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夏の夜、玉川大学芸術学部パフォーミング・アーツ学科の学生による野外舞踊公演「Asian Feet 2015」が開催されました

2015.08.21

2010年に好評を博した野外舞踊公演「Asian Feet」を5年ぶりに再演。アジアの熱い風を感じる夢のような一夜をご紹介しましょう。

夏の夜のひと時、満員の観客を魅了した野外舞踏公演

7月17日(金)~20日(月)、玉川大学芸術学部パフォーミング・アーツ学科の野外舞踊公演「Asian Feet 2015」が開催されました。「Asian Feet(アジアン・フィート)」とは、“Asian=アジアンテイスト”な“Feet=踊り”を、大地を踏みしめながら表現する公演です。大好評だった2010年の公演から5年の時を経て、今年はアジアの伝統芸能をもとにした創作民俗舞踊や玉川大学芸術学部伝統の和太鼓に加えて、現代アジアをテーマとしたコンテンポラリーダンスにも挑戦しました。

空が茜色から濃い藍色へと移り周囲の木々や建物がシルエットを描きはじめた玉川大学大学3号館前のレンガ広場。モニュメント(本学部・高橋正晴教授制作)を中心にした広場をステージに仕立てています。3号館への階段通路が客席。次々と席が埋まり、ついには立ち見も出るほどの盛況となりました。

ステージのライトが消され、観客のざわめきが一瞬静まり返ると、ステージ奥の階段から太鼓の勇壮な響きとともに沖縄の民族衣装に身を包んだ男性ダンサーが現れると、オーッというどよめきが……。15名の男性ダンサーによる『エイサー』です。お盆の時期に沖縄県で踊られている伝統芸能とエイサーをもとに2006年度卒業の峰岸哲さんが作調した和太鼓演奏。蒸し暑い夏の闇を吹き飛ばす力強い響きが体に沁みわたります。


スモークの中から男女のダンサーが現れて始まったのは、本学科の卒業生でもあり非常勤講師の楠原竜也先生振付によるコンテンポラリーダンスの『BasoB』。現代のアジアを出発点として、古生物の時代から地球誕生の時代へと時空を旅する作品は、力強いビートに合わせてダンサーの体が魅惑的に躍動し、観客の目と耳を惹きつけて離しません。
次は、『アジア創見』。村々からやってきた女性たちがカラフルな花や果物のお供え物を持ちより、広場のモニュメントを祭壇に仕立てて、祭りの始まりを告げる儀式を行う「オープニング」からスタートしました。鮮やかな色彩の衣装をまとった女性ダンサーが華やかな群舞で魅了します。「祈り」の場面はステージ後方のシャワーカーテンからのスコールで始まりました。女性ダンサーによる、スリランカのキャンディアンダンスをもとにした、人びとの祈りを聞く仏陀を表す祈りの踊りは、野外公演ならではの水を使った演出が神秘的な雰囲気を盛り上げていました。次の「悪魔払い」は、スリランカで行われている聖なる儀式の悪魔払いをもとに創作されたものです。

「花撒き」は、バリのパンデットという踊りをもとに神聖な花びらを持った女性たちが、その花を撒くことにより神々が地上に降りて来られるように場を清める踊りです。そして、「エンディング」では男女ダンサー全員がステージに登場。祭壇に集まった人びとが天と地の神様に感謝する踊りです。男性ダンサーが生の火を使い豪快に踊れば、女性ダンサーはしなやかなに優美に踊ります。ラストは、ステージ後方から花火が打ち上がり、客席には花びらが降り注ぎ、アジアのリゾート地にいるような夢心地の60分の公演は終了しました。

民俗舞踊に触れ、理解し、体で表現することこそ、野外舞踊公演を通した学びの目的


野外舞踊公演「Asian Feet 2015」の4日間の公演はすべて超満員となり、多くの方に公演を堪能していただけたことと思います。5年ぶりとなった再演について、総合監修したパフォーミング・アーツ学科の小山正教授に話を聞きました。
「民俗舞踊は、それぞれの土地に生まれ育った方々が培い、伝承されてこそ本物です。学生たちが踊れば、すべて真似事になってしまいます。しかし真似事と知りながらも民俗舞踊に触れて創造し理解していく過程は、学びの大きな目的だと考えています。また、アジア諸国の民俗舞踊はそのほとんどが野外で行われています。パフォーミング・アーツ学科の学生が民俗舞踊に触れる機会があるのであれば、やはり野外で公演することも大きな目的の一つになります。野外であれば安全面を配慮した上で、生の火や水を使うこともでき、ステージをいっそう盛り上げる演出ができます。前回の2010年の公演から5年の時を経て、近隣住民のみなさま、玉川学園の関係部署など、たくさんの方々のご理解とご支援をいただいて、再演することができました。前回出演した学生はすでに卒業し、経験した学生がいないなかでの一から作り直した公演です。ダンサー55名、スタッフ105名の総勢160名が力を合わせて取り組んできました」 多くの方に公演をご覧いただき、またご好評いただけた「Asian Feet 2015」。「今後は、可能であれば2年おきに実現できれば、先輩から後輩へと伝統を引き継ぐことができます」と、小山教授は話しています。野外ならではの夏の夜の舞踊公演。次回はどのようなアジアの風を感じさせてくれるのでしょうか。玉川ならではの活気あふれる公演に期待が高まります。

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