『全人』2016年10月号 No.809より
2016年10月号 No.809
読書は心の糧。あらゆる学びの土台であり、きっかけです。今月号の特集は「子どもと読書」。子どもたちが本に親しみ、本の世界を広げられるような学園の取り組みと幼稚部と低学年の読書風景、今年のサマースクールのMMRCでのプログラムを紹介します。巻頭では歌人の穂村弘さんが絵本の魅力を語り、大人も子どもも一緒に楽しめる豊かな本の世界に誘います。特集全体で紹介する絵本は全20冊。何を読んだらいいの? という問いにもきっちり答えました。
ほかにも、8月に開講した通信教育部の夏期スクーリングの充実ぶりをレポートしました。夢に向かって学ぶ通大生たちが熱いです。
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子どもって、大人の見ている価値観を簡単に飛び越えて絵本の世界で遊んでいる。そこに親は気づけばいいんだけど、どうしてもコンサバティブな本の選び方をします。例えば「優しいストーリーの絵本だと、優しい心がはぐくめる」みたいに。
でも、そういう順接的な捉え方は絵本の場合、当てはまらないですね。そういうと、逆のことを書いてあればいいのかと聞かれるけど、そうでもない。問題は正解がないということですが、順接的な、いわば合目的的なベクトルがないところが絵本の価値なんです。
実用書などに添えられる挿絵は順接です。本文を補足するため、ズレないように描く。でも絵本の場合、わざとズレさせることがある。そのズレをどう考えるか、読者に参加させる余地を残すのです。「絵本の世界」 穂村 弘インタビュー p4
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玉川の通信教育の原点は1950(昭和25)年の第1回夏期スクーリングです。この年、日本初の小学校教員免許状を取得できる通信教育課程で学ぶために、全国各地から368名が参集。66回目の夏を迎えた今年は1,155名の受講生が集いました。
通大生と呼ばれる受講生の多くは、仕事や家庭などと勉学を両立させる必要があり、普段はテキスト学修とレポート提出、そして科目試験受験という独学の学修スタイルをとっています。いつでもどこでも学べるという利点の一方、忙しい中で時間をつくり出すのは難しく、学修が思うように進まないこともあります。受講生にとってスクーリングは対面授業で学びを深めるとともに、教員への質問や仲間との意見交換ができる貴重な機会です。「生涯学ぶ同志とともに」近藤洋子 p26
目次
- [特集]子どもと読書
interview 絵本の世界 穂村 弘
K-12の読書風景
Summer School in MMRC
ぬいぐるみおとまり会
読書へのアニマシオン
宇宙人がやってきた! 星と調べ学習
玉川発見伝 8 玉川の「児童百科」…モリナガ・ヨウ
故きを温ねて 38 「子供たちにとりては無限の知識の庫」…白柳弘幸
玉川学園創立90周年記念出版 こども博物誌 全12巻 刊行! - TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- 通信教育部 夏期スクーリング2016
生涯学ぶ同志とともに…近藤洋子 - 玉川のアクティブ・ラーニング 3
農学部生物資源学科 宮田徹准教授の授業 - キャリアナビゲーション’16
最終的な就職先の【認知経路】は? +企業見学会 - 学園日誌…小原芳明
- Book Review 139 『子どもはみんな問題児。』…岩田恵子
- 教育博物館館蔵資料紹介 291
「ガスパール・カサド作曲 《スペイン古典様式によるソナタ》」…栗林あかね - 玉川の仲間たち 「ブドウ」…大宮正博