No.3 ホタルブクロ

木々の緑が一段と深まり、もうすぐ本格的な夏を迎える。蛍の飛び交う季節になると、ホタルブクロの淡い紅紫色の花を見つけることができる。花の長さは5センチもある。下向きに咲く花をよく見ると内側に紫色の斑点がある。

子どもの頃、この袋状の花に蛍を入れて遊んだ人もいるだろう。花の形からツリガネバナ、チョウチンバナなどとも呼ばれる。

属名のCampanulaは、つり鐘の意味で花の形に由来している。ホタルブクロの仲間はヨーロッパで古くから栽培されており、園芸品種も多く、「カンパヌラ」としてよく知られている。また「聖母の手袋」「聖母の指ぬき」などとも呼ばれている。

構内を散歩していると、道路沿いの植え込みの間からホタルブクロが花を咲かせている。聖山では住み心地がよいのであろう、みごとな集団となって咲いている。 つり鐘に似た花には懐かしさと親しみがある。

(文学部助教授 梅木信一)
「全人」2002年6月号(No.648)より

ホタルブクロ(蛍袋)

学名:Campanula punctata
別名:ホタルバナ、ツリガネソウなど多数
キキョウ科ホタルブクロ属の多年草。各地の山野に生える。種子や長い匍匐枝でふえる。淡紅紫色でつり鐘状の花を下向きに咲かせる。白花もある。
花期:6月~7月