材派遣、物資提供、自立支援、啓発活動、災害救援活動を行っています。鈴木氏は、2000年の「国連ミレニアム宣言」をベースにして貧困や飢餓の撲滅などを目指す「ミレニアム開発目標」と、モデル村となっているアフリカ・マラウィの村を2015年までに自立させるプロジェクト活動についてお話してくださいました。茶色の水を飲料水にしている村の人びと、栄養失調の13,14歳の女性の婚姻が乳児死亡率を上昇させていること……、貧困と教育格差、男女間格差の現実を目の当たりにして考え、実践したことを時にユーモアを交えながら生徒に訴えました。ウガンダ共和国での小学校建設、女児を対象にした寄宿舎付きの学校進学への支援、安全な飲み水の確保など、地道な活動が目標を一つ一つ達成させる源になっているという話がありました。


「学生を中心とした『ミレニアム・プロミス・ジャパン<ユースの会>MPJユース』では、多くの大学生が私たちとともに活動しています。若いみなさんの力をぜひ貸してください」と話しました。 講話を終えて質疑応答に入ると、生徒から「訪問国で印象深い国はどこですか?」「同じ国を何度も再訪されていますが、印象の違いはありますか」など、鈴木氏のお話に触発されて熱心な質問が続きました。「再訪を繰り返した国への印象」については、「アフリカは高い成長率を誇っており、都市部については訪れるたびに開発著しい印象がありました。一方で農村部や過疎地域については、貧困の問題等解決すべき問題は山積しています」と話していました。講話の後の「バラザ」では、6人ずつのグループに分かれてディスカッションを行います。法政大学女子高等学校の参加者6名も各グループに1人ずつ分かれて参加しました。鈴木氏の講話から気づいたこと、感じたこと、学んだこと、問題を解決するにはどうすればよいかなどを話し合います。話し合ったことは模造紙に書き出し、グループごとの発表に備えます。

「想像以上の貧困に驚いた。メディアの発表以外に、実情を知ることが大切」「自分たちの幸せを確認した。女性が進学できるよう大人がもっと行動してほしい。貧困の連鎖を断ち切るには、大人への教育も重要だ」「日本での募金活動でもいい、一人ひとりが行動を起こそう」「薬剤師を派遣して地域で活動し、衛生や健康への知識の向上に役立てる」などグループで考え、まとめたものを発表しました。ゲストスピーカーの鈴木氏はバラザでのディスカッションについて次のように感想を述べています。「一番多感で吸収できる年代において、国際的な問題に関心を持ち、また課題を決めて解決策も考えようとする教育はすばらしいですね。生徒たちがどのように成長するか楽しみです。先生方がとてもイキイキされていることも、すばらしいですね。日本でも積極的にグローバルな活動を広げていくことができればよいし、活躍できる人材が育ってほしいと思います」

高学年 横山絢美教諭

またラウンドスクエア委員会とたまがわ会議で運営をサポートする横山絢美教諭は、「生徒が自主的にスタートさせた『たまがわ会議』は3回目を迎えて、初めて他校からの参加者がありました。来年以降、参加校が増えてくれればいいですね。また、ラウンドスクエア実行委員会に所属していない生徒も何名か参加していますが、GAKKOプロジェクトなど、さまざまなイベントを通して国際的な問題を話し合ったり、交流するといったおもしろい活動をしていると理解してもらえれば、学内にラウンドスクエアの活動が広がると期待しています」と話しています。

委員長 清水祐希さん(12年生)

最後に、ラウンドスクエア実行委員会の委員長を務める清水祐希さん(12年生)は、次のようにまとめてくれました。「今回の『たまがわ会議』では、初日にtapを取り入れることで傍観者をつくらないようにし、コミュニケーションを取れるようにすることに気をつけました。その狙いが当たり、2日目にして仲間意識が強くなり、みんなで会議を盛り上げようとする気持ちが表れたと思います。今回は法政大学女子高等学校のみなさんが参加してくださり、ほんとうに感激しました。さまざまな考え方に触れ、交流できたことはよかったと思います。ぜひ来年も参加してほしいです。また、参加者全員がバラザのディスカッションでかなり深く考えてまとめることができたので、今回のテーマ”Act today, change tomorrow”の言葉の通り、『まず行動を起こして、明日を変える』につなぐことができればと考えています」
猛暑を吹き飛ばす勢いのエネルギッシュな「第3回たまがわ会議」。国際舞台で活躍するための土台づくりが、ますます盛んになることを期待しています。