幼・保・小連携のこれから

2013.07.05

私が幼保小の連携に具体的に関わりを持ったのが、平成7年に当時の横浜市教育委員会幼児教育センターから出された「幼・保・小教育連携推進実践資料集」の作成の委員になった時からです。今から20年位前から熱心にこの課題に取り組んできた横浜市では、地域連携だけでなく、幼・保・小の考え方や指導の相違を各分野の教員が集結して、議論を交わしながらこの問題に取り組んできました。

その後数回に渡って資料集が提示され、昨年度その集大成として「~横浜版 接続期カリキュラム~  育ちと学びをつなぐ」が横浜市子ども青少年局から出版されました。その特徴としては、接続期に子どもの育ちを大切につなげるための具体的な取り組みとして、アプローチカリキュラムとスタートカリキュラムが提示されています。その具体的な実践の取り組みは、双方の教育システムや具体的な内容を知らない教員にとっては刺激的かつ参考になる内容です。

小1プロブレム対策ではなく、学びをつなぐ必要性から書かれた本書は、実践にかかわる教師や保育士だけでなく、研究者にとっても大きな示唆を与えてくれるのではないかと感じます。連携に関する実践の中では、多少形骸化した側面があることも否めませんが、幼児期からの育ちを丁寧に理解して下さる先生方が現場で少しでも増えることを期待して、皆様に報告します。(編集・発行 横浜市子ども青少年局 子育て支援課幼保小連携担当)  

(教授 若月芳浩)