開講科目

教育学研究

教育哲学研究

教育の目的を「人格の完成」「人格陶冶」「善き人間の形成」というような形で理解するとすれば、そこには必ず道徳の問題が関わってくる。本講義では、善き人間(人格者)になるとはどういうことかという観点から「正義」や「自由」の意味について理解しつつ、それらと教育との関係を哲学的に問うて行きたい。すなわち一性(いつせい)を問う哲学的な問いとしてまずは「正義とは何か」「自由とは何か」を掲げ、正義の女神に象徴される「秤」「剣」の意味や、我々が通常有する「欲望の自由」とそれに対立する「道徳的自由」などの意味を明確にした上で、そもそも「教育とは何か」という根源的な問いへとアプローチしてみたい。

教育思想史研究

教育基本法に示される「人格の完成」という教育目的は、田中耕太郎の著書『教育基本法の理論』にも示されているように、カントの「人格概念」の影響を多分に受けている。カントの教育思想は、「人間とは教育されなければならない唯一の被造物である」という言で有名な『教育学』にて示されるが、彼の「人格概念」はギリシャ時代より続く形而上学的概念によって支えられているため、これらを理解しておかねばカントの教育思想を正確に理解することはできない。そこで、この授業では教育思想史的な観点から、形而上学に基づくカントの「人格概念」を理解し、それがどのような形で教育基本法の「人格の完成」に影響を与えたのかを明らかにしてみたい。

比較教育学研究

諸外国における教育制度、教育理念が、相互にどのような影響を及ぼしてきたのかを、主要国の事例から分析する。制度的及び思想的アプローチを織り交ぜながら、今日の教育学の生成と発展を理解する。多くの国で共通する要因を取り出すとともに、その国、その時代の独自性を把握し、その要因を説明できることを目指す。それによって、日本の教育の特質を理解し、説明する力を養う。
主な内容として、学校の成立、宗教改革と学校、市民革命と学校、産業革命と近代学校、帝国主義政策と教育政策、新教育運動、教育の平等、教育の大衆化、生涯学習社会と教育等を取りあげる

教育史研究

「教育学は如何なる学問か?」この問題は教育学の歴史と共に古く、現在においてもなお未解決のまま問われ続けている。本講義では、いち早く大学で教育学を講じ始め、教育学の確立へ向けて腐心し続けてきたドイツにおける教育学の歴史を繙く。特に、20世紀のドイツ教育学の相貌を規定したディルタイ学派の所謂「精神科学的教育学」に着目し、その教育学理論の特質、敵対する学派との論争点、教育学と教育実践との関係、ナチズムとの関係等を検証し、歴史的意義と今日的意義について考察していく。その際、「精神科学的教育学」の代表的思想家から、玉川学園ともゆかりの深いE. シュプランガーとO. F. ボルノーを中心に取り上げる。

教育心理学研究

現在、学校現場で生じている学習不振、発達障害、非行、不登校、「いじめ」などの諸問題に対して、最近の教育心理学の研究成果をもとに具体的対応法を検討するのが本講義の目的である。具体的には、成長・発達の概念、認識能力の発達、教授学習や理解のメカニズム、知識を規定する認知的・文化的な諸要因、教育臨床、脳科学、子どもや保護者の教育環境、関係機関との連携等を踏まえ、教授学習活動を推進する事例や教育活動を妨げる事例に対して、どのような対策を実施していくことが可能なのかを検討することとする。知能検査や発達検査を各自で実施できるようにするとともに、各検査の問題点や実際に教授活動にどのように応用していくかを検討することとする。

臨床心理学研究

児童・生徒の教育活動を支援する上で臨床アセスメントが必須となること踏まえ、面談法、観察法、事例研究法、心理検査法などの各技法、およびそれらの理論的背景を習得し、各子どもに対して具体的な対応法を検討できるようになることを目指す。具体的には、DSMIV(2013年にはDSMVを予定)に基づき各臨床アセスメントの特徴を理解し、どのような事例ではどのような技法が求められるのかを判断する能力を育成する。さらに、従来の検査では不十分な教育上の諸問題に対して、自ら質問紙を作成し、児童生徒の心理分析・行動評価を実施できる心理側的尺度法についての知識(記述統計の基礎や推測統計の基礎、および多変量分散分析や重回帰分析、因子分析、共分散構造分析等の多変量分析)の習得を目指す。

教育課程研究

学校教育において、どのような教育の目的・目標に従って教育内容が設定され、どのような成果を挙げてきたのか、また、どのような課題が生まれてきたのかを、歴史的経緯に従って、理論と実態を分析する。これを踏まえて、今日の学校教育における教育内容の計画・実施・到達について、どのような仕組みで運用されているのかを分析し、どのような改善が可能なのかを考察する。

教育方法学研究

「教育の方法・技術」は、「何を」「何のために」教育内容とするかということと不可分なことがらであり、ただ単に効率の良い手段を求めることが教育方法を検討することではない。そうした背景・教育内容と対応させながら、「方法」を問題にしたい。具体的な授業場面における「方法」がどのような意味を持っているかについて、臨床的なデータを用いながら、方法の意味を問い直していく。題材は受講者の関心に従ってとりあげていくが、方法の妥当性を検証する方法についても実際の分析・検討作業を通じて身に付けられるように進める。

教育技術研究

本講では,教育技術研究を中心とした教育方法研究に関わる内容について学ぶ。教育方法は,教育技術に関する知識のみならず,各教科の内容や教育課程,教科の特性に関する知識,学習心理学に関する知識などをもとに,それが実践知として体現され暗黙知化していくものである。本講の前半では,これらについての指摘や課題をレビューする。本講の後半では,受講者の関心のある題材を取りあげ,教育方法の視点からそれを問い直す過程を通じて,教育方法研究の手法について伝えていく。

教育社会学研究

教育に関して、学校教育といったフォーマルな教育から、家庭における子どものしつけ、メディア等によるインフォーマルな社会的影響等、広い範囲の人間形成作用を扱い、社会学的な視座からの理解を深める。それに基づき、教育に対する柔軟な発想を養い、多方面から教育作用を構成している社会現象の考察を試みる。

教育行政学研究

教育行政に必要な法律知識を確かなものとする。教育基本法や学校教育法、地方教育行政法等の主な規定の意味を検討する。その上で教育行政と学校制度の制度的、社会的意味を理解する。また、戦後教育改革以降の教育政策の大きな展開を理解する。主な内容として、教育行政と法令、国と地方の教育行政機関、教育行政の目的・目標、学校制度・学校体系、学校制度、初等中等教育行政、高等教育行政、生涯学習行政、私学行政を取りあげる。

教育経営学研究

学校設置者と学校の関係は、近年の動向において、学校の自主性・自律性の問題としてとらえ直しが行われるとともに、学校運営に必要な権限と財政基盤をどのように確保するのかが問われている。「人・物・金・マネジメント」をどのように組み合わせ、全体最適を目指すのかを考える。主な内容として、教育行政学と教育経営学、臨教審の改革提案と学校、学校改善の理論的動向、学校参画と学校ガバナンス、学校選択と学校市場、効率的な学校運営、労働市場と学校を取りあげる。

教師教育学研究

教員養成・研修及び教員の生涯成長・ライフコースの設計に関する教師教育学の知見を総合的に教授する。本専攻における研究の基本を修得し、今後の研究の全体を把握することを可能としたい。

教育学研究方法

教育学研究は、教育を対象として、多様なアプローチによって研究が進められている。大学院で教育学を研究する者に必要とされる研究方法は、多岐にわたる。その中で、文献調査、量的調査、質的調査についての基本的な研究方法を習得するとともに、学術論文の書き方の基盤を培う。

教師教育学研究

教職課程マネジメント研究

大学における教職課程を経営・運営するために必要な事項を総合的に教授する。教職課程の目的と役割、教職課程を構成する法令の理解、教職課程カリキュラムの構造、大学における教員養成組織の設計―教職課程センター等と「教職指導」、教職課程専任教員の資質能力の向上策、地域と連携した魅力ある教職課程の設計など、教職課程に生じる具体的問題を内容とする。

高等教育制度・政策論研究

教職課程カリキュラムは、大学教育全体の重要な要素である。今日の高等教育制度は大きな変革の時を迎えており、教職課程はこの大きな改革の機運を教員養成に具体化していくために、今後大きな改革が必要である。教員養成と大学・高等教育制度・政策全体との関係に焦点をあてながら、現在の高等教育制度・政策の特徴と大学の変容について考察する。

教員養成・研修制度研究

日本の教員養成・研修制度の理解は、教師教育学の基本である。大学等における教員養成と現職の研修とが、いかなる制度によって行われているのか、教育養成・研修行政に関する法制と中央・地方教育行政の具体的な施策と事例、学校経営における教員の力量向上のための研修にも触れながら、教員の養成と研修の今後の方向について明らかにしたい。

教員養成評価研究

大学における教員養成の質的な向上を果たすには、行われた教員養成の事実を評価し、次への見通しを得る必要がある。これを教員養成評価という新たな方法によって行う機運が高まっている。従来の教職課程認定制度に対して、教員養成の過程と結果を評価することで教員養成の質的な向上を結果しようとするものである。諸外国の先行事例を踏まえ、今後の制度設計と運営について、大学の役割に焦点をあてながら考察する。

学校と教育委員会

大学等における教員の養成によって、学校教育を担う教員が誕生する。その教員が勤務する学校サイドからみた、また公立学校教員の教育活動の向上について責任を果たそうとする教育委員会からみた教員養成・研修の課題を中心に、大学と教育委員会との一体的な教員の養成と研修のあり方について、具体的にさまざまな事例研究を織り交ぜながら考察を行うことにする。

教師教育教授法研究(教育の基礎理論系)

大学における教職課程カリキュラムに関する教授法を研究する。教育職員免許法に規定される「教職の科目」を対象として、科目の目的、教授の内容(講義の概要と到達目標)、教授の実際と方法の改善、評価と学生指導のあり方について、具体的な事例を交えて、今後に教職課程担当者となる立場を前提に研究を行うものである。本科目では、教職入門、教育原理、教育制度等、教育の基礎理論に属する領域を扱う。

教師教育教授法研究(国語)

大学における教職課程カリキュラムに関する教授法を研究する。教育職員免許法に規定される「教職の科目」を対象として、科目の目的、教授の内容(講義の概要と到達目標)、教授の実際と方法の改善、評価と学生指導のあり方について、具体的な事例を交えて、今後に教職課程担当者となる立場を前提に研究を行うものである。本科目では、国語科教授法の領域を扱う。

教師教育教授法研究(社会)

大学における教職課程カリキュラムに関する教授法を研究する。教育職員免許法に規定される「教職の科目」を対象として、科目の目的、教授の内容(講義の概要と到達目標)、教授の実際と方法の改善、評価と学生指導のあり方について、具体的な事例を交えて、今後に教職課程担当者となる立場を前提に研究を行うものである。本科目では、社会科・地歴科・公民科教授法の領域を扱う。

教師教育教授法研究(算数)

大学における教職課程カリキュラムに関する教授法を研究する。教育職員免許法に規定される「教職の科目」を対象として、科目の目的、教授の内容(講義の概要と到達目標)、教授の実際と方法の改善、評価と学生指導のあり方について、具体的な事例を交えて、今後に教職課程担当者となる立場を前提に研究を行うものである。本科目では、算数科・数学科教授法の領域を扱う。

教師教育教授法研究(理科)

大学における教職課程カリキュラムに関する教授法を研究する。教育職員免許法に規定される「教職の科目」を対象として、科目の目的、教授の内容(講義の概要と到達目標)、教授の実際と方法の改善、評価と学生指導のあり方について、具体的な事例を交えて、今後に教職課程担当者となる立場を前提に研究を行うものである。本科目では、理科教授法の領域を扱う。

教師教育教授法研究(道徳)

大学における教職課程カリキュラムに関する教授法を研究する。教育職員免許法に規定される「教職の科目」を対象として、科目の目的、教授の内容(講義の概要と到達目標)、教授の実際と方法の改善、評価と学生指導のあり方について、具体的な事例を交えて、今後に教職課程担当者となる立場を前提に研究を行うものである。本科目では、道徳の教授法の領域を扱う。

教師教育教授法研究(英語・外国語活動)

大学における教職課程カリキュラムに関する教授法を研究する。教育職員免許法に規定される「教職の科目」を対象として、科目の目的、教授の内容(講義の概要と到達目標)、教授の実際と方法の改善、評価と学生指導のあり方について、具体的な事例を交えて、今後に教職課程担当者となる立場を前提に研究を行うものである。本科目では、英語科教授法及び小学校における外国語活動に関する教授法の領域を 扱う。

教師教育教授法研究(特別活動)

大学における教職課程カリキュラムに関する教授法を研究する。教育職員免許法に規定される「教職の科目」を対象として、科目の目的、教授の内容(講義の概要と到達目標)、教授の実際と方法の改善、評価と学生指導のあり方について、具体的な事例を交えて、今後に教職課程担当者となる立場を前提に研究を行うものである。本科目では、特別活動の教授法に関する領域を扱う。

教師教育教授法研究(生徒指導・カウンセリング系)

大学における教職課程カリキュラムに関する教授法を研究する。教育職員免許法に規定される「教職の科目」を対象として、科目の目的、教授の内容(講義の概要と到達目標)、教授の実際と方法の改善、評価と学生指導のあり方について、具体的な事例を交えて、今後に教職課程担当者となる立場を前提に研究を行うものである。本科目では、生徒指導、進路指導、カウンセリングに関する教授法の領域を扱う。

教師教育教授法研究(教育実習・教職実践演習系)

大学における教職課程カリキュラムに関する教授法を研究する。教育職員免許法に規定される「教職の科目」を対象として、科目の目的、教授の内容(講義の概要と到達目標)、教授の実際と方法の改善、評価と学生指導のあり方について、具体的な事例を交えて、今後に教職課程担当者となる立場を前提に研究を行うものである。本科目では、教育実習(事前事後指導を含む)、教職実践演習の教授法に関する領域を扱う。

乳幼児教育研究

幼児教育研究

本授業では、「幼児教育」とは何か、その変化する時代の中でその本質を問うことを目的とする。特に、現代社会においては、子育て環境も劇的に変わる中で、幼児教育の在り方が制度的にも見直されようとしている。そうした中で、幼児教育実践の「質」とは何かを探究することを中心的なテーマとして位置付けたい。具体的には、倉橋惣三の誘導保育論、レッジョエミリアの保育論、あるいは、OECDのstarting strongやアメリカのNICHD調査等の世界的な幼児教育の質的研究に着目し、授業を行う。単なる講義ではなく、受講者による発表、討議をもとに進めていく。

幼児音楽研究

教育の根幹となる乳幼児期における音楽教育のあり方をさぐる。現在、音楽は「表現」という領域に統合されているが、「表現」という領域は指導にマニュアルが作りにくく、かつ保育者自身が様々な表現手段に触れる機会が少なかったことから、子どもたちの表現を感受する能力が不足しているように見受けられる。
この授業では音楽表現を中心に据え、実技を通して、まず自身の表現力を高めることを学ぶ。それに加えて、子どもたちの様々な表現に気づき、それを受け止め発展させていけるような指導方法を検討する。

幼児造形研究

アートやデザインは自己と他己、異なる価値観をもった集団、異なる領域をつなぐ媒体として、社会において新たな役割を担おうとしている。この変化に伴い、造形による教育も新たな役割や手法が求められている。また、デジタル技術の発展に伴う生活環境の変化は、デジタルを操作する人間の基盤的能力としてのアナログ感覚の重要性をますます高めている。本講では、幼児の生活環境の変化を踏まえ、造形による教育の視座からアナログ感覚の基盤を形成する幼児の造形表現活動と、義務教育および後の教育の基礎を培う造形表現教育について考察するとともに、考察を踏まえた造形教育教材の開発、造形教材の運用や指導などについて研究する。

幼児と人間関係

幼児期の人間関係の形成は人として育つために最も重要な課題である。その根幹となる母子・家族関係を基本とし、幼稚園・保育所・児童養護施設等における人間関係の形成や仲間と共に育つことの必要性を保育の世界は強く意識する必要がある。また、障がいのある子どもの育ちにとっても人間関係の形成は重要な課題である。本講では、障がいのある子どもを含む、人間関係の形成について実践的かつ理論的に学ぶ。実践の中で人間関係の育ちを実現するためには、保育者の資質や専門性が問われる。保育の現場で頻繁に起こるトラブルやいざこざ、葛藤が人間形成にどのような影響を与えるのか。具体的な場面考察と事例研究によって明らかにしたい。研究の手法としては、ビデオ分析や幼児理解と記録を活用し、考察する。

幼児と保健

豊かになったわが国では、子どもたちの健康に関する課題は、感染症から生活習慣病予防へと、あるいは身体的健康からこころの健康の保持増進へと移ってきている。そのような変遷をふまえながら、本講では、生涯の健康や人格の基盤が形成される幼児期における健康に焦点をあて、まず、幼児期の発育・発達の特徴や、罹患しやすい疾患や事故について基本的な理解を深める。さらに、親子関係や人間関係も含めた子どもたちを取り巻く養育環境が幼児の心身の健康に与える影響についても考えたい。これらのことをふまえ、現代の子どもたちのwell-beingの実現や健康問題の発生予防のためには家庭・保育現場・学校・社会はどのような対応をすべきかについて考察をすすめていきたい。

初等教育研究

初等教育研究

初等教育の研究の範囲は広く多岐にわたるが、本講では、まず初等教育における本質論、制度論、教育内容・方法論について概観する。その上で小学校教育の特質を踏まえ、教育課程ならびに学習指導等の領域を中心に講述する。
具体的には、教育改革の中での小学校教育の現状、新学習指導要領と小学校教育、学力向上と小学校教育などのテーマを取り上げていく。さらに現在の小学校教育をめぐるさまざまな課題についても、理論と実践の両面から考察することとしたい。

小学校授業研究

主に生活科と社会科を取り上げ、デューイの教育思想にも学びつつ、思考と表現、習得と活用をキーワードにした今日的な小学校授業の課題について考える。日本における授業研究の歩みを振り返ったり、名人と呼ばれる授業者による代表的な授業を事例に授業の成立条件に関して考察したりする。
また、言語力を育むためにどのような授業が望まれるか、知識と技能の習得や探究的な学びを支える諸条件についても様々な角度から考察したい。

コンピュータと教育

本講では,情報化が教育内容や教育方法,学びの在り方や教員の指導力に及ぼす影響について学ぶ。主として3つの概念で学習を進めていく。第1に教育方法の改善としてのICT活用である。第2に高度情報社会を見越した能力開発としての情報教育である。第3に情報化による業務の標準化や改善などの観点で捉えられる校務の情報化である。本講では,政策の動向や学校現場の実態を克明に紹介しつつ,受講者による発表・討論によって深い理解と行動の変容を目指して進めていく。

カウンセリング研究

現代の教育現場では、教育相談に代表されるように、対人関係にまつわる問題が増加している。この授業は、カウンセリングの基礎が身につき、心理学的な視点を持ちながら人とかかわることができるようになることを目的とする。そのために、ロールプレイを実施し、具体的なやりとりを試みる。日常生活のコミュニケーションに容易に取り入れることができる交流分析についても学習し、コミュニケーションパターンや関係性について考える。さらに、カウンセリングの視点を持ちながら、子どもや保護者の話に耳を傾け、本当に伝えたいことは何かを見極めることができるようになるために、事例検討を行う。事例は、子ども、保護者、教員、臨床心理士など複数の視点から考察し、マニュアル的な解決ではなく、問題を解決することができる力を養う。さらに、心理検査やコラージュ療法を体験することにより、自分自身についての理解を深めることも同時に行う。

特別支援教育研究

現在の学校教育の大きな課題の一つである特別支援教育について、その対象となる高機能広汎性発達障害児やLD児、ADHD児等を含めた指導の難しい児童生徒の理解ならびに指導の方法、さらにはそうした児童生徒の在籍する学級、学校の運営について、ミラーニューロンやワーキングメモリー等最新の知見も含め、主として自閉症の障害特性などから考える。加えて、いわゆる軽度の発達障害児と同様な行動をとる「母子関係の悪い」子どもの指導についても考える。

学校運営研究

学校法人会計

わが国における学校財政の構造や基本的な枠組みおよび学校法人会計の基準・会計の原則等について概観し、現状や課題について考察する。
学校財政の構造や基本的な枠組みについて説明できる。また、学校法人会計の基準や原則、決算書の読み取り方や財務分析の方法についても理解し、説明できるようになることを目的とする。

学校組織マネジメント

学校は組織である。組織とは、「一定の共通目標を達成するために、成員間の役割や機能が分化・統合されている集団」をいう。組織を成立させるためには、「相互に意思を伝達できる人がいること(コミュニケーション)」「それらの人々が行為を貢献しようとする意欲を持っていること(貢献意欲・協働意欲)」「共通目標の達成をめざしていること(共通目標)」といった要素が必要であるである。組織が成立することにより、個々人の力の総和を超えた力、すなわち「組織力」が生み出される。今、学校に求められるのが、この「組織力」である。本講座では、「学校組織マネジメント」を、「学校の有している能力・資源を開発・活用し、学校に関与する人たちのニーズに適応させながら、学校のミッション(存在価値)を達成していく過程(活動)」ととらえ、各学校がいかにそれぞれの特色を生かしながらいかに組織力の強い学校運営組織を形成し、効果的な学校経営を展開していくかということについて必要な知識を修得し、さらに新たな学校運営組織プランなどを考える講座としたい。

学校リスクマネジメント

いじめ、校内暴力、教職員の不祥事など学校危機管理の様々な課題を見据えながら、今日的に重要度を増している個人情報保護や教職員が理解すべき著作権法、学校への不審者侵入や通学路における犯罪防止、自然災害への安全管理と防災教育などに関しても事例を通して考察する。
学校の内と外の両面においていかにリスクを減らして学校運営に当たっていくべきか、教職員や学校管理者が認知しておくべき課題は何か、具体的な防犯や防災の教材開発や指導法も絡めた学校と地域、関係機関の連携方法についても論じたい。

学校教育調査(IR)

インスティテューショナル・リサーチ(IR=Institutional Research)におけるデータ収集と分析の方法について学ぶ。IRの必要性が叫ばれるようになったのは、近年、教育機関の認証評価への対応が求められていることと無関係ではない。同時に、各教育機関は教育の成果について具体的に説明することも求められている。一方、IRによって得られる情報は学校経営の改善や安定運営に欠かせないものでもある。ここでは、21世紀の教育課題がこうした質的再編であることをふまえ、学校教職員に最も望まれる能力とされる「データを収集し、分析する能力(全国大学事務職員調査2010)」を身につけることを目標とする。

関連研究

中等教育研究

中等教育研究の範囲は広く多岐にわたる。中等教育の特質をふまえながら、受講者の関心の対象となっているさまざまな学校種に対応させつつ、教育課程ならびに学習指導等の具体的な事例を中心に検討する。中等教育に対応するそれぞれの学校におけるカリキュラム、授業の構成、学習指導の実際を、制度や学習指導要領との対応や教科書のあり方などとの関連を考えながら検討し、新たな中等教育のあり方をカリキュラムと学習指導の両面から検討するという形で進める。

高等教育研究

日本の高度成長期に大学は社会の「人的資本」需要に応える供給機関として重要な機能を果たしながら拡大してきた。その後の大学数の増加と少子化によって、日本の大学のユニバーサル化は促進される一方、多くの大学が入学定員割れを起こすことにもなった。特に、私立大学は「私高公低」とまで云われたが、Social upward mobilityを保証するものであった。しかし、日本経済の縮小もあって、昨今の大学卒業は就職すら保証できなくなってきてしまっている。
本講義では、上記の大学をとりまくきびしい状況を踏まえ、「大学の機能」「大学の新しい役割」「大学の品質」「大学にとっての顧客」「On Demand Education」「一年次教育」「学力低下」「大学教育費の内部返還率」といったことを中心に、私立大学の今後について考えていく。果たしてこれからの時代において大学には「投資」的性格があるのか、それとも「消費」の対象となるのかを探る。

全人教育研究

小原國芳の提唱した「全人教育論」の特徴を探る。小原はなぜ全人教育論を唱えたのか、それは如何なる人間観・教育観に由来するのか、如何なる価値体系に基くのか、その理論は実践とどのように融合して来たのか、そして全人教育論は、西洋及び日本の教育の流れの中にどのように影響を与えてきたのか、また、今日これからの教育にどのような意義を持つのか。 小原國芳の「全人教育論」の理論と実践を総合的・全体的に理解するには、小原が玉川学園を創立するに当たって目標とした「教育12信条」の体系的・構造的把握が欠かせないと考える。この12信条の一つひとつの有す意味とそれらの関係を考察することに重点を置くことを通して、k-16における「全人教育」の実現の在り方について考え合いたい。

脳科学と教育

教育は高度に心理的な技能である。しかし一方で脳科学の極点からの情報的解釈では、脳における高度の学習過程を誘導する、高度のインタラクションとも言える。心理的な世界と脳の世界のあいだにはまだ溝があるが、最近の脳関連の諸科学はそれを埋める大きな進歩を遂げている。その成果は、多様な学習の場面での特性と、その障害により発生する現象の深い理解につながりつつある。本講義は、教育と学習にかかわる最近の脳科学の知見とその限界を紹介し、実際の教育現場における方法につなぐ努力について議論する。

特別支援教育実践研究

この授業は、現在大きな関心を持たれ、また、現場での対応が急がれている特別支援教育をとりあげる。具体的には、LD、ADHD、アスペルガー、高機能自閉症などをもつ児童、学生の理解や対応を考えるものである。ただ、「実践研究」を標榜する本授業では、担当者自身の経験をふまえ、一般論論ではなく、具体的な事例を積極的に取りあげるとともに、実践的な手法に目を向け、受講生の経験なども反映させながら進めていく。受講生は自身の見聞を担当者とともに検討する姿勢を期待する。

大学経営研究

大学はどういった組織運営構造のもとで経営されているのか、どういった課題等を抱えながら、それらに対してどのような取り組みを行っているのか、といったことについて、大学経営全般に関する知識に加え、より実態に即した事例等を用いて考察していく。

教員養成海外制度研究

教員養成に関する世界各国の制度を比較研究しながら、日本の教員養成制度の特徴を明らかにする。これによって、我が国における教職課程カリキュラム、教員養成評価、現職の研修、免許の更新等の今後のあり方について、有効な視点を形成したい。また外国の教員養成の課題は何か、教職課程はどのように運営されているのか、担当者の意識はどうか、についても明らかにする。

高等教育史研究

日本の高等教育は戦前と戦後では大きく姿を変え、戦後多くの大学改革が行われてきた。1990年以降、ユニバーサル化が進行する中、再び大学改革が盛んに行われるようになった。このような現在の改革を俯瞰し、分析する際に重要なのは、歴史的な視点である。この科目では、歴史上の事象を理解し、その意味や影響、現代的意義を考察する。教員養成をはじめ、現代の高等教育の課題を歴史的視点から捉え直すことを試みる。

大学教員資格研究

大学教員の資格とは何か。大学院専修免許課程の拡充が課題となる今日、教職課程担当教員の学位、業績、研究力量が問われる状況にある。大学教員全体の資格をもとにしながら、今後の教職課程担当者のキャリア形成の課題を明らかにしたい。

特別演習

教育学特別演習Ⅰ
教育学特別演習Ⅱ
教育学特別演習Ⅲ

「教育学演習」Ⅰ、Ⅱ、Ⅲは、教育学研究の基礎となる方法論を学ぶことを目的としている。それぞれの研究領域によってその進め方や方法論が異なるので、受講者は自身の研究テーマに即した演習を選択し、各学期当初に担当者とともにコースの進め方、文献の選択などを打ち合わせることとなる。担当者は基本的に修士論文指導も兼ねる。基本的にⅠからⅢまでは同一の担当者がこれを行う。修士課程での研究生活の中心となる科目である。

課題研究演習Ⅰ
課題研究演習Ⅱ

本演習Ⅰ、Ⅱは、学校運営研究コース受講者を対象とする演習であり、そのテーマは学校運営に関するものに限定されるので、それ以外のテーマを選択する場合には、「教育学特別演習」を選択しなければならない。受講者は自身の研究テーマを明確にし、各学期当初に担当者とともに研究の進め方、文献の選択などを打ち合わせることとなる。担当者は基本的に課題研究指導も兼ね、Ⅰ、Ⅱとも同一の担当者がこれを行う。