谷先生:教えて褒めることを通して自己肯定感のあがる授業をVol.4:地図の見方に男性脳と女性脳がある?

2015.06.18

社会科で「地図の概念」は大切な指導の一つです。
地図指導は3年生の最初から始まります。
最初は感覚的な絵地図の段階。次に少し視点を上にした鳥瞰図。自分で「犬小屋」や「お花」のマークをつくる段階から地図記号へ。八方位や等高線の指導など、順を追って系統的に指導します。

ところで、地図については以前『話を聞かない男、地図が読めない女』などが話題を読んだこともあって、男性と女性とでその見方が違うことが指摘されています。
科学的なエビデンスがあるかどうかは別として、地図指導に携わる社会科教師としては興味深いテーマです。
男性と女性とで、地図に対する見方の違いはあるのでしょうか。
男性的な地図の見方と女性的な地図の見方、というのはどうやらあるようです。

男性は「ルート」で地図を見る。
女性は「ポイント」で地図を見る。

誰かに道案内をする場面を考えてみましょう。

1 男性は「ルート」で地図を見る。
「ルート」というのは方角と絶対距離で表す道順のことです。
男性の場合、次のような言い方をすることが多いのです。
「駅を出てすぐ前の通りを南に100mくらい下がって下さい。突き当たりに大きな建物が見えてきます。その建物の東側に・・・・」
したがって、男性は地図を北向きのまま読みます。方角と距離を空間的に認識しているからです。

2 女性は「ポイント」で地図を見る。
「ポイント」というのは五感でその場所を記憶している目印のことです。
女性の場合、次のような言い方をすることが多いのです。
「駅を出るとすぐおしゃれな感じの並木通りがあります。通りに沿って歩くと赤いとんがり屋根のお家があります・・・・」
したがって、女性は歩きながら地図を回転させます。自分が感覚しやすいように地図を見ているからです。

男性は空間認識を「システム化」しており、女性はそれを「共感」しているのだと表現する学者もいるようです。
あるいは、男性は「狩猟」の、女性は「子育て」のDNAがあるからだという説もあります。
最近ではカーナビが発達してきたこともあって、男性にも女性的な地図の見方をする人が増えているともいいますが、いずれもさだかではありません。