「学級経営の実践と課題」の講義の様子

2011.10.25

月曜日に「学級経営の実践と課題」という講義があります。担当は、教職大学院の澤田妙子准教授と、谷和樹准教授です。学級経営の目的、内容、方法を理論的に整理し、学級経営上必要な実務について、具体的な事例を通して学びます。
カリキュラムの日程変更で、10月22日(土)、24日(月)、25日(火)と3日間連続して、谷准教授の講義がありました。大変印象深い講義でした。軽度発達障害の児童の実例をもとに、どういった声かけをしていけばいいか、保護者とどのような連携をとっていいかを検討しました。
教職大学院では、阿久澤教授による「特別支援教育への対応と方法」という講義もあります。この講義では、支援を要する児童の特徴を捉えた上で、一人一人の教育ニーズに応じた適切な教育方法を構築する狙いがあり、特別支援教育の基礎を学びます。「学級経営の実践と課題」では、具体的に学級に軽度発達障害の児童がいることを想定して検討しています。
谷准教授の講義では、軽度発達障害をもつ児童の映像とその児童に対する教員の対応を見せていただきました。教員が、軽度発達障害をもつ児童に対しての特徴や対応がよくわかっていない場合に、普通の児童と同じように対応をしがちになります。しかし、教員の声かけ一つで、軽度発達障害をもつ児童の行動はかわってくるのだということを実感しました。
例えば、こういう児童がいます。「教科書の25ページをあけて、その3番をやりなさい。」と指示を出した直後、「先生、何をやるの?」と聞く児童です。この児童にやさしくもう一度同じことを言っても、やはり同じ答えがかえってきます。これは、指示を2つ以上同時に出しているために、ワーキングメモリーがいっぱいになってしまうのです。1つ1つ指示を出さなくてはいけません。「教科書を出しなさい。」「出せましたか?」「25ページを開けなさい。」「となりと確認しなさい。」「3番を指でおさえなさい。「となりと確認しなさい。」というようにです。
現在、支援を要する児童は、増え続けています。谷准教授は、「学級経営において、軽度発達障害をもつ児童への対応は欠かせなくなりました。」とおっしゃいます。毎回、具体的な事例をもとに検証することができ、大変勉強になりました。

(現職院生・T.G.)