学校法人 玉川学園 Puente 2014.06 vol.04
19/48

 昨年12月17日、メディア・アーツ学科が授業の一環として「まだ見たことのない光の幻風景」プロジェクトとしてクレーンイルミネーションを実施。大学教育棟 2014の工事現場に設置されている巨大クレーンを使って、LEDのイルミネーションを施したモニュメントを吊り上げ、周辺の夜景とともに不思議な光景を生み出す作品を制作しました。お越しいただいた方々は、クレーンの不思議な光の動きを楽しまれている様子でした。 玉川らしい”アカデミックなイメージの外装を作り上げているのが、外壁に施されたデザインやタイルです。1・2階部分のボーダー部と外壁のレンガタイルの一部には、学園の全人教育を象徴する6つの価値、VERITAS(真)、BONUM(善)、PULCHRITUDO(美)、SANCTITAS(聖)、SANITAS(健)、COPIA(富)の文字が刻まれています。その中には小原学長が刻印したレンガも含まれています。それらを探してみてはいかがでしょうか。Puenteたまがわ│19■ Tamagawa Vision 2020│大学教育棟2014Learning Commons学び、探究、そして討論しあう場──ラーニング・コモンズEnvironmental Activity免震・水・熱・風に配慮した技術を使用■大学教育棟 2014のフロアの機能と構成68台設置される免震装置レンガに刻印する小原学長 大学教育棟 2014は、最新の技術と最善の配慮が施された建物です。たとえば、耐震面では、68台もの免震装置とオイルダンパーが建物を支え、地震によって建物が受ける力を半減。揺れも抑えることで、書架などの転倒の危険性も軽減します。停電時のバックアップ電源として発電機も整備し、万が一に対する備えは万全です。 守るのは建物とその中にいる人だけでな かつては、勉強は一人で行うものであり、図書館では静かにしなければならないと思われていました。最近では、他者や外部と関わりをもちながら勉強するスタイルへと変わりつつあります。そうした時代背景に伴い、図書館はリソースを使って主体的に学修し、他者と共に成長する協同学修の場としての役割が求められています。 図書館が従来の機能を維持しながら学修の場へとシフトするには、単なる場所の提供にとどまらず学修支援が重要です。そこで、グループ学修や討論など、さまざまな学修形態に対応する総合的な主体的学修のための環境「ラーニング・コモンズ*」が整えられることになりました。古来、真理を追究する大学という機関がスタートしたときには、自由な議論の場とそれを発信する機会が今よりもふんだんにあったと思われます。その理想に少しでも近づくために、グループワークのスペースを区切るパーテーションを固定せず、そのときの人数に応じた自由なレイアウトを可能にし、学生のあらゆる学修をく、地球環境への配慮もなされています。屋上には、建物の1階から4階へ上がる中央階段を自然光で照らすトップライト(天窓)を設け、太陽光発電パネルも設置。照明や空調機器などの一部を太陽光発電でまかなう予定です。この中央階段は、風の通り道にもなり、玉川池や2号館周辺の緑林からの冷気を通して空調電力の使用を抑制します。さらに、太陽集熱システムで作られる温水を放支援する拠点としての活用をラーニング・コモンズでは促します。しかし、環境が整えられても利用されなければ意味がありません。今後は各学部学科の教科や科目との連携をますます促進させていくことになります。熱暖房にし、夏場は井戸水の冷水を冷房として利用する天然空調システムを一部の施設に採用します。まさに、これからの時代に必要な機能を備えた画期的な建物なのです。クレーンイルミネーション外壁のレンガタイルラーニング・コモンズ――“ラーニング”は改めていうまでもなく「学ぶこと」「学修」という意味です。一方、“コモンズ”は「共有地」という意味です。つまり、「学修の共有地」ということを意味しており、「学生がともに学ぶ、共有スペース」ということです。*

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です