谷先生:授業力向上のABCVol.1:授業技量を上達させる方法とは?

2011.11.07
谷 和樹

授業技量を上達させる方法は二つあります。

一 技術を身につける
二 技能を身につける

まず「技術」を身につけるために必須の条件は、次の二つです。
(1)技術を学ぶための「フォーマット」を覚えること。
(2)それぞの技術の「ポイント」をつかむこと。

フォーマットの基本は「発問と指示」です。
発問と指示を明示することで「技術の伝え方」のルールが明確になります。
ポイントとは、教材で子供が熱中する芯を見抜くための「ものさし」です。
これらの勉強で初歩の段階を抜け出るためには、次の二つが必要です。

(1)優れた技術・技能を記述した本を繰り返し読む。
(2)実際の模擬授業等を学べる大学の講座、研究会、セミナー等にできるだけ多く参加する。

その気になって十年くらい必死に勉強すれば、技術は独学でもある程度は身につくでしょう。
しかし、「技能」は独学では難しいです。
技能を身につけるために必須の条件は、次の二つです。

(1)緊張感のある場面での授業、または模擬授業を数多く経験すること。
(2)自分より授業がうまい指導者にその場で指導され代案を示されること。

「緊張感」のある場面とは、例えばたくさんの先生が見ている研究授業です。
あるいは尊敬する先生が見ている前での模擬授業です。
いずれも自分より授業のうまい人がその場で「代案」を演じてくれる必要があります。

上達の法則は甘くはありません。
しかし、きちんと法則に沿って努力すれば、誰でも、必ず上達します。