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No.60(2009/3/2 掲載)
思い出の3月:試練に立ち向かう巣立ちの時
玉川学園教諭 植村謙二

 
小原國芳先生に握手していただいた、玉川大学卒業式。(中央が筆者)

 
卒業は人生の大きな節目であり、これを越えることで、大きく成長する喜びの時です。そして、「巣立って行く」とも言います。巣立ちは、生き抜くための試練でもあるのです。しかし、乗り越えられない試練を神はお与えにならないと、聖書にも記されています。卒業と同時に新しい世界に飛び出すことは誰しも不安です。先人達はその試練を乗り越えて人生を全うして来ました。私自身も、過去にいくつかの節目があり、試練がありました。しかし、その試練を乗り越えたからこそ、今の自分が存在しているのだと思い返しています。

私は玉川大学を卒業直後に、教師として当時の高等部に奉職しました。65歳となった今、この3月で定年退職を迎えます。これは私の人生の大きな節目であり、「卒業」だと思っています。玉川学園は平成21年度には創立80周年を迎えますが、創立からきれいに半分の40年を玉川学園の教師として生きてきたことに、何か不思議な感動を覚えます。この40年間には筆舌に尽くせぬいろいろなことがあり、いま、万感の思いがあります。

 
  教師として、初めて卒業生を送り出す。

玉川学園の創設者小原國芳先生との感動の出会いに始まって、小原哲郎先生、そして現在学園長の小原芳明先生と3代に渡って共にお仕事させていただきましたことは、感動以外の何ものでもありません。玉川大学を卒業したとき、玉川学園の教師として勤める事は私の最も大きな夢であり、教師となれたことは誇りでした。無力な私を教師として認めてくださった國芳先生には、精一杯頑張ることが恩返しであると自分に言い聞かせてきました。しかし、どれだけ國芳先生の期待に応えられたかは反省ばかりです。そして、私のもう一つの誇りは、この歳まで心身共に健康を何とか維持できたことです。病気などで欠勤したことが1日も無く、40年間を延々と大過なく過ごし、教師生活を全うできました。これは、自分ひとりで成し遂げられたことではありません。家族をはじめ、支えてくれたすべての人に感謝したい気持ちでいっぱいです。

今、私は玉川学園を巣立ちます。この巣立ちは、野鳥の巣立ちに似ています。明日が分からない老体という大きな試練です。生きるための厳しい試練が立ちはだかっているように思います。気持ちは若者たちにも負けないように、新たな夢を追い続けて行くことこそ、生きていく使命だと思っています。

今こそ、あらためて玉川学園の校歌と学生歌を高らかに歌い、その詩を胸に秘めて、力強く新しい道を歩み始める気持ちいっぱいで、私は巣立って行きます。長い間ありがとうございました。「空高く野路は遙けし・・」「我が行く道は遙けき彼方」の玉川精神は永遠に不滅です。今年、玉川学園を巣立っていく皆様、大志を抱いて新しい遙かな世界へ羽ばたいて下さい。卒業される皆様には「ご卒業おめでとうございます」という言葉と共に、心からお祝い申し上げます。皆様、お元気で、いざさらば・・・。

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