古川先生Vol.4:スズメの学校から メダカの学校へ?!

2015.06.18

学校の教育活動には、子どもの中にある思いや願い、可能性などを「引き出す」という学習形態と、これまで先人が培ってきた文化や財産、考えなどを「注入する・理解させる」側面があると思います。大学院で教科指導の講座でこのような話をすると、「教育って、よくものごとを知っている先生が、知らない子どもたちに教えるのが授業ではないですか?」という答えがよく返ってきます。
「スズメの学校」の歌詞を知っていますね。

♪ちいちいぱっぱ ちいぱっぱ スズメの学校の先生は むちをふりふり ちぃぱっぱ
ちいちいぱっぱ ちいぱっぱ
生徒のスズメは わになって お口をそろえて ちいぱっぱ
ちいちいぱっぱ ちいぱっぱ
まだまだいけない ちいぱっぱ  もう一度一緒に ちいちいぱっぱ ちいぱっぱ ♪

この歌詞をよく見ると、黒板を先生が背にして、教科書とノートを机の上に広げ、子どもたちに同じ課題を投げかけ、求められる内容や技術を身につけるようにしたり、同じ答えを出す学習を進める情景が浮かびます。さらに、子どもたちが、わからなかったり、理解できないと、何度でも繰り返して覚えるまで繰り返し進めるようにも感じます。勿論、このような学習形態も時には必要であり、求められることもあります。

一方、「メダカの学校」の歌詞を見ると

♪メダカの学校は 川の中 そーっとのぞいて 見てごらん そーっとのぞいて 見てごらん みんなで お遊戯しているよ
メダカの学校の メダカたち だーれが生徒か先生か だーれが生徒か先生か
みんなで 元気にあそんでる
メダカの学校は うれしそう 水ながれて すーいすい 水にながれて すーいすい
みんながそろって すーいすい♪

学校は、川という地域の中の学校です。みんなで、楽しそうに一緒になってお遊戯という勉強をしています。そして、教えるのは、先生であり友だちであり仲間です。そこにいる子どもたちは、明るく元気に活動している子どもたちです。先生は、時には地域の人が先生かも知れません。教材も、地域にある教材かも知れません。教室は、学校であり、地域のどこか学習にふさわしい場所かも知れません。
今の学習が、教え込み中心の学習になっていませんか。子どもたちの自主性や主体性を大切にした学習を、もう少し考えて進めてみてはどうでしょう。今の子どもたちは、友だちや周りの人たちに自分がどう思われているかを必要以上に気遣うようになっていませんか。これからの学習で、自分たちの手で決まりやルールを作り出し、よりよい仲間作りに取り組み、力強く生き抜くたくましさを子どもたちに身につけさせていきたいものです。