「自尊感情を高める道徳指導」講演に同席しました

2012.09.10

平成24年9月8日(土)、大田区立東蒲中学校にて道徳授業地区公開講座が開催されました。5校時に授業公開が行われ、その後、体育館において玉川大学教育学研究科長の長野正教授による講演会が開催されました。
「今のあなた自身はお好きですか?」会場にいらっしゃる保護者・地域・教職員の皆様に対する長野先生の問い掛けから講演会はスタートしました。
長野先生のお言葉一つ一つに生きるためのヒントがたくさんこめられた講演内容でした。
まず、自尊感情という言葉を耳にするけれども、そもそも自尊感情とは何か?その疑問に対し、長野先生は、自尊感情と自己肯定感の言葉の違いや、自尊感情の研究の歴史など自尊感情に関する理論的な部分についての説明が行われました。
次に、国内外を問わず多くの研究者が作り上げた「自尊感情チェックリスト」についての話題に入りました。
長野先生からは、「まず自分のお子さんのことを思い浮かべてチェックリストをおこなってみてください。そして、ご自宅に戻られましたら、お子さんにもこのチェックリストをおこなってみてください。子ども自身が考える自分と、親が思っている子ども像との違いをみつけてみてください。」と会場の保護者の皆様に対して投げかけられました。
続けて「今日、帰宅をされたら、あなたが生まれてきてよかったよ。あなたは私にとってかけがえのよと伝えてあげてください。子ども自身が守られているんだ。愛されているんだと感じられるように、子供自身の存在を認めてあげてください。」というメッセージが投げかけられました。
人は、つい誰かと比べたがります。でも誰かを見下すことで自分を高めるのは自尊感情が高いとは言えません。
そのことに対し長野先生は「他者と比べる発言(お兄ちゃんとくらべてあなたはだめね。)やその時の一時的な子供の言動に対する発言(あなたはいつもそうなんだからだめ)」は自尊感情が低くなることを言及されました。
そして、「子ども自身の願望が達成された時に、この点がこうだからすごいね。と事実に基づいて褒めてください。」と保護者の皆様だけでなく教職員の皆様に向けても自尊感情を高めるための方法をお話してくださりました。
”前向きな言葉かけの大切さ””成功体験をさせることの大切さ””大人自身の自尊感情の大切さ”など多くのメッセージを送ってくださった今回の講演会。
教職大学院の秋学期からスタートする長野先生の「道徳授業の研究と実践」の授業が楽しみです。
末筆ながら、道徳授業地区公開講座後に東蒲中学校の校長先生、副校長先生の生徒や教職員に対する温かいお言葉に感動いたしました。また、ご丁寧な対応に深く感謝申し上げます。

(現職院生・U.S.)