『全人』2013年11月号 No.777より
『全人』は、玉川教育の実践をインタビューや報告記事などで紹介。豊富な写真で学園行事やニュース、学部新設などの動向をビジュアルにお伝えします。学園機関誌の枠を超え、タイムリーな論評やエッセイなども掲載。テーマも、教育、科学、社会と家族、芸能まで多岐にわたり、各分野とも話題の執筆陣をむかえて、読みごたえ充分です。
2013年11月号 No.777
今年4月にスタートした観光学部。目指すのは、観光を通して社会に貢献するグローバル人材の育成です。今月号では、観光学部の学びについて紹介するとともに、巻頭には「観光産業界が求める人材と今後の観光教育」「大学と産業界は今、なにをすべきなのか?」の記事を掲載して課題にフォーカスし、観光庁はじめ産業界と大学の各識者の提言をまとめました。関連記事として「現代アートがつなぐ新しい観光」と題し、現代アートが地域振興をになった例を、直島の地中美術館など話題のスポットを紹介しつつ解説します。
行事報告では生徒たちがつくりあげたペガサス祭、学園ニュースではNASA長官の来園と講演の様子などを、迫力満点の写真とともにお届けします。
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「観光産業に今、必要とされているのは、管理・運営能力を持った『経営マネジメント人材』と、語学を含む国際的コミュニケーション能力を身につけた『グローバル人材』です。この二つの資質を備えた人材は観光産業に限らず、すべての業界が求めている理想の人材像といってもいいでしょう。高等教育の現場で優秀な人材を育成していただくことも、もちろん大切ですが、観光産業側も、こうした人材を惹きつける魅力的な産業セクターになるための、さらなる努力や取り組みが必要と思われます」(元観光庁長官・井手憲文)
(略)ちなみに現在では計42大学にも及ぶ観光系学部や学科がありますが、その卒業生の観光関連企業への就職率は、わずか16.1%(2011年度調査)。これは、企業側が求める人材と、大学側が理想とする人材像の間に、大きなミスマッチが生じていることを示しています。「観光産業界が求める人材と今後の観光教育」 p3
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式年遷宮は持統天皇4(690)年に始まったと伝えられる。途切れた時代もあったが、そのたびに復活したのは信仰の力であろう。建物であれ祭事であれ、それを1300年にわたって守る壮大な力が人の営みによったということに感動する。(略)
教会に比べ、外観と内部共に簡素で静謐で穏やかさに溢れているのが神社である。動的に人間に働きかけようとするキリスト教と、静かに人間を包んで自然と一体化し、神を感じさせる神社と、それぞれの場が生む力には作用点の違いがある。(略)伊勢神宮は20年ごとに同じ規模と形で造り替えられ続けてきた。1300年にわたって伝統や技術が厳しく守られながら、「常若(とこわか)」すなわち、命のよみがえりの象徴でもあり続けた独自の歴史観を感じる。「学園日誌」 p32 小原芳明
目次
- [特集]観光教育の明日
観光産業界が求める人材と今後の観光教育
大学と産業界は今、なにをすべきなのか?
故きを温ねて 6 玉川学園留学生部発足…白柳弘幸
時代の一歩先を行く観光学部の人材育成の取り組み
現代アートがつなぐ新しい観光…山口裕美 - TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- 行事報告
ペガサス祭2013…川﨑以久哉 - 学びの時間 27
リベラルアーツ学部リベラルアーツ学科 小嶋正敏研究室 - 生涯学べ 27
加藤恵樹 東京都北区立西浮間小学校教諭 - K-12学びの丘 6
ペガサス祭実行委員会 - Our Job, Our Pride 16
通信教育事務部通大教務課 室伏亜矢子さんの仕事 - 今月の一労作 3 おべんとう箱
- キャリアナビゲーション '13
就活データ「若手の【正社員採用】で会社が重視する能力って?」+
TDK株式会社 森 隆洋さんに聞いてみた - 学園日誌…小原芳明
- Book Review 107 『おこだでませんように』…魚崎祐子
- 教育博物館館蔵資料紹介 259 「吉田松陰像 絶命詩」…宇野 慶
- 玉川の仲間たち「モミ」…山岡好夫