『全人』2016年5月号 No.805より
2016年5月号 No.805
玉川学園は、日本で最初にアドベンチャー教育を導入しました。野外での活動など、さまざまなプログラムを通じて人と協力し、社会性やコミュニケーション能力を育むもの。5月号は、玉川のアドベンチャー教育の実践と普及、研究の中心であるTAPセンターの特集です。幼稚部から大学、保護者や企業関係者を対象にした実際のプログラムを紹介、高さ7メートルの柱の上からジャンプするコースに本誌のスタッフが挑戦した体験も写真で追いかけました。あわせて、3月に教育関係者約500名が参加したTAPセンター主催のシンポジウムの内容も報告します。
研究エッセイではSGHの「ヨーロピアン・スタディーズ」で国連やアウシュビッツなどを訪問し、レクチャーを受けディスカッションした研修の様子をレポートしています。
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玉川とアドベンチャー教育の出会いは1997年。5年生の林間学校で実施された野外プログラムにさかのぼります。玉川が導入したアドベンチャー教育はアメリカで40年以上にわたり高い評価を得ている教育手法で、人間的な成長、社会性を向上させる野外活動や体験を教育に取り入れたものです。
玉川での本格始動は2000年から。TAPセンターの前身の心の教育実践センターが創設され、同年学内の経塚山にチャレンジコースが完成しました。国内で最初にアドベンチャー教育を取り入れた実績と実践を続けた経験から、学内のみならず日本のアドベンチャー教育を牽引してきた自負があります。
センター開設1周年の今年度より、受講者のニーズにより明確に応じる7つのプログラムの提供を開始します。生きる力を引き出す教育の研究と実践との両輪で、我々はさらに進化します。TAPセンターが牽引する玉川のアドベンチャー教育 p6
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現地に足を運び、人々から直接話を聞くことで初めて見えてくるもの、感じられるものがあります。今回のヨーロピアン・スタディーズに参加した生徒全員が、座学と実体験では印象が全く異なることを実感しました。また、国際機関の一員として誇りを持って働く多くの日本人に出会えたことで、国際機関で働くことの意義や、自分は今なにをすべきかを具体的に考える機会となりました。語学力の重要性も痛感したようです。
国際機関で活躍するグローバルリーダーを育てるというSGHの研究課題に取り組むうえで、日本はヨーロッパの平和構築に学ぶべきであると考えています。生徒にぜひ現場を見せたいという思いで始まった本研修は、今回が2回目です。現実を知り、本物にふれる教育を、今後も続けていきます。研究エッセイ 世界の広さを学ぶヨーロピアン・スタディーズ 横山絢美 p26
目次
- [特集]CHALLENGE! TAMAGAWA ADVENTURE PROGRAM
TAPに挑戦!
TAPセンターが牽引する玉川のアドベンチャー教育
学内外向けに提供する5つの領域・7つの実践プログラム
K-12、大学、国際交流、学外の実践
編集部のTAP体験レポート
TAPセンター開設記念シンポジウム 開催報告
「K-16におけるアドベンチャー教育の現在と未来」
体験教育におけるファシリテーション ジェニファー・スタンチフィールド
体験をいかに振り返るか 中原 淳
学校教育における体験学習
-三鷹市立井口小学校、座間市立東原小学校、多摩市立瓜生小学校
故きを温ねて 34
「今迄の我慢が一時に爆發して恐ろしく大きな聲で萬歳を連呼」…白柳弘幸
- 第87回創立記念日 全学教職員の集い 理事長挨拶抄録
新年度にあたって…小原芳明 - 2017年4月 文学部、農学部、工学部に新学科創設!
- TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- 研究エッセイ
世界の広さを学ぶヨーロピアン・スタディーズ…横山絢美 - 玉川玉手箱 6
宝さがしはいつもの場所で…松山 巌 - 今月の一労作 30
いきものおりがみ展 - キャリアナビゲーション '16
企業研究を行う上で【知りたい情報】は? + 就職ガイダンス - Book Review 135 『リアリズム絵画入門』…高平小百合
- 教育博物館館蔵資料紹介 287 「徳富蘇峰筆蹟」…菅野和郎
- 玉川の仲間たち 「アミガサタケ」…石﨑孝之