農学部生産加工室が「Food Science Hall」へと新しく生まれ変わり、お披露目会が開かれました

2015.07.29

 「たまがわはちみつ」や「たまがわアイスクリーム」などの玉川学園オリジナル商品は、玉川大学農学部の研究成果を商品として社会へ還元したものです。その生産加工の拠点となってきた「農学部生産加工室」が、教育学部と連携して装いも新たに「Food Science Hall」と名称を変更し再スタートを切りました。

「農学部生産加工室」は、施設の一部改修を行い、教育学部の調理実習室の機能も担う「Food Science Hall」として新たなスタートを切りました。7月6日(月)、実習室で行われたお披露目会には、小原芳明学長をはじめ、学園関係者や工事担当者の方々が出席。施設の概要の説明や見学、商品化を目指す食品の試食をしながら、新施設の完成を祝いました。
実習室は白を基調に黄色、赤、オレンジなどの料理、調理が楽しく感じるビタミンカラーをアクセントにした室内で、窓の外にはレモン、オリーブ、各種ハーブ類の植栽が映え、その奥には玉川の美しい緑が広がっています。自動昇降可能のテーブル、IHクッキングヒーターなどの設備を整備。テーブルには、農学部関連施設で養殖したアワビの酒蒸しや薫製、LEDを使って栽培したイチゴのアイスクリーム、南さつま久志農場で捕獲されたイノシシの肉を使ったカレーパンなど、様々な食材を使った料理が並べられました。

今回のお披露目会で提供された試食品などは、食品生産へ情熱を燃やす学生が、食品加工の指導をしている馬場直子先生と調理したものです。学生手作りのイチゴのアイスクリームの原料はLED農園で収穫されたイチゴで、香りとほどよい甘さが後を引く味でした。同じく指導にあたった植田敏允先生は、「玉川大学は創立当初よりモノづくりを大切にしており、それが現在のオリジナル商品の開発につながっています」「卒業後の進路に食品業界を志す学生が即戦力となれるよう指導しています」と話しました。
LEDを使った野菜や果物の栽培研究を行っている農学部生命化学科主任の渡邊博之教授は、「安全でしかも機能性を持った食べ物をきちんと作ることを、農学部の教育カリキュラムの中で学生に教えており、新しい施設へ生まれ変わったことでさらに勢いがつくと期待をしています。本学のLED農園が室内での効率的な野菜作りの先駆けとなったように、この施設で学生たちが試作と評価を繰り返しながら、新しい食品の生産システムを作り上げたいと考えています」と述べました。

パンを手に取り、植田先生(右)と話をする小原学長

さらに、農学部長の小野正人教授は次のように話しました。「近年イノシシやシカなどの動物による農作物被害が頻発しています。今回試食に提供したイノシシは南さつま久志農場で捕獲されたもので、単に排除するのではなく、食材としてどう活かすかを考えることも生産と環境を総合的に捉えた農学に期待される機能の一つです」、「学生と一緒にアイデアを出しながら、栄養価値などを付加した食品の開発、あるいは生産システムの構築を積極的に取り組んでいきたいと考えています。これは『食』をキーワードに、生産現場のアウトドアと研究室・実習室などのインドアの双方で行う学際的な協働学修であり、教育学部や芸術学部の教育課程とコラボして内容に幅をもたせる玉川大学らしい「全人教育」の一つのあり方だと考えています。また単に作るだけでなく、製品を消費者に提供する方法までを一貫して学修できる環境を充実させたい。日本の農業・漁業・畜産業の未来を考える上で、生産から効果的な販売方法までをしっかり考える第六次産業の重要性についても授業の中で学んでほしいと考えています。」
お披露目会の最後には小原学長の挨拶があり、「キュウリ1本にも付加価値をつけることのできる生産システムの確立、新商品の開発が日本の産業活性化に役立つと考えています。次にどのような食品が開発されるのか、楽しみにしています」と述べ、会を締めくくりました。