『全人』2018年4月号 No.826より

2018.05.15

2018年4月号 No.826

起伏にとんだ多摩丘陵に広がる町田キャンパスには、聖山や経塚山などの丘や里山環境の農場があり、さまざまな動植物がそれぞれの命をつなぐ活動を行っています。いきものに囲まれた丘は学びの宝庫、かけがえのない私たちの財産でもあります。町田キャンパスに生きる仲間たちを、出会える時期やエリアを示して解説・紹介しています。巻頭のインタビューには生物学者の本川達雄さんが登場。学園をめぐりながら、多様な生物との向き合い方についてうかがいました。「玉川の先輩を訪ねて」は舞台を中心に活躍する俳優の丘山晴己さん。幼稚部から中学部まで玉川で過ごし、アメリカの高校へ。大学時代に本格的にダンサーを志してからブロードウェイの舞台に立つまでの軌跡、俳優としての今後の展望を語っていただきました。
表紙写真=岩崎美里

  • 生物学者の本川達雄さん。研究対象のナマコを中心に、生物学に基づいた世界観を説く。理科教育の要点を歌で伝える「歌う生物学者」でもある

    大学卒業後は生物学者として、イモムシ形の生物「ナマコ」を研究対象に選びました。未だにナマコは好きじゃないけれど、きらいなものにこそ学ぶ価値がある。私たちが「きらい」という感情を抱くのは、それが自分の常識では推し量れない存在だからです。きらいなものに目を向けなくては、世界は広がっていかないんです。
    きらいなもの、つまり自分と違うものを理解しようという姿勢は「生物多様性」を考える上でも大切です。地球上には現在学問的に記載されているだけで190万種、まだ発見されていないものを含めると数千万種の生物が生息していると言われています。人間にとって有益な生物もいれば、そうでないものもいる。生物を好ききらいでとらえるのではなく、ともに生きる仲間として理解しようという気持ちを持つと、新しい世界が見えてきます。

    「多様な生物と共生する『私』」 本川達雄  p4

  • 幼稚部から中学部(当時)まで玉川で学んだ丘山晴己さん。23歳からダンサーとしてアメリカの舞台に立ち、現在は俳優としても活躍している

    『Radio City Christmas Spectacular』のオーディションは忘れられません。ダンサーなら誰でも目指すショーで超高倍率。自分が下手なこともわかっていて、受かるわけがないと思っていた。ほかの参加者からは「コイツ、覚えが悪いな」って冷たい視線があって、でも必死で振りを覚えようとしていたら、振付の先生がプロデューサーの声を遮って言うんです。
    「みんな、これが何のショーかわかってる? クリスマスのショーよ。でもあなたたちにはクリスマス・スピリットを感じないの!」
    それから僕のことを指差して「この子よ、ずっと笑ってる。これなのよっ」
    これで僕は受かった(笑)。うまく踊れないなら笑顔しかない。そう考えたのも事実なんですけど、そもそもパフォーマンス自体が好きだから踊れるだけで嬉しい。僕は玉川にいた頃からやりたいように踊って楽しんでいた。だから自然と笑えていたんでしょうね。

    玉川の先輩を訪ねて76 丘山晴己 p26

目次

  • [特集]いきものに親しむ
    interview 多様な生物と共生する「私」 本川達雄
    TAMAGAWA Nature Map
    玉川いきもの図鑑
     脊椎動物 カルガモ/チョウゲンボウ/ニホンイタチ ほか
     節足動物 アブラゼミ/カブトムシ/スジグロシロチョウ ほか
     草本類 カントウタンポポ/キンラン/ヒガンバナ ほか
     木本類 キブシ/ケヤキ/ムラサキシキブ ほか
     菌類 アミガサダケ/テングタケ/ヒラタケ ほか
    自然は学校 丘めぐり/サマースクール/お米の学習/環境学習/生物自然研究部
    故きを温ねて 55
    朝から辨當携へて、學園の丘から野に」…白柳弘幸
  • TAMAGAWA GAKUEN NEWS
  • 行事報告
    先端知能・ロボット研究センター キックオフシンポジウム…岡田浩之
  • 玉川の先輩を訪ねて 76
    俳優 丘山晴己【中学部 2000 年卒業】
  • キャリアナビゲーション ’17
    プライムデリカ株式会社 福田智史さん+玉川大学キャリアセンター
  • 学園日誌…小原芳明
  • Book Review 156 『ゴールデンスランバー』…打江和也
  • 教育博物館館蔵資料紹介 308 「具氏博物学(一)」…宇野 慶
  • 玉川の仲間たち 「クモタケ」…石﨑孝之