学校法人 玉川学園 Puente 2013.06 vol.03
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Puenteたまがわ│09■ Message from Tamagawa│理事長が語る、これからの玉川教育は、その時代に見合ったものを学ぶ側へと伝えていく義務があります。そして社会の変化に伴い、学ぶ内容そのものが変わっていきます。その一方で生活スタイルにも変化が生じ、施設においても現代に見合ったものが必要となります。昨年度誕生した新食堂KEYAKIもその一つで、この施設は皆様の寄付金によって作ることができました。そこには健康に配慮した食事を、現代的なスタイルでという親心を強く感じます。またKEYAKIの隣にはサイテックファームが設置されています。これは若い世代に最先端技術を感じてもらえるよう、敢えて学生の目に触れる場所を選びました。 同様に、新生玉川を象徴するのが今年度着工した大学MMRC(マルチメディアリソースセンター)です。従来の図書館から一歩踏み込んで、次の時代に求められる知の集積の場となります。印刷物だけでなく視聴覚に訴えるもの、またインターネットに代表される新たな情報を、この大学MMRCで閲覧することが可能になります。またメディアとなるのは書籍やインターネットだけではありません。皆で議論を交わすスペースも、さらにさまざまな知識を発信する教授陣もメディアの一つといえるでしょう。そうしたことから学生同士での学習スペースとしての個室や教授陣の研究室も、大学MMRC内に配置します。総座席数も、文部科学省が提唱する収容定員の10パーセントを上回り、15パーセントを達成。正門に近い場所に位置することから、学生が毎日のように通り、積極的に利用することが期待されています。大学MMRCは、まさにこれからの玉川の教育を象徴する施設といえるでしょう。 さらに2013年度より大学では、授業科目の履修登録単位の上限を16単位に制限し、予習と復習を義務付ける「単位の実質化」を図りました。これも、他大学には類を見ない新たな挑戦です。学生は授業外でも勉強をすることが必要になりますが、大学MMRCは自学自習の場として有効に活用されるでしょう。 また、施設面以外では2007年4月にスタートしたIB(国際バカロレア)クラスの生徒が6年間の教育期間を経て、大学へと進学しました。中学・高校段階からグローバル化を目標に取り入れたこの教育は大きな手応えを感じていますが、本当の評価は、彼らが大学や大学院を修了した6年後になされると思っています。また、IB教育を通して、より早い時期からの国際教育の重要性もより強く感じています。 教育は時代と共にその形を変えていきます。現代において最良の教育を提供すると同時に、今後も新たな取り組みを行っていきたいと考えています。変化の激しい時代の中にあって常に最良の教育を提供小原芳明Yoshiaki Obara学校法人玉川学園理事長・玉川大学学長・玉川学園学園長大学MMRC(マルチメディアリソースセンター)の建設予定地に立つ小原芳明理事長。正門の先、玉川池の畔に建設されるこの大学MMRCはこれからの玉川大学の教育の中心であるだけでなく、周囲の自然と調和しつつ大学を訪れた方がまず目にする、新たなシンボルでもある。理事長自身も完成を心待ちにしている。大学MMRCや新食堂KEYAKIといった施設面での変化に加え、国際バカロレア教育への取り組みや大学の単位の実質化への挑戦など、現在の、そしてこれからの玉川学園・玉川大学について理事長に聞きました。

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