玉川学園 玉川大学 2012
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Tamagawa Academy & Tamagawa University 201224科学するTAMAGAWAK-12 理科教育ワンキャンパスで中・高・大の理科教育を実施全学共通さまざまな体験を通して健全な心を育む「tap」近年、理科離れは深刻な社会問題になっていますが、現代社会を生きる子供たちの、論理的な思考能力と理科への関心を育てるために、玉川学園の新しい理科教育が始まっています。10・11年生の「SSHリサーチ科学」という科目では、「化学」「生物」「量子」「数理」「物理」から生徒それぞれが興味のある分野を選んで、自由なテーマで研究に取り組みます。この授業の狙いは論理的な思考方法を身に付けることです。「何を研究するか」から始まり、「どう実験するかの手順を考え」実際にやってみます。もし、うまくいかなかったら「どこがまずかったかを検証」し、研究成果は、科学コンテストや学会など公の場で発表し、次への意欲へつなぎます。本来、基本的な知識が十分でない高校生が研究をする必要はないかもしれません。しかし、それをあえて行うことで、生徒に論理的な考え方を身に付けさせるとともに、生徒の理科への関心を高めることができると考えるからです。こうした取り組みは、どの学校でもできるものではありません。生徒の関心に合わせた自由研究を実践するには、相応の設備や教員、研究実績が不可欠です。その点、玉川学園は、幼・小・中・高・大・研究所のすべてがあるため本格的な実験ができるメリットがあります。例えば、農学部の高度な分析装置を使った研究をしたり、工学部で最先端のロボット研究をしている教授に話を聞いたりすることが簡単にできます。こうした学園全体の連携は今後も発展的に続けていく方針です。現在、玉川学園が全学をあげて取り組んでいるのが「玉川アドベンチャープログラム(tap)」です。グループでさまざまな体験プログラムにチャレンジすることによって、子供たちの社会性や心の発達・成長を促進するのが目的です。tapの基盤になっているのは、アメリカの教育界で高い評価を得ている「プロジェクトアドベンチャー(PA)」という教育手法です。厳しい大自然の中でさまざまな活動に取り組むこと(アドベンチャー)には、人間の成長に欠かすことのできない多くの体験が含まれています。玉川学園では1997年に導入、2000年には日本の学校で初めてのアドベンチャー教育のための施設(ロープスコース)が完成。また、K-12と大学の教員が専門トレーナーによるPAのトレーニングを受けるなど、ハード・ソフト両面においてアドベンチャー教育を行う環境を整備し、tapとして展開を開始しました。玉川学園がアドベンチャー教育を導入した背景には「全人教育」という理念があり、アドベンチャー教育がめざす健全な心の育成と全人教育がめざすものは重なる部分が多いからです。tapで特徴的なのは、どのようなプログラムにも、まずはやってみて(体験)、そこで何が起こったのか考え(振り返り)、それはどういうことなのかを理解し(一般化)、体験を踏まえて次はどうするのか改めて考える(再試行)という学習サイクルがあり、そのプロセスの中から、実社会で応用できる人とのつき合い方、自分自身との向き合い方を学べることです。「全人教育」の理念を掲げ、人間が人間であるための「心の教育」をめざす玉川学園・玉川大学。 そこには、研究活動を通して新しい知を発見すること、物事を論理的に考える力や探究心を養うことも含まれています。 ここでは、「科学するTAMAGAWA」と題し、自然科学、人文科学、社会科学、その他の学際的な分野を含めた広い意味での科学を取り上げます。 また、創立以来行ってきた玉川教育を、科学的手法・科学的視野でクローズアップしていきます。こちらの内容は、ホームページ(www.tamagawa.jp)でご覧いただけます。

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