本事業の位置づけ

玉川大学は、全人教育を教育理念としており、バランスのとれた心を育てることを目標としている。つまり、心の科学的な理解は、本学にとっても重要な課題である。我々は21世紀COEプログラム、グローバルCOEプログラムに採択されることで、特に神経生理学研究において世界的な研究拠点を形成してきた。脳科学研究所は、これまでに高次脳機能の中でもその基盤となる記憶・学習の基本メカニズムに関する研究では、インパクトの高い論文を多数発表しており、実績を持っている。さらに近年、動機づけ・意思決定に関する神経生理学的研究でも、オリジナリティの高い研究成果をだしている。
そこで本プロジェクトでは、これまでの玉川大学脳科学研究所の強みを活かし、意思決定、社会性行動、認知発達の学際的脳科学研究を通して人間の心の科学的理解研究の基盤形成を行うことを目的とする。

その目的達成に向けて、

  1. 最先端実験を行うための環境整備と技術開発
  2. ヒトの社会性という人文・社会科学的テーマを生物学的に理解する学際研究を推進できる研究体制の構築
  3. 国際的に活躍できる若手研究者の育成

という3つの柱でプロジェクトを推進する。

本プロジェクトの特徴は、我々の強みでもある神経生理学実験をベースに神経回路基盤をしっかり捉えた上で、社会性や発達という観点をそこに取り入れる研究アプローチであるため、脳科学と人文社会科学の融合的な研究を通して人間の心に迫るところにある。従って、これらの研究の成果は、人間の脳機能の理解に大いに役にたつものであると同時に、社会的意思決定に障害がある、広汎性発達障害(自閉症)や統合失調症などの精神疾患の原因となる脳機能の異常の解明にも役に立つものと期待してよい。