玉川学園総合パンフレット2014
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Tamagawa Academy & Tamagawa University 2014「国際教育」の理念に基づく英語教育で、 真の国際人材を育成するELFプログラム国際学力調査の結果と これからの日本で求められる「教師力」英語は世界の共通語と認識されていますが、世界で通用する英語はネイティブスピーカーの英語に合わせたものではありません。日常英語を使う人の約8割がネイティブスピーカーでないという調査結果もあるくらいです。ですから共通の母語を持たない人同士が英語でコミュニケーションをとる機会は当然多いと考えられます。創立以来、「国際教育」を教育信条に国際通用性を備えた人材を育成している玉川大学では、2012年度よりEFL(英語を母語としない人への英語教育)プログラムをスタート、2013年には、EFLプログラムを発展させLingua Franca(共通の母語を持たない人同士のコミュニケーションに使われる言語)の考えのもと、英語を使いこなすための科目群を強化し、名称を『ELF(English as a Lingua Franca)』と変更しました。『ELFプログラム』は、教養と専門の両科目の連動を図る『ユニバーシティ・スタンダード(US)科目』に位置づけられるものです。2012年度より、経営学部国際経営学科と観光学部、文学部比較文化学科の新入学生を対象にプログラムをスタート、2013年にはリベラルアーツ学部を加えると同時に、その他の学部でも選択科目として受講できるようになりました。ELFの特徴は、9の母語、11の国籍の専任・非常勤講師が指導にあたっていることです。教員採用に際し、ネイティブかどうかは問わず、英語を母語としない学習者に教えた経験を有するなど言語学習の有無を条件としたのは、これから学ぶ学生の気持ちや苦労に配慮したからです。OECD生徒の学習到達度調査とは、先進諸国が加盟するOECD(経済協力開発機構)が行っている15歳を対象とした国際学力調査です。読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野で、思考プロセスの修得、概念の理解等をさまざまな状況の中で活かす力を重視しています。日本についてみると、数学的リテラシーはかつてトップグループでしたが、一時は落ちかけ、また上がってきています。読解力についても2003年に平均の500点を切り、順位も8位から14位に下がって学力の低下が憂慮されましたが、2009年は520点、2012年は538点で近年は持ち直しています。科学的リテラシーは常にトップグループに入っていますが、これは全国一律の学習指導要領が高水準を維持していることが理由と考えられています。学力の低下は1998年に始まった「ゆとり教育」に起因していると言われていますが、ゆとり教育では主要教科において学習内容の変更や授業数の削減が行われ、学力の低下を招いたのではないかと危惧されていました。2008年の学習指導要領の改訂では、「ゆとり教育」で削減された授業時間の回復や学習内容の充実が図られ、基礎学力の向上を目指すものとなっています。今回の調査結果から、やはり基礎学力が重要であると同時に、活用する力もついてきたことがわかります。一方、これからの生徒を指導する教師には高いスキルが求められます。教師力の中心となるのは“授業力”。そこで重要となるのが(1)児童・生徒理解、(2)単元のポイントを見抜く、この2つの力です。玉川大学教育学部では、1・2年次に提携先の学校でのボランティアを単位化し、実際に子供たちと関わる機会を多く設けています。それが3年次の理論学修への理解につながり、蓄積されたスキルを4年次の教育実習で活かしていく、4年間にわたる理論と実践の往還により、学生は確かな授業力を身に付けていきます。2013年度から、4年制の大学では4年次に「教職実践演習」を修得することが求められています。これは、教師としての資質・能力があるか、教師に向いているかを判定する少人数授業です。教師に必要とされる資質・能力が足りているかどうかをチェックして、どのレベルなら免許状を与えるのかを大学が決めるため、まさに「社会にどんな教師を送りだすのか」、大学の真摯な姿勢が問われます。「教職実践演習」の修得は、学生の能力を高めることはもちろん、教職への意欲を新たにする意味でも望ましいことです。これを機に、玉川大学教育学部はさらなる質の高い教員養成を目指します。2013年5月掲載2014年1月掲載

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