『全人』2013年4月号 No.771より
「疑う技術で知識を広げる」と題した今月号の巻頭記事は、東京大学先端科学技術研究センターの西成活裕教授の寄稿。あふれる情報と向き合う現代、情報の取捨選択はどんどん難しくなっているなかで、「疑う技術」で情報とかしこく向き合う方法を説いています。
連載「教育連携@K-12」は、恒例の「玉川大学第九演奏会」での取り組みを紹介。5年生から12年生までの生徒4名が大学管弦楽団と共にサントリーホールの舞台にあがった背景をルポしました。
研究エッセイは、芸術学部ビジュアル・アーツ学科のアートを通じた被災地支援を報告。学園ニュースは、約200名もの参観者が来校したK-12におけるICT活用の授業公開などを取り上げました。
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現代には様々な情報が溢れています。インターネットや携帯電話の普及で手に入る情報量は飛躍的に多くなり、その質は玉石混交です。さらに社会のスピードがどんどん加速しているため、情報の一つひとつをじっくり検討する時間はほとんどありません。(略)信じることで、大きな不利益や事故が引き起こされる可能性すらあります。かといって全く信じず、自分の知識として取り込んでいかなければ世界が広がっていきません。このジレンマを世界の多くの人が抱えているのが、グローバル化した現代の特徴ではないでしょうか。
こうした難しい問題を考えるときは、基本に立ち戻ることが重要です。そこで、「疑う」とはそもそもいったいどういうことかを考えてみましょう。「疑う技術で知識を広げる」 p4 西成活裕
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最後まで意欲と集中力が途切れなかったのは、「相手が存在する活動」だったからと分析しています。ボランティアとして接した被災地の方々、非被災地も含めたワークショップの参加者、そしてANBD展での研究発表におけるオーディエンスなど。常に「人対人」という状況に置かれたことで、学生は目を見張るような成長を遂げました。
ANBD展で発表したポスターには、プロジェクトの成果として、「被災地と関わる場」「気持ちを共有する機会」「自己に関する発見」の獲得という言葉が挙がりました。「地域支援と造形活動」をテーマとする研究を通じて、実施する側の心の成長が得られたことは、われわれ教員にとっても発見です。ビジュアル・アーツ学科では、芸術を社会に生かすことを学びの目的として、今後も様々なプロジェクト系授業に取り組む予定です。「アートで被災地と世界をつなぐ」 p30 中島千絵
目次
- 疑う技術で知識を広げる
西成活裕 - 学園ニュース
[K-12]公開授業「授業目標達成のためのICT活用」開催
[大学]「新教育運動の展開と玉川学園」特別講演会
[大学]第9回赤ちゃんフォーラム開催…佐藤久美子 - 教育連携@K-12 9
大学管弦楽団×K-12オーケストラ部
玉川ならでは、玉川にしかできない音楽教育 - 今に生きる教育12信条 11
個性尊重…渡辺康孝 - 学びの時間 21
工学部機械情報システム学科 大久保英敏研究室 - なるほど! 英語 11
ピーター・バラカン
「~したいのですが……」と許可を求めるときの言い方 - 玉川の丘めぐり 32
一画多い「夢」…白柳弘幸 - Book Review 101
『深夜特急』シリーズ…鈴木彩子 - 生涯学べ 21
教え続けるために学び続けたい
宮城県石巻市立桃生小学校教諭/白石達哉 - 学生コミュニティSUPLIの冒険 11
3年目の新たな出発 - 研究エッセイ
アートで被災地と世界をつなぐ
「地域支援と造形活動」をテーマとした研究プロジェクト…中島千絵 - OUR JOB, OUR PRIDE 10 玉川を支え、守る職員たち
鍵渡尚志さん ●eエデュケーションセンター - Career Navigation '12
就活データ「語学を活かせる就職先は意外に幅広い」
+仕事インタビュー〈メーカー プロダクトデザイン〉 - 小児科ドクターの診療カルテから 21
高齢出産と出生前診断 - 同窓会インフォメーション
学友会ギャラリーOPEN - 学園日誌…小原芳明
- Photos of the Day│芸術学部卒業制作プロジェクト展
- 学園スケジュール│玉川大学・K-12のイベントと入試に関するご案内
- 表紙の風景│Collage 川島麻里 【作】
- 『全人』2012.5~2013.4 No.761~771 総目次
- 教育博物館館蔵資料紹介 253│
第6期国定国語教科書『国語 第六学年 下』「熱情のことば」…宇野 慶 - TAMAGAWA HEADLINES 学園近況
- 玉川の仲間たち│ベニマシコ…金井秀明
川の仲間たち│ベニマシコ…金井秀明