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天皇皇后両陛下が本学を公式訪問

2016.10.26

『ジョン・グールドの鳥類図譜』のご見学と、植物工場研究施設のご視察

1.大雪の中の行幸啓

天皇皇后両陛下は2013(平成25)年1月14日、玉川大学教育博物館の企画展「石に描かれた鳥たち-ジョン・グールドの鳥類図譜」のご見学と、Future Sci Tech Lab内の植物工場研究施設をご視察されるために、雪降る中、本学をご訪問くださいました。

中学年校舎の玄関で、本学の小原芳明学長が両陛下をお出迎えし、教育博物館にご案内しました。教育博物館内では、主幹学芸員の柿﨑博孝教授が、ジョン・グールドの鳥類図譜について説明。両陛下は熱心にアジア・イギリス・ニューギニア及びパプア諸島の鳥類図譜をご見学され、案内役を務められた黒田清子同館外来研究員に、鳥類図譜の描画法や鳥の生息状況についてご質問されていました。なお、黒田清子研究員は当博物館で『ジョン・グールドの鳥類図譜』の研究を行っています。

ガラスケースの中に展示されていた「アジア鳥類図譜」「イギリス鳥類図譜」「石版画の制作工程」「ニューギニア及びパプア諸島鳥類図譜」「ハチドリ科鳥類図譜」をご見学後、実際に鳥類図譜の実物を両陛下にご覧いただきました。

今回の展示について天皇陛下は、外国訪問された際にご覧になった鳥の印象をお話になられたり、オオウミガラスをはじめ絶滅した鳥にもご関心を寄せられていました。また、ハチドリ科鳥類図譜では、黒田清子研究員の解説を聞きながら、光輝く羽の色彩を再現するためにグールドが考案した金箔貼り着彩の鳥を、両陛下は何度も角度を変えてご鑑賞されていました。

各図譜をご見学の後、両陛下は館内の本学園創立者小原國芳に関する展示もご覧になり、小原芳明学長による創立期の様子や「一画多い夢」のお話に耳を傾けられました。

次に、両陛下は植物工場研究施設(Future Sci Tech Lab内)をご視察になられました。この研究施設では、農学部の渡邊博之教授が、LEDを光源とした未来型農業技術の研究と、仮想宇宙空間で作物栽培実験を行っている宇宙農場ラボにおける研究、さらに西松建設(株)との連携による野菜生産事業「LED農園」についてご説明いたしました。水耕栽培システムの仕組みや薬草栽培に関する天皇陛下からのご質問について渡邊教授は、水耕栽培とLED光源を組み合わせることにより、効率的で機能性の高い作物生産が可能であることをご説明いたしました。皇后陛下からは、カモミールなどハーブ類のLED栽培についてご質問があり、渡邊教授はハーブ類の香り成分に対してもLEDの照射波長が大きく影響することをご説明いたしました。ご視察後、両陛下から「特に東日本大震災の被災地の農業復興に、これらの研究成果をぜひ役立ててください。」とのお言葉を賜りました。

2.秋篠宮殿下、同妃殿下も玉川大学をご訪問

秋篠宮殿下、同妃殿下は、2013(平成25)年1月22日、本学教育博物館企画展「石に描かれた鳥たち―ジョン・グールドの鳥類図譜」のご見学のため、玉川大学へお成りになりました。皇室の方々の同企画展のご見学は、約1週間前になる1月14日の天皇皇后両陛下の行幸啓に続き、2度目となりました。

小原芳明学長は両殿下を教育博物館玄関でお迎えした後、同企画展をご案内いたしました。館内では、主幹学芸員の柿﨑博孝教授が、ジョン・グールドの鳥類図譜についてご説明いたしました。

両殿下はアジア鳥類図譜、イギリス鳥類図譜、ニューギニア及びパプア諸島鳥類図譜、ハチドリ科鳥類図譜を中心に、図譜の制作工程コーナーから鳥類の標本やパネル展示のコーナーまで、時間をかけてご見学されました。

秋篠宮殿下は、山階鳥類研究所の総裁も務められており、またご自身も鳥類についての研究をされていることから、鳥類について造詣が深く、本の中の鳥の図版やパネル展示された図版を熱心にご覧になっていました。また、ニューギニアやハチドリ科の図譜のコーナーでは、描かれている背景や植物にもご関心を寄せられ、案内役を務められた黒田清子同館外来研究員から、グールドの描写方法や題材の情報源についてのご説明をお聞きになられました。

紀子妃殿下は、図譜に描かれた鳥の生態について興味深くご覧になり、イギリス鳥類図譜のカッコウの図の前では、卵の世話を他の鳥に託する托卵(たくらん)という習性を、殿下とともに黒田研究員から詳しいご説明を受けられていました。両殿下は、ケース内に展示されたさまざまな鳥の図版を詳細に観察され、またお話を楽しみながらご覧になりました。

最後に、両殿下は館内の本学園創立者の小原國芳や玉川学園に関する展示もご覧になり、小原國芳の書いた「一画多い夢」という字の意味、全人教育、そして新教育運動や八大教育主張について、小原学長の説明に耳を傾けられました。

参考文献

  • 『全人』770号(2013年3月号) 玉川大学出版部 2013年

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