寺本潔先生:観光(ツーリズム)は“感幸”に通じる新たな学び第3回 マーケティングの意味

2018.12.03

那覇市の観光事象を英会話(小6)で紹介する
寺本手製の写真カード資料

観光は他者目線をいかに意識できるかにかかっています。いくら自分の住む地域の資源に対し、自信や誇りがあっても観光客に興味を持ってもらわないと来てくれません。観光資源が輝きを発するようになるためには、資源を価値に換える磨きとその観光資源へのアクセス(交通手段)、さらにサービス環境の3つが向上しなくては来てくれないのです。周辺観光地との連携ももちろん大事です。つまり、売れるしくみ(マーケティング)が理解できる基礎的な能力が必要です。わたくしが担当している地理学や社会科教育関係の授業でもしばしばこの方面の視点を講義で扱っています。経営学にヒントを得たのですが、SWOT分析という観光地の強みや弱み、機会や怖れの4観点から分析する視点の重要性に気づかされました。先日も那覇市(小6)の学校でこの思考ツールを使い、グループワークに挑みました。多角的な思考が必要になるため、班で考え合う場面をつくるようにしています。那覇市の小学校では、沖縄観光の強みや弱みに関してハワイ州との比較で思考させました。オリンピックが近づくので沖縄を世界に紹介するチャンスだ、冬場が天候が話ハワイと比べて安定しない弱みがある、狭い島なので渋滞が多く、レンタカーを利用しづらい、オスプレイなどの事故があると観光客が来なくなるなどと、予想以上に児童たちから優れた意見が飛び出しました。高知市の中学校では、愛媛県との比較で県の観光の魅力や弱点を考えさせました。

架空の観光島の開発を地図で考え合う学びも開発しました。これは、鳥の形をした島の地図の中にリゾートホテルを建設するとしたら、どの程度の規模のホテルをどこに建設したいか、を考え合うワークです。島の開発と環境保全との関係を思考させる意図で作成しました。