学校法人 玉川学園 Puente 2013.06 vol.03
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26│Puenteたまがわ日本の食文化を考える No.5ヤマブドウでワイン作り── 植木啓司さんPart1玉川大学に入学して驚いたのは礼拝や讃美歌を歌い、12月にはベートーベンの第九シンフォニーも合唱したこと。「自分の描いていた大学イメージとまったく違いました」そう学生時代を振り返る。今回は岡山県の最北端に位置し、大山隠岐国立公園の中にある蒜山(ひるぜん)高原でヤマブドウ栽培とワイン醸造を手がける植木啓司(農学80)さんを訪ねました。蒜山高原は雄大な蒜山三座や大山(標高1731m)を背に、ジャージー牛がのんびり草をはむ牧歌的な雰囲気の高原です。関西から山陰への中継点に当たることもあり、年間260万人の観光客が訪れます。黒土を活かした高原野菜の栽培も盛んに行なわれ、気候は年間平均気温11.5℃、冬季の積雪は1mの日本海型気候です。この高原の一角にある人口2,500人の川上地区は秋になると標高500~700mの奥深い溪谷に野生のヤマブドウが実をつけ、地元では古くから健康に良いと重宝されてきました。 ヤマブドウはワイン醸造には向かないという諸説を撥ね除け、自らヤマブドウ研究で博士号も取得した植木さんの苦労と努力に迫ってみました。Profile植木 啓司 さん農学部農学科1980年卒業学生時代は環境デザイン研究部に所属 1980年 玉川大学農学部副手となる1982年 旧川上村JA特産開発担当者として勤務1985年 ひるぜんワイン有限会社に転職2001年 岡山大学大学院入学 (当時44歳)2004年 農学博士

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