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アオスジアゲハ

吸蜜する成虫。このヤブガラシの花が大好きだ

玉川のキャンパス内はまだ緑が多いが、それでも最近はめっきり昆虫が減ってしまった。アゲハチョウの仲間も例外ではない。そんな中、このアオスジアゲハはまだ健在。またの名をクロタイマイという。四国あたりにいるミカドアゲハとともに、普通のアゲハなどとは違うグラフィウムという属に属する。

どうして健在かというと、幼虫が食べるのがクスノキで、この樹がキャンパス内にはたくさん植栽されているからだ。だからクスノキの梢を敏捷に飛び回っている。このクスノキの葉を一枚手にとって揉んでみていただきたい。清清しいような、薬臭いような強い香りがするはずだ。この匂いの主成分はカンファーで、樟脳ともいう。クスノキの枝葉を水蒸気蒸留すると大量に得られることから、昔は「防虫剤」として、またかゆみ止めや湿布薬などの医薬品とし広く使われていた。

アオスジアゲハの幼虫は、どうしてそんな「防虫剤」の匂いのする葉っぱを好んで食べるのだろうか? 他の虫たちが嫌う樹の葉を食べるように進化したことで、食べ物をめぐる競争を避け、悠々としていられるのだ。

(名誉教授  佐々木正己)
『全人』2018年6月号(No.828)より

アオスジアゲハ

学名:Graphium sarpedon
チョウ目アゲハチョウ科

南方系で、東南アジアに広く分布。成虫の前翅長は35.45㎜。翅には黒色の地に青緑色の帯が入るが、帯の部分には鱗粉がない。成虫の出現期は長く、年3~4回発生で5月から10月まで。幼虫はクスノキのほか、タブノキ、シロダモ、ヤブニッケイなども食べる

若齢幼虫。クロアゲハのように鳥の糞に擬態することはない
終齢幼虫。クスノキの葉と同じ緑色なので目立ちにくい

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