応用脳科学研究センター

心の科学的理解は、脳神経の物質的理解だけでは不可能です。家庭や社会の中で、「心」がどのように働くかを、客観的に記述・分析し、脳神経の物質的働きと対応づけることによって、はじめて心の科学的理解の端緒を開くことができるのです。心理学、哲学、経済学、文学、歴史学、法学といった人文社会科学には、人間の振る舞い、心の働きをそれぞれの視点から記述してきた長い歴史があります。これらの叡智を新しい脳科学的手法と計算理論で、新しい次元の心の科学的理解に結実させていくことが、我々応用脳科学研究センターの使命であると考えます。さらに、その成果を、教育や制度設計に還元させることにより、人類の平和と繁栄に貢献することを目指します。

応用脳科学研究センター主任 坂上 雅道

社会行動研究部門

人間が社会的動物である由縁は、その向社会性にあると考えます。共感、信頼、協力、互恵、公正などの人間の向社会性は、どのような心理特性から構成されているのか、それを実現する神経メカニズムは何かについて、社会科学実験と脳機能イメージング、遺伝子解析を使って明らかにしていきます。さらに、経済学・法学といった社会科学と密接に連携することにより、科学的人間理解に基づく社会制度の設計にも貢献していきたいと考えています。

心の発達研究部門

玉川大学脳科学研究所には、1000人にもおよぶ実験協力者のプールをもつ赤ちゃんラボがあり、乳児から幼児までさまざまな調査を行っています。特に、言語発達の基盤に認知機能の発達があるという視点で、実験心理学・比較認知科学・神経科学的手法により、両者の関係を明らかにする研究は、玉川大学脳科学研究所の特徴であり、世界的評価を受けています。また、大学や併設校の教員とのコミュニケーションをとおして、研究成果の教育への還元も図っていきます。

コミュニケーション知能研究部門

人間とコミュニケーション可能なロボットの開発と、その基礎となる脳の計算理論の研究を行っています。また、心の発達研究部門との共同研究により、母子間の相互作用が認知・言語機能の発達にどのような影響を与えるのかを調べる研究や、ロボットと幼児のコミュニケーションを実験的に分析する研究も行っています。このような研究をとおして培った技術の評価の場として、ロボカップ世界大会にもチャレンジしています(2008年と2010年は世界チャンピオン)。

心の哲学研究部門

哲学は、その長い歴史をとおして、人間の心と行動についての深い洞察を提供して来ました。玉川大学脳科学研究所は、哲学者と脳科学者が対話を行う場を設けることによって、哲学的洞察に裏づけられた道徳観・倫理観・生命観に自然科学のメスを入れる努力を続けてきました。その成果は、「脳科学と哲学の出会い」「精神医学と哲学の出会い」(ともに玉川大学出版会)といった書籍の出版として結実しています。また、最新の脳科学研究を、専門家でない一般の人たちにどう伝えるかの研究も、哲学者と脳科学者が共同で行っています。

関連リンク

お問い合わせ先:玉川大学 学術研究所 研究促進室

        〒194-8610 東京都町田市玉川学園6-1-1
        電話:042-739-8666
        FAX:042-739-8663
        E-MAIL:t.instit@adm.tamagawa.ac.jp