『全人』2011年12月号 No.756より

• 調査の場としていた三陸が震災と津波で被害に遭い､研究を通した復興支援も行っている佐藤克文先生

  海で暮らす動物たちは、普段どんな世界を見て、日々どのような暮らしをしているのでしょうか？ ヒトが頭の中であれこれ想像はできても、実際にそれを調べるなどということは、一昔前まで夢物語に過ぎませんでした。しかし、最近、小型の高性能記録計が開発され、「動物たちの暮らしぶりを動物の視点から見る」ことが可能になりました。海を広くかつ深く泳ぎ回る動物に、ヒトが付いていって直接観察することはできません。しかし、装置を動物に取り付け、しばらくしてから装置を回収すれば、その間の動きを秒単位で詳しく調べることができるのです。
  動物に小型の記録計を取り付け、動物の行動や動物を取り巻く環境を調べる方法を、バイオロギングと言います。バイオ（bio）は「生物」、ロギング（logging）は「記録する」という意味なので、バイオロギングサイエンスとは「生物が記録する科学」という意味になります。この言葉は英語ですが、実は日本から世界に広がっていった言葉です。

  「バイオロギングサイエンス」 佐藤克文 p4

• 教学部長も務める菊池重雄・経営学部教授にインタビューを行った。職員研修の目的で、自らの授業も公開

  FD（Faculty Development)とは、大学という組織において、「どこで、誰が、何のために」が明確になっていないと、教育に還元されません。教員個人の経験や印象に依存するものではなく、ミクロ、ミドル、マクロの構成員が、いわば総出で営む取り組みでしょう。玉川大学は、この三層構造のFDで、授業においては「実効性（効果）」を、組織運営においては「実行性（実現）」を、ヴィジョンにおいては「リーダーシップ」を追求しているのです。
  そして、このFDの取り組みは、さらにSD（Staff Development）とも結びつくことが大切だと、菊池教授は言います。SDは、大学の構成員である職員の能力開発ですが、所属する大学の教育理念を受け入れていることはもちろん、履修の仕組みや教育システム、学生支援の意義や内容を理解して職務にあたることがまず、不可欠な資質です。

  「ユニバーサルな学士課程教育 玉川大学のFDとSD」 p18

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目次

• バイオロギングサイエンス
  動物目線の動物行動学…佐藤克文
• 学園ニュース
  ［K-12］優秀マニフェスト推進賞受賞…硤合宗隆
  ［大学］日本インターンシップ学会関東支部研究会開催…折戸晴雄
  ［大学］脳科学リテラシー部門第10回研究会開催…小口峰樹
• 玉川学園・玉川大学
  第83回体育祭
• ユニバーサルな学士課程教育 series2
  玉川大学のFDとSD 教員と職員の職能開発と協働
• なるほど！ 日本語 3
  金田一秀穂 「汚名挽回」？ 何気なく使っているちょっとヘンな日本語
• 学びの時間 6
  農学部生命化学科 新本洋士 研究グループ
• 玉川の丘めぐり 17
  年末に響く歓喜の歌声「第九と玉川学園」…白柳弘幸
• Book Review 86
  「二つの心臓の大きな川」…小笠原亜衣
• 子どもの本で世界をまわる 17
  〈イタリア〉関口英子
• 生涯学べ 6
  新人発掘も担う私設美術館──雪梁舎美術館学芸員／捧 実穂
• 課外活動訪問 17
  放送研究部＝FM放送局でラジオ番組を制作
• 小児科ドクターの診療カルテから 6
  就職活動と排便習慣
• Career Navigation '11
  仕事インタビュー〈幼稚園教諭〉＆イベントスケジュール
• 学外施設定期便 17
  大自然の教室〈カナダ／ナナイモ〉…山路利英
• 同窓会インフォメーション
  同窓生のためのクリスマス礼拝開催
• 学園日誌…小原芳明
• Photos of the Day│リストの幻の交響曲を本学で初演！
• 学園スケジュール│玉川大学・K-12のイベントと入試に関するご案内
• 表紙の風景│机上のヴァイオリン 松本 愛 【作】
• 教育博物館館蔵資料紹介 238│観想の聖母マリア…宇野 慶
• TAMAGAWA HEADLINES 学園近況
• 玉川の仲間たち│ドウダンツツジ…梅木信一