情報収集・整理・表現を総合的に学ぶ 大学教育棟 2014を活用した「情報管理論」

2015.09.11

本年2015年4月、利用を開始した「大学教育棟 2014」には、講義室と教育学術情報図書館、そして印刷物を出力するドキュテックステーション(DTS)などの施設が一体化されています。建物の最大の特長は、「情報の収集」と「出力」が近くにあることで、学内リソースと授業が直接連携したり、これからの学修や卒論、ポスターセッションをまとめる際のサポートを1か所で受けることが可能です。

この「大学教育棟 2014」の教育環境を最大限に活用した授業が、全学部の学生が履修可能なユニバーシティ・スタンダード(US)科目の一つで展開されています。それは芸術学部メディア・デザイン学科の橋本順一教授が指導する「情報管理論」で、情報の本質を理解した上で、「大学教育棟 2014」をベースに、情報収集、分析、提供方法などの情報加工の基礎的な方法を実践し、発表まで結びつける展開内容となっています。今年度、実際に、教育学術情報図書館と連携し、図書館ツアーと情報検索演習を実施したり、DTSの協力のもと、人に伝わるドキュメントの基礎知識の講義とDTS印刷工房で学生によるポスター印刷も体験してきました。

7月24日(金)に、学生が調査を行い1枚のポスターにまとめた内容をプレゼンテーションするポスターセッションが、大学教育棟 2014の615教室で行われました。
今年度の「情報管理論」では、4〜5名のグループに分かれて、「歴史・国際・文化・家族・科学・環境」といったジャンルからテーマを選び、そのテーマに沿って調べ学修を行っていきます。大学教育棟 2014にはパソコンも設置されていますが、ネットでの検索は最小限に留め、教育学術情報図書館内の書籍や新聞などを中心に調べていきます。そして調べた内容はB1サイズの用紙にポスターとしてまとめ、発表します。この日は、教育学術情報図書館や出版部、そしてポスターの用紙への出力などをサポートした、大学教育棟 2014の1階にあるDTSの専門スタッフなど、さまざまな見学者が参加しました。

各グループでは、自分たちの選んだテーマに対して調べた内容をプレゼンテーションしていきます。あるチームは温泉について調べ、効能だけでなく温泉が私たちにもたらすメリットなどをまとめ、聞いた人が温泉に行きたくなるようなプレゼンを行いました。また別のチームは日本食に関するプレゼンテーションを実施。調べていくうちに、想像以上に海外で受け入れられていることを知り、驚いたそうです。どのチームも10分以内でプレゼンテーションが終わるよう、話す内容もきちんとまとめられており、質問にも丁寧に答える様子が印象的でした。

そして授業の終了時には、見学者による投票で優秀賞が決定。選ばれたのは、テレビアニメ「サザエさん」と「ちびまる子ちゃん」に登場するそれぞれの住宅から、日本の家族の在り方の変化について調べたチームで、橋本教授からも「私たちが考えなかった着眼点」との評価を得ました。

このポスターセッション当日は電車の遅延の影響で、授業のスタート時点ではメンバーが揃っていないグループもありました。それでも各グループの学生たちはしっかりと、プレゼンテーションを行っていました。
担当の橋本教授は授業の成果をこう説明しています。「この情報管理論では、社会で必要となる『情報を収集する』、『考えをまとめる』、『他者に伝える』といったプロセスを重視し、総合的に修得することを目的としています。同時に、大学生活において身近な学修環境を十分に利活用する経験も授業に取り入れました。全学部対象の授業ですので、文系の学生にとっては自らの考えを形にするトレーニングに、理系の学生であれば研究発表などでポスターセッションを行う機会もあるので、いい経験となったはずです」
この経験によって、学生自らが大学をよく知り、それらの教育環境(リソース)を主体的に活用できるスキルを身につけたとも言え、今後のゼミナールや卒業研究で学ぶための良い機会となりました。