世田谷区小教研国語部の研究授業を参観しました

2011.10.07

10月5日(水)、井出一雄准教授が講師をされている世田谷区小教研国語部の研究授業を参観させていただきました。
2年生の児童に文学教材『きつねのおきゃくさま』を教える授業でした。本時の目標は、きつねの気持ちの変化を読み取ることでした。指導方法は本文が書かれたワークシートと心情バロメーターを使って丁寧に気持ちの変化を追わせていました。
授業後の協議会で井出准教授は以下のことについてご指導くださいました。

  1. 心情の変化を読み取ることは、3・4年生で重点的に指導する事項である。
  2. 交流するためには、話し合う時に児童相互が評価し合う観点が必要である。また、評価し合った後に自分の意見を振り返ることで学びが深まる。
  3. 初発の感想にはおおむね(1)共感(2)内省(3)批正の観点が出され、(1)共感の意見がその後の学習のめあてに発展する。
  4. 民話風の物語では、繰り返しのストーリー展開に児童は惹きつけられる。その面白さを味わえる学習展開にするべきである。平成元年度版学習指導要領で物語の詳細な読解は行わないとされている。物語を場面ごとに区切ってしまうとストーリーの面白さが分からなくなってしまう。
  5. 読みの活動がサイドラインを引いたところに書き込みをし、それを発表して吹き出しにまとめるという画一的なパターンにならないようにする。1時間ごとに違う読む力が蓄積されていくような指導計画が望ましい。
  6. 想像するとは、児童一人ひとりの個人の経験に基づき、体験を言語化すること⇒体験(間接体験も含む)を豊かにするとよい
  7. (1)読み聞かせ(耳)(2)音読(口)(3)黙読(目)をすることで物語のほとんどを読み取ることができる。
  8. 児童の読み方を観点別に分類して、それを学級の中で普遍化、一般化することが大切である。

私も学校課題研究で文学的な文章の指導の工夫をテーマに取り組んでおり、今回の協議会のお話は大変勉強になりました。基礎基本の読む力をしっかりと習得させながら、様々な読む力が蓄積される指導案を立てるのは簡単ではありません。私も悪戦苦闘中です。しかし、自分の力で立てることができるまで頑張りたいと思います。今回ご指導いただいた井出准教授並びに突然のアンケートの依頼にも快く了承していただいた世田谷区の国語部の皆様、本当にありがとうございました。


(現職院生・I.S.)