学校法人 玉川学園 Puente 2014.06 vol.04
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Puenteたまがわ│13■ Globalization of the Education│教育の国際化──❷るだけでなく、自身でも外国語習得を体験した教員だからこそ、学ぶ側の課題やつまずきやすい部分までも理解できるといったことも期待できます」。 また、これまでは英語における4技能に関して、すべて同じレベルでの指導が基本でした。けれども私たちが日常的に英語に触れるのはリスニングとリーディングが中心で、スピーキングとライティングはそれほど多くありません。そこで前者のレベルを意識的に少し高めに設定することでインプットスキルを上げ、それにより後者のレベルも引き上げていくといった手法も取り入れていく点も大きな特徴です。 このELFを導入したことにより、学生の英語を学ぶ姿勢にも変化が生まれてきました。 「現在は、最初からELFプログラムで学んだ学生と途中からELFに変わった学生が混在している状態で、なおかつそれらの層が一緒の授業を受けることもあります。そこで、期末試験で英語による設問と日本語による設問を各5問ずつ、計10問出題し、その中から自由に5問を選んで答えていいという試験を行ったとします。途中からELFで学ぶようになった上級生が日本語での設問を中心に解くのに対し、最初からELFで学ぶ下級生は英語での設問中心に解くといった現象が起こっています。試験結果はより多く学んできている上級生のほうが点数が良いとしても、下級生が身に付けた英語に苦手意識を持たない前向きな姿勢は、英語を学ぶ上で非常に重要なものだと思いますね」。 数年前から学科単位で導入を始めたELF。他大学でも一つの学部や学科でELFプログラムを展開しているところはありますが、全学レベルでは玉川大学が初めてになります。「他大学はもちろん、英語教育に興味を持つ東南アジアなどの教育機関からも見学に来たいといった話をいただいています。そうした方々が口を揃えて言うのは、『このプログラムを大学がよく許可したね』ということ。けれども本学の場合、小原学長自身が非常に前向きでした。だからこそ、オール玉川で展開することができたのです」。 玉川大学では、文学部の新学科として英語教育学科を2015年4月に開設します。学科内には英語教員養成コースに加え、ELFコミュニケーションコースを設置予定。このコースでは世界で使われているELFの英語を使い、世界で活躍できる人材の育成を目標としています。「玉川の英語教育はELF」、そんなイメージが、今後は学内外に定着していくのかもしれま せん。玉川だから実現できた全学でのELF導入学生に芽生えた英語への前向きな姿勢多彩な出身の教員スタッフ

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